車を家族や友人に譲ってもらったり、売ってもらったりして所有している方も多いです。車検証に自分の名前が載っていない場合は、名義変更がされていないということになります。
他人名義で車検を受けることができるのか、車検証記載の名前が自分でない場合にどのように名義変更すればいいのかについてまとめました。
他人名義で車検を通せるか
結論から先にいうと、他人名義でも車検は通すことが可能です。基本的には、車検証に記載されている名義人本人が車検の手続きをおこなわなければなりませんが、現在車に乗っている方が「所有者の代理人」として、車検の手続きをする方法があります。
しかしこの方法で車検を受ける場合は、車検に必要な書類だけでなく、ほかにも準備しなければならないものがたくさんあるのです。
家族や友人など、自分の身近な人であれば書類の準備もスムーズにできますが、オークションや個人売買で購入した車の場合は、所有者と連絡がつかなくなることも考えられるため、事前に名義変更の話をしておくことをおすすめします。
他人名義で車検を受ける際に必要な書類
他人名義の車を「所有者の代理人」として手続きする場合、事前に用意しなければならないものが6つあります。
まず1つ目は、所有者の委任状です。委任状は、陸運支局や整備工場、KuruTown(クルタウン)からダウンロードして入手できます。
委任状に記入する内容は、車検証に記載されている所有者の名前と住所(委任者)、所有者の代理人として車検を受けようとしている人の名前と住所(受任者)です。印鑑を押印する場所には、必ず押印してもらうようにしましょう。
2つ目は車検証で、これは他人名義で車検を受ける場合でなくても、車検を受ける際には必要なものとなります。
3つ目は、自動車納税証明書です。自動車税を納付したことを証明するために必要なもので、毎年4月1日時点の所有者に対して課せられています。
自動車納税証明書を紛失している場合は、所有者に再発行をしてもらわなければなりません。代理人でも委任状を書けば再発行が可能です。
4つ目は、自賠責保険証。自賠責保険は、車の所有者には加入が義務付けられているもので、多くの場合は、車検時に再加入します。
5つ目は、代理人の印鑑です。委任状には委任者の印鑑が押印してあるはずですが、代理人の印鑑は、手続き当日に必要なものとなります。
最後の6つ目は、代理人の身分証明書です。パスポートや免許証が身分証明書となります。身分証明書を忘れると、委任状の内容が証明できないため手続きができません。必ず忘れないように準備しておいてください。
名義が異なることで発生する問題
先ほどもご紹介したとおり、他人名義でも車検に通すことは可能です。しかし、名義が異なることでトラブルが起きることもあります。
名義人に通告が行く
車で事故を起こした場合や交通違反をした場合、車検証に登録されている住所、すなわち名義人の元へ通告が届きます。
具体的には、名義人が事情聴取を受けることになったり、違反した場合には、違反金納付の案内が名義人宛に届いたりするのです。
このようなことから名義人に迷惑がかかり、トラブルになることも少なくありません。
自動車税の納付書が自分宛てに来ない
通常、自動車税は5月に納付書が送られてきますが、車検証に登録されている住所に届くようになっています。
家族や友人など身近な人であれば、納付書を預かって自分で払うこともできますが、オークションや個人売買で車を購入しており、納付書が自分の手元にない状態で支払いができず、さらに車検証に登録されている所有者自身も自動車税を納付しなかった場合、車検を通すことができないという問題が起きてしまいます。
名義人と連絡がつき、話ができる状態であればなんとかできますが、連絡がつかない場合は、車検が受けられず車に乗れないといったトラブルに見舞われることにもなりかねません。
車検と同時に名義変更する方法
基本的に車検と名義変更は同時におこなえます。しかし、すでに車検切れの車の場合は、先に車検を受けてから名義変更の手続きに移る流れになるので注意してください。
車検と同時に名義変更する方法は、自分で手続きする方法と業者に依頼する方法がありますが、業者に依頼したほうが簡単に手続きを終えられます。
また業者はプロですので、書類のミスなどで二度手間になることもないといえるでしょう。手続きに不慣れな場合は、自分でおこなおうとせず、業者に依頼することをおすすめします。
また業者はプロですので、書類のミスなどで二度手間になることもないといえるでしょう。手続きに不慣れな場合は、無理に自分でおこなおうとせず、お近くの専門業者に依頼することをおすすめします。
車検と同時の名義変更に必要な書類
車検と同時の名義変更には、以下で紹介する4つの書類が必要です。
1.旧所有者の印鑑証明
2.新所有者の印鑑証明書
3.車検証
4.新所有者の車庫証明書
印鑑証明は発行日から3ヶ月以内、車庫証明書は発行日から1ヶ月以内のもののみ有効となります。また、軽自動車の場合は、新所有者の印鑑証明書でなくても新所有者の住民票で手続きすることも可能です。
印鑑証明書は、住民票がある市区町村で発行、車庫証明書は管轄の警察署で発行してもらえるので準備しておきましょう。
業者に依頼する場合は、この4つの書類にプラスして、さらに以下で紹介する3つの書類が追加されます。
1.譲渡証明書
2.旧所有者の委任状
3.新所有者の委任状
譲渡証明書は、発行日から3ヶ月以内のものが有効です。委任状には、それぞれ実印の押印を忘れないようにして提出しましょう。
書類を無くしたときは
名義変更に必要な書類や、車検に必要な書類を紛失した場合の手続きについて解説します。これらの書類紛失時は、書類によっては前の持ち主にも動いてもらわなければならないため、余裕を持って早めに再発行の手続きをするようにしてください。
車検証
車検証の再発行は、運輸支局でできます。自分で手続きするか業者に依頼するかで、必要な書類も変わりますので注意してください。
まず、業者に依頼する場合です。
1.所有者の委任状(認印の押印が必要)
2.所有者の理由書(認印の押印が必要)
次に、自分で手続きする場合です。
1.所有者の委任状(認印の押印が必要)
2.所有者の理由書(認印の押印が必要)
3.申請者の身分証明書
個人で手続きする場合で、所有者本人が手続きする場合は所有者の委任状は必要ありません。
自動車納税証明書
自動車納税証明書の再発行は、各都道府県の自動車税事務所か運輸支局場内の自動車税事務所でおこないます。
1.所有者の委任状
2.車検証
3.身分証明書
4.納税した領収書
この4つが必要書類となりますが、所有者本人が再発行する場合には、委任状は省かれます。
納税した領収書も紛失してしまっている場合は、納税が確認できるまで時間がかかりますので、早めの再発行を心がけましょう。
車を購入したディーラーや販売店に自賠責の加入を依頼していて、加入している保険会社がどこかわからないという場合は、ディーラーや販売店に聞けば教えてもらえますので、お近くの専門業者にお問い合わせください。
自賠責保険証
自賠責保険証明書の再発行は、加入している保険会社で手続きができます。紛失が分かった時点で、加入している保険会社へ連絡しましょう。
車を購入したディーラーや販売店に自賠責の加入を依頼していて、加入している保険会社がどこかわからないという場合は、ディーラーや販売店に聞けば教えてもらえます。
再発行に必要な書類は以下の3つです。
1.シャチハタ以外の印鑑
2.身分証明書(免許証やマイナンバーカード、パスポートなど)
3.再発行申請書
再発行申請書は、保険会社が用意してくれますので、必要事項を記入してください。
再発行されるまでの期間は、保険会社によって異なります。窓口で書類に不備がなければ即日発行してくれる場合もありますが、多くの場合は2週間程度かかるので早めに再発行の手続きをしておきましょう。
まとめ
車検自体は名義変更しなくても通せますが、トラブルが起きないためにも、車を譲り受ける際には名義変更しておくほうが安心です。
車検と同時の名義変更や各書類の発行手続きは自分ですることも可能ですが、不備があることも考えて二度手間にならないためにも、業者に依頼することをおすすめします。