アイドリングストップのメリットとデメリット

アイドリングストップが搭載されているクルマが近年増加しています。アイドリングストップは、燃料改善と排出ガス削減が目的とされています。しかしアイドリングストップにはメリットだけではなくデメリットも多く存在されているとして、賛否両論の声が上がっているようです。

こちらの記事では、アイドリングストップのメリットやデメリットについてご紹介したいと思います。アイドリングストップ搭載車の方もそうではない方も、参考にしてみてください。

アイドリングストップとは

信号機と車

アイドリングとは、自動車のエンジンなどを動力を伝えることなく作動させることです。それを止めることがアイドリングストップです。まずはじめに、アイドリングストップについて詳しくご紹介したいと思います。

アイドリングストップとは

アイドリングストップとは、自動車やオートバイが無用なアイドリングを行わないことを指します。自動車の運転中に信号待ちなどで一時停車したときに自動的にエンジンを静止させるシステムです。アイドリングストップは、ブレーキを離したり発進や加速をしたりするときに再始動します。

アイドリングストップ条例

アイドリングストップ条例とは、大気汚染や騒音、悪臭、地球温暖化を防止する観点から、自動車やバイクなどのアイドリングを禁止するという条例です。アイドリングストップ条例は多くの都道府県で定められています。自動車の駐車中にエンジンをかけ続けるアイドリングは、直接的に付近の住民の方々に大気汚染や騒音の問題を引き起こしてしまう場合があるために禁止されています。アイドリングストップ条例では、自動車の運転者に対して自動車の駐車時におけるアイドリングストップの義務を課しています。アイドリングストップ条例では、救急車や消防車などの緊急車輌のほかコンクリートミキサー車や保冷車などの別途付属装置の動力源として必要なクルマは対象外とされています。また、事業者の場合にはその事業活動に関して、自動車を運転する従業員に対して自動車を駐車する場合にはアイドリングストップを行うように指導しなければいけないことが定められています。

アイドリングストップの3つのメリット

メリット

都道府県によっては条例まで定められているアイドリングストップですが、アイドリングストップにはどのようなメリットがあるのでしょうか?アイドリングストップの3つのメリットについてご説明いたします。

1、ガソリンを節約することが出来る

アイドリングストップの1つ目のメリットが、ガソリンを節約することが出来るということです。クルマはたとえ走行していなくてもエンジンがかかっている時点でガソリンを消費します。アイドリングストップでは、10分間で約0.15~0.2Lのガソリンを節約することが出来るといわれているのです。10分間でみるとわずかな量に思うかもしれませんが、この節約量が積み重ねられるとかなりの節約に繋がるのではないでしょうか。

2、無駄な排出ガスを削減することが出来る

アイドリングストップの2つ目のメリットが、無駄な排出ガスを削減することが出来るということです。クルマから排出される排気ガスには有害物質が含まれており、大気汚染の原因といわれています。クルマによる排気ガスの削減は、日本に限らず世界で大きな課題とされています。このように環境問題を考えると、排出ガスは抑えるに越したことはないでしょう。

3、走行停止中のエンジン音を抑えることが出来る

アイドリングストップの3つ目のメリットが、走行停止中のエンジン音を抑えることが出来るということです。アイドリングストップでは走行停止中はエンジンがOFFになるため、もちろんエンジン音が静かになります。最近はハイブリット車などのエンジン音がかなり静かな車種もありますが、車種によってはエンジン音がかなり気になるものもあります。住宅街などでは周囲の迷惑にも繋がりかねませんので、エンジン音は静かに越したことはないでしょう。

アイドリングストップの3つのデメリット

デメリット

最近になってアイドリングストップはメリットよりもデメリットの方が多いのではないかという声も上がっています。アイドリングストップのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?アイドリングストップの3つのデメリットについてご説明いたします。

1、バッテリーの消耗を早める可能性がある

アイドリングストップの1つ目のデメリットが、バッテリーの消耗を早める可能性があるということです。アイドリングストップは、クルマのエンジンが始動するときにセルモーターを動かします。そのために大電流が引き出されるために、バッテリーに負担がかかってしまいます。クルマのバッテリーには、アイドリングストップ車用バッテリーというものが最近はありますので、アイドリングストップ車をご使用の方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

2、エアコンが停止してしまう

アイドリングストップの2つ目のデメリットが、エアコンが停止してしまうということです。クルマのエアコンは、エンジンの回転を利用して作動する仕組みとなっています。そのために、アイドリングストップでクルマのエンジンが停止してしまうと、もちろんエアコンも停止してしまいます。したがって、とくに真夏の長時間のアイドリングストップには注意が必要となってくるのです。

3、部品の劣化が早くなる可能性がある

アイドリングストップの3つ目のデメリットが、部品の劣化が早くなる可能性があるということです。アイドリングストップはアイドリングストップを行っていないクルマの数倍どころか数十倍ものエンジン始動を繰り返すとされています。そのために、タイミングベルトやタイミングチェーンなどのエンジンの各部品の劣化が早くなってしまう可能性が考えられるのです。

アイドリングストップを使用したくない場合は

アイドリングストップ

アイドリングストップに関してデメリットが気になってしまうという方も多いでしょう。アイドリングストップ車であっても、アイドリングストップを解除できる方法があります。つぎに、アイドリングストップを使用したくない場合の方法についてご紹介いたします。

アイドリングストップの解除方法

アイドリングストップには解除する操作方法があります。アイドリングストップを解除したい場合には、アイドリングストップのキャンセルボタンを押すだけです。アイドリングストップの機能が付いている車種には、ほとんどの場合においてアイドリングストップのキャンセルボタンが付いています。アイドリングストップのキャンセルボタンを使用する際の注意点としては、キャンセルスイッチはエンジンを停止するごとにリセットされますので、車から離れるたびに都度キャンセルボタンを押す必要があるということです。ですので、少し面倒に思う方もいらっしゃるかもしれません。

アイドリングストップキャンセラー

アイドリングストップキャンセラー(アイドリングストップキャンセルキット)とは、アイドリングストップを常時キャンセルすることが出来る装置です。アイドリングストップキャンセラーにはいくつもの種類があり、それぞれのアイドリングストップキャンセラーに対応したモデルのみが装着可能となっています。購入する際は、対応モデルの確認を忘れずに行いましょう。アイドリングストップキャンセラーの注意点としては、場合によっては各都道府県が定めるアイドリングストップ条例に違反してしまう可能性や、装着時に配線を切る必要がある可能性があるということです。アイドリングストップキャンセラーは基本的には法律的には問題なく、車検も通るとされています。

まとめ

今回は、アイドリングストップについてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか?アイドリングストップを使用するのであれば、正しく使用をするということが大切です。