スタッドレスタイヤの選ぶポイント!装着するときの注意点とは?

スタッドレスタイヤとは、自動車が積雪路や凍結路などを走行するために開発されたスノータイヤ(冬用タイヤ)の一種です。積雪路や凍結路などは摩擦係数が低い路面となっており、ノーマルタイヤに比べてスタッドレスタイヤは駆動力や制動力をより大きく路面に伝える工夫が用いられています。スタッドレスタイヤは1970年代から本格的な普及が広がっており、近年では東京都や大阪府などの雪が降るイメージがあまりない地域などでも大雪となることが増えたこともあり、改めて需要が広がっているようです。

こちらの記事では、スタッドレスタイヤを選ぶ際のポイントや注意点についてご紹介いたします。スタッドレスタイヤを使用予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。

スタッドレスタイヤを選ぶ際の6つのポイント

スタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤの性能は、年々進化傾向にあります。性能が高いスタッドレスタイヤほど、価格も高くなります。住んでいる地域や用途、利用頻度なども考慮したうえで最適なスタッドレスタイヤを選ぶことが望ましいです。そこで、スタッドレスタイヤを選ぶ際の6つのポイントについてご説明いたします。

1、氷上性能や雪上性能

スタッドレスタイヤを選ぶ際のポイントとして1つ目にあげられるのが、氷上性能や雪上性能を確認するということです。氷上性能とはアイスバーンなどの凍った路面での性能のことであり、雪上性能とは積もった雪道やシャーベット上の道路を走行する際の性能のことです。最近では、微細な気泡や吸水ゲル、シリカなどを含ませることにより滑りのもととなる水膜を吸い込んで効率的に除去できるように工夫されているものが多くあります。また、温度低下によるゴムの硬化や劣化を防ぐことで路面との密着性能を高める働きもあります。スタッドレスタイヤを選ぶ時には、氷上性能や雪上性能をとくに重視することが望ましいでしょう。

2、耐摩耗性能

スタッドレスタイヤを選ぶ際のポイントとして2つ目にあげられるのが、耐摩耗性能を確認するということです。耐摩耗性能とは、スタッドレスタイヤを長持ちさせることに大切な摩耗への強さです。スタッドレスタイヤの寿命を左右するのが耐摩耗性能です。耐摩耗性能は利用環境や使用状況、保管状況などによっても左右されますので、利用しないシーズンには正しい方法で保管するようにしましょう。出来るだけ耐摩耗性能が高く、経年劣化に強いモデルを選ぶことをおすすめいたします。

3、高速性能

スタッドレスタイヤを選ぶ際のポイントとして3つ目にあげられるのが、高速性能を確認するということです。高速性能は、スタッドレスタイヤの末尾にアルファベットで表記されており、そのタイヤの対応最高速度の目安にもなります。スタッドレスタイヤのなかには、高速走行にも重点をおいた設計のものもあります。ドイツやヨーロッパなどの海外ブランドのスタッドレスタイヤではとくに、高速での移動が重要視されています。日本国内のスタッドレスタイヤは160km/hが多いのに対し、ヨーロッパブランドでは180km/hのものから270km/hの規格に適合したものもあります。

4、燃費性能

スタッドレスタイヤを選ぶ際のポイントとして4つ目にあげられるのが、燃費性能を確認するということです。スタッドレスタイヤは一般的に、ノーマルタイヤと比べて燃費が悪くなりやすい傾向にあるといわれています。これは、ノーマルタイヤよりもゴムそのものが柔らかいことや接地面が広くなっていることなどが原因であると考えられます。しかし最近ではスタッドレスタイヤが年々進化していることもあり、省燃費タイヤなどのタイプも発売されています。スタッドレスタイヤは、住んでいる地域によって使用する期間や頻度もさまざまでしょう。だからこそ、スタッドレスタイヤのなかでも燃費性能が良いものを選ばれてはいかがでしょうか。

5、使用環境

スタッドレスタイヤを選ぶ際のポイントとして5つ目にあげられるのが、使用環境に応じたスタッドレスタイヤを選ぶということです。スタッドレスタイヤを使用するとなっても、地域などによって使用環境はさまざまです。スタッドレスタイヤにも多くの種類がある中で、雪道と首都圏では道路状況も大きく変わるためにそれぞれの環境に合ったスタッドレスタイヤがあります。雪道が多い地域では、除水力が強く凍った路面でも強力にグリップする発砲ゴムタイプが良いでしょう。一方、首都圏では日本の雪氷雪路専用に開発された「ミシュランX-ICE」などの低温時などでもゴムがしなやかに作られたタイプが良いでしょう。

6、タイヤのサイズ

スタッドレスタイヤを選ぶ際のポイントとして6つ目にあげられるのが、タイヤに合ったサイズのスタッドレスタイヤを選ぶということです。スタッドレスタイヤを購入・装着する際には必ずクルマに適合したサイズ(純正サイズ)を選びましょう。タイヤのサイズは性能と同様にクルマの走行に大きく影響を与えます。純正サイズがわからない場合には、カーショップなどでお店の方に聞いてみましょう。

スタッドレスタイヤの3つの注意点

注意

スタッドレスタイヤは雪道などのクルマの運転に最適なアイテムですが、購入・装着する際には、気を付けるべきことがいくつかあります。スタッドレスタイヤとノーマルタイヤ(夏用タイヤ)では、使い勝手も大きく異なるでしょう。そこで、スタッドレスタイヤの3つの注意点についてご説明いたします。

1、使用するときには慣らし走行を

スタッドレスタイヤを使用する際の注意点として1つ目にあげられるのが、事前に慣らし走行をした方が良いということです。スタッドレスタイヤは、使用するうえで慣らし走行が推奨されています。とくに新品のスタッドレスタイヤの慣らし走行は雪が降りだす前にドライ路面で行いましょう。慣らし走行を行うメリットとしては、トレッド表面に張った薄皮を摩耗させることやドライバー自身がスタッドレスタイヤに慣れることなどがあげられます。ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤでは、発進時やブレーキ時、カーブ時などのタイヤへの負担が大きく異なります。したがって、ドライバー自身が感じる走行の感覚も大きく変わってくるのです。

2、装着するときはすべてのタイヤに装着を

スタッドレスタイヤを使用する際の注意点として2つ目にあげられるのが、スタッドレスタイヤを装着する場合にはすべてのタイヤに装着をしましょう。4輪すべての車輪にスタッドレスタイヤを装着しなければ、本来のスタッドレスタイヤの性能が発揮されません。それどころか、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの摩擦力の差により走行性の安定性が損なわれてしまう可能性も十分に考えられます。スタッドレスタイヤを使用するときは駆動輪のみに装着せずに、必ず4輪すべての車輪に装着するようにしてください。

3、雨の日の使用は滑りやすい

スタッドレスタイヤを使用する際の注意点として3つ目にあげられるのが、雨の日は滑りやすいということです。雨の日にクルマの運転をする場合、ノーマルタイヤと比べてスタッドレスタイヤの方がグリップ力が落ちる特性があります。これは、雨の日にはタイヤと路面の間に水膜が発生し車両の制御が一時的にしづらくなってしまうハイドロプレーニング現象が発生しやすくなることが大きく影響しています。

まとめ

今回は、スタッドレスタイヤを選ぶ際のポイントや注意点についてご紹介しました。いかがでしたでしょうか?近年、日本国内の広い地域で積雪に見舞われています。雪の影響でのスリップ事故なども多数発生しているようです。雪道のクルマの運転に慣れていない方などは、降雪時や積雪時の運転は控えるという選択も大切なのではないでしょうか。そのなかで冬場の雪道などの運転が必要となる場合には、スタッドレスタイヤに履き替えておくことが望ましいです。