廃車の抹消登録はどうやるの?書類や費用も解説します

廃車する場合、自動車の登録情報を削除しなくてはなりません。普通車での手続きは、永久抹消登録と一時抹消登録のふたつです。それぞれどのような内容の手続きになるのでしょうか。軽自動車の廃車手続きとの違いも合わせて解説していきます。

 

廃車の手続きって面倒なのよね?しかも費用も高いって聞いたことあるけど、お得に廃車する方法ないかしら?
廃車は自分で廃車にする場合は、車の処分と陸運局での手続きが必要だね。廃車手続きをしておかないと毎年税金がきちゃうから気をつけてね。

 

永久抹消登録と一時抹消登録の違い

普通自動車の登録情報を消す方法には、「永久抹消登録」と「一時抹消登録」のふたつがあります。どちらも登録内容を消すという意味では同じですが、少し内容が異なるため、抹消登録の際は注意しなくてはなりません。それぞれの違いや手続きについてみていきましょう。

永久抹消登録

永久抹消登録は、自動車の登録を永久的に取り消す手続きです。登録の復活ができないため、今後一切使用することのない車、つまり廃車が確実なものに適しています。例えば、事故や災害で修復が不可能な車、経年劣化などで走行が難しくなった車などが対象です。

永久抹消登録のメリット

永久抹消登録は、登録が復活することのない手続きですので、自動車重量税の課税対象外になります。一時抹消登録とは異なり、すでに支払った分の自動車重量税の還付を受けることが可能です。

残存期間が1ヶ月を切っている場合は対象になりませんが、1ヶ月以上残して抹消した場合は、月割りで還付金を受け取れます。

また、廃車して完全に自動車を手元から無くす手続きになりますので、自動車保管の必要もありません。

永久抹消登録の手続き方法

永久抹消登録は、自動車の解体が終わってから15日以内に、運輸支局、あるいは自動車検査登録事務所で手続きを完了させなければなりません。必要な書類を持ってナンバープレートを返納して申請を行う流れです。

自動車重量税の還付は自動的に行われるものではなく、自動車重量税還付申請を同時に行わないと還付を受けられないので注意しましょう。

永久抹消登録に必要な書類

・永久抹消登録申請書(※申請当日に運輸支局で入手)

・車の名義人の印鑑証明書(発行日から3か月以内のもの)

・車の名義人の実印(印鑑証明書の印鑑)

・自動車検査証(車検証)

・ナンバープレート(前後2枚)

・解体業者からの報告書(解体証明)にある「解体報告記録日」の控え

・リサイクル券に記載されている「移動報告番号」の控え

・手数料納付書(※申請当日に運輸支局で入手)

・自動車税自動車取得税申告書(※申請当日に運輸支局で入手)

(・委任状:代理人が手続きする場合)

永久抹消登録で事前に用意しなければならないのは、印鑑証明書です。書類ではありませんが、合わせて移動報告番号番号や解体報告記録日、実印が必要になります。

自動車重量税還付申請を同時に行う場合は、運転免許証などの本人確認書類、振込先が分かる金融機関の通帳などが必要です。

一時抹消登録

一時抹消登録は、書類上、一時的に廃車状態にする手続きです。一時抹消登録をした車は、公道を走ることができません。出張や海外赴任などで、長期間にわたって車を使わないことが分かっているときなどに利用します。

一時抹消登録のメリット

永久抹消登録との違いは、登録を抹消した車であっても、再度登録することによって、再び公道で使用できる状態にできることです。保管場所があることが前提ですが、将来的に使用する可能性がある車なら、一時抹消登録の方がリスクは少ないでしょう。

一時抹消登録が済んだ車は必ず復活する必要性はなく、届出によって解体処理や輸出が可能です。

一時抹消登録の手続き方法

一時抹消登録の手続きの流れは、永久抹消登録と同じです。ナンバープレートを持って、運輸支局、または自動車検査登録事務所で手続きを完了させます。

一時抹消登録に必要な書類

・一時抹消登録申請書(※申請当日に運輸支局で入手)

・車の名義人の印鑑証明書(発行日から3か月以内のもの)

・車の名義人の実印(印鑑証明書の印鑑)

・自動車検査証(車検証) ・ナンバープレート(前後2枚)

・リサイクル券に記載されている「移動報告番号」の控え

・手数料納付書(※申請当日に運輸支局で入手)

・自動車税自動車取得税申告書(※申請当日に運輸支局で入手)

(・委任状:代理人が手続きする場合)

一時抹消登録に必要な書類は、永久抹消登録と基本的には同じです。登録を永久に消し去る訳ではないため、リサイクル番号などは必要ありません。

永久抹消登録と一時抹消登録に共通するメリット

ここまで永久抹消登録と一時抹消登録の違いをみてきましたが、反対にふたつに共通するのは何でしょう。抹消登録のメリットから、両方の共通点をみていきましょう。

・自動車税の支払いを止められる

自動車税は公道を走行する自動車の所有者に課せられる税金です。永久抹消登録、一時抹消登録のいずれも公道が走れなくなる手続きのため、抹消登録以後は自動車税の対象ではなくなります。一時抹消登録で自動車自体を自身で保管している場合でも、公道を走らなければ毎年の自動車税負担を止めることが可能です。

・自動車税の還付が受けられる

自動車税の対象でなくなるため、先払いで負担した自動車税については還付が受けられます。ただし還付は1ヶ月単位であるため、残り1ヶ月を切ったものは還付が発生しません。

・自賠責保険の還付が受けられる

公道を走る車は、自賠責保険に強制的に加入しなければなりません。対人のみの損害賠償保険です。通常、車検のタイミングで自賠責保険2年分を支払うことになります。自動車税と同様に先払いでの負担となるため、抹消登録をすれば残り月分の還付を受けることが可能です。

このように、抹消登録の手続きはいずれも、使わない車を放置するより、税金や保険料面でメリットがあることが分かります。

OSSでスムーズな手続きが可能

  都道府県によって対応は異なりますが、抹消登録ではOSS(ワンストップサービス)による手続きができる場合があります。OSSとは、インターネットでの一括手続きのこと。申請や納付などを、窓口でなく、インターネット上で済ませることが可能です。

従来の方法と比較して申請手続きがスムーズに完了できますので、利用を検討される場合は、管轄の都道府県の対応を確認されると良いでしょう。

普通車と軽自動車の廃車の違い

    普通車の廃車では、先にも説明したように永久抹消登録や一時抹消登録でデータ上の登録を抹消します。軽自動車の場合は、手続きが別で、普通車とは違う場所、違う手続きをしなくはなりません。普通車と軽自動車違いを、手続きの場所、名称、方法などに分けて紹介します。

手続きの場所

永久抹消登録や一時抹消登録は運輸支局などで行うと説明しましたが、軽自動車の管轄は別です。軽自動車の登録手続きや検査などを実施している軽自動車検査協会」で廃車の手続きを行います。同じ自動車でも、自動車の区分によっては手続きが行えないので注意しましょう。

手続きの名称

廃車の手続きについても、軽自動車では「一時抹消登録」や「永久抹消登録」といいません。軽自動車の手続きは、「自動車検査証返納届」と「解体返納」のふたつです。

それぞれ、内容的には普通車の抹消登録2種と対応しており、「自動車検査証返納届」が一時抹消登録のような一時的な廃車手続き。「解体返納」が永久抹消登録のような再登録ができない手続きになっています。

手続きの方法

・自動車検査証返納届

一時的に自動車の使用を中止する手続きで、文字通り軽自動車検査協会に自動車検査証を返す手続きになります。そのため、第一に自動車検査証の原本が必要です。ほかに窓口で取得できる申請書と軽自動車税申告書、ナンバープレート、使用者の印鑑を用意します。

普通自動車の抹消登録では実印が必要ですが、軽自動車の自動車検査証返納届は個人の場合、認印も可能です。そのため、実印を証明する印鑑証明書を取得する必要がありません。軽自動車検査協会の窓口に、必要書類とナンバープレートを持っていき手続きを済ませます。

・解体返納

解体返納の手続きで自身が用意しなければならないのは、使用者と所有者の印鑑(個人は認印可)、自動車検査証、ナンバープレート、使用済自動車引取証明書です。このうち、使用済自動車引取証明書は引取業者から発行されるもので、記載してあるリサイクル券番号が必要になります。

手続きの方法は、自動車検査証返納届の流れと同様です。必要書類を窓口に持っていき、手続きを行います。

還付について

普通自動車の場合、一時抹消登録でも、永久抹消登録でも、自動車税の還付があると説明しましたが、軽自動車は自動車税の還付がありません。自動車検査証返納届、解体返納、いずれを選択しても還付は受けられないので注意しましょう。

ただし、対象になるのは自動車税の還付で、残り期間があれば自賠責保険の還付は受けられます。また、解体返納であれば自動車重量税の還付申請も可能です。

廃車手続きは代行してもらうのがラク

事務上の廃車手続きは、所有者本人が行うこともできますが、代行サービスを提供している業者を利用した方が楽です。

永久抹消登録や解体返納はプラスの書類が必要

一時抹消登録や自動車検査証返納届は、車の使用をストップして、長期的に保管することを目的としたものですから、いずれもご自身で揃えられる書類で手続きできます。

しかし、前述したように永久抹消登録や解体返納では、解体した事実証明が必要です。引取業者から引取証明書を受け取り、廃車手続き当日に持参しなくてはなりません。また、永久抹消登録では業者との間で、解体日の確認も必要です。

引取業者の解体作業の進捗次第で、手続きできるかどうかが決まるため、選択した業者次第では自分のタイミングで廃車手続きができない可能性があります。また、引取証明書を直接受け取る場合は、何度も足を運ぶ手間もかかるでしょう。

廃車手続きは代行してもらえる

永久抹消登録や一時抹消登録の必要書類に、カッコ書きで委任状があると説明しましたが、これは車の所有者本人ではない人が手続きをする際に必要な書類です。つまり、廃車の事務手続きは代行が認められていることになります。

所有者本人が同意のうえで委任状を記入すれば、本人以外の第三者であっても廃車手続きが可能です。このようなしくみを活かして、廃車手続きの代行をサービスとして提供している業者があります。

廃車買取業者での代行がおすすめ

廃車手続きの代行はどの業者を選択するのも、利用者本人の自由ですが、できるなら廃車まで一緒に済ませられる業者にお願いするのが良いでしょう。

例えば、廃車買取業者なら、事実上の廃車、事務手続き上の廃車、両方を同時に行える可能性があります。廃車買取業者にもさまざまな形態がありますが、手続き代行までしてもらえる可能性が高いのが、リサイクル業の協同組合や仲介業者の営業形態を持った業者です。

業者によってサービスの提供範囲はさまざまですが、事務手続きの代行を無料で行っている場合もあります。お得に、かつスムーズに廃車手続きを済ませるなら、廃車買取業者を利用するのがおすすめです。

 

車の処分と廃車手続きを一緒にやってもらえると一番良いよね。
そうだね。廃車買取業者なら車の引取りや陸運局での手続きも無料でやってくれるよ。

まとめ

廃車手続きは個人でもできますが、必要書類の用意や、運輸支局などの窓口に足を運ぶことを考えると、代行が便利です。廃車買取業者でも、手続きの代行を依頼できることがあります。おすすめの専門業者は、こちらの廃車買取業者ランキングをご覧ください。