改造してても車検に通る!その基準をおさらいしよう

車が好きな人なら、部品などを別のものに替えて使っている人もいるでしょう。

見栄えを良くしたり、自分好みにしたりするために車に改造を施している人もいるかもしれません。改造を施すのは楽しいですが、困るのは車検です。

改造車は車検に通らないと聞いたことがある人も多いでしょう。では、改造を施していると本当に車検に通らないのか、改造車を車検に通すためにはどうすればいいのか解説していきます。

車検に通らない車の改造とは?

改造車のうち全てが車検に通らないというわけではありません。改造を施している車でも車検に通っている車はたくさんあります。では、車検に通る改造と通らない改造の違いについて見ていきましょう。

車検では安全に走行できるかどうかをチェックしている

車に改造を施していて車検に通るかどうか不安な場合には、まず車検が何のために行われているなよく考えてみましょう。

車検は車の安全を確保する目的で実施されている制度です。安全でない状態の車が公道を走行すると、大きな事故を起こしてしまう危険性があるでしょう。事故が起きると、その車を運転している人や同乗している人はもちろんのこと、偶然近くにいた人まで被害が及んでしまうこともあります。

車検制度があることで、安全が確保できていない車は公道を走行することができません。そのため、車の安全性が原因で起こる事故の防止に役立っています。

車検では主に部品の摩耗などに関してチェックされることが多いです。改造に関しても、車の安全性が損なわれるものであれば、車検には通りません。逆に安全性と関係がない改造であれば、車検に通ります。例えば、内装に使われているオーディオ機器や空気清浄機などは、安全性とはあまり関係がないでしょう。そのような部分に関しては、改造を施していても問題ありません。

保安基準に適合していないと車検に通らない

車検の際に安全性を保っているか損なっているか判断する際には、保安基準と照らし合わせて判断しています。保安基準は国が定めており、車の安全性に加えて、車の大きさや排気ガス基準などについても規定されているものです。

自動車メーカーでは、この保安基準に則って車の設計や製造を行っています。しかし、製造時に保安基準に適合していても、部品の摩耗や改造などにより保安基準から外れると、車検に通らなくなってしまうのです。

改造車でも保安基準をクリアすればOK

改造車でもその改造が保安基準に適合している内容の改造であれば、車検で引っかかることはありません。保安基準では指定部品を定めており、その指定部品を使用した改造であれば、保安基準に適合します。

また、指定部品を使用していない改造でも、あらかじめ構造変更申請を行うことで、車検を通すことが可能です。

指定部品を使用した改造とは

指定部品とは、タイヤやホイール、変速レバー、ステアリングホイール(ハンドル)、マフラーカッターなどが一例として挙げられます。オーディオ機器や空気清浄機も指定部品のひとつです。

指定部品を使った改造であれば、メーカー純正の部品でなくても、車検に通ることができます。例えば、ステアリングホイールを自分好みのデザインのものに替えて使っていても大丈夫です。タイヤなどは、溝が減って交換するときに、最初に付いていたものと別のメーカーのものを購入する人も多いでしょう。

指定部品は必ずしも、安全性と関係が薄い部品だけとは限りません。むしろタイヤやホイール、ステなどは安全性と直結する部品です。そのため、指定部品に関してひとつひとつ保安基準で具体的な基準が定められています。

また、改造を施すことで、車のサイズや重量が代わってしまうこともあるでしょう。その場合には、指定部品を使った改造でも車検に通らない場合があります。

タイヤやホイールも車種ごとにサイズが決まっており、適合しないサイズのものを付けていると車検に通りません。

改造車で車検に通るか心配な場合は、専門業者に無料見積もりを依頼してみましょう。

構造変更申請とは

指定部品以外の部品を使用した改造や、大きさなどがオーバーしてしまう場合でも、安全性を確保できる場合があるでしょう。そのような改造に関しては、あらかじめ構造変更申請を行うことで合法なものとして扱われます。堂々と公道を走行できて、もちろん車検にも合格可能です。

構造変更申請の手続きは陸運支局か自動車検査登録事務所で受け付けており、不備がなければ10日程度で書類審査の結果が通知されます。その後は実車検査を受けて合格すれば、公認の改造車として扱われる仕組みです。その場合、構造変更申請に通っている車だだということが分かるように車検証の型式欄に「改」の文字が入れられます。

部品以外で引っかかることも

車検では部品以外に関してもチェックされる項目がいくつかあります。

例えば、フロントガラスやサイドウィンドウです。余計なものが貼られていないかどうかチェックされます。フロントガラスなら車検標章と定期検査のステッカー以外は何も貼ってはいけません。それ以外のステッカーやフィルムを貼っていると、保安基準に適合しないものとして扱われてしまいます。

運転席と助手席のサイドウィンドウに関しては、透過率が70パーセント以上のフィルムなら、貼っていても大丈夫です。濃いフィルムだと引っかかってしまいます。

ヘッドライトの色で引っかかってしまうケースも多いです。改造で色を変更している場合には、元に戻しておきましょう。黄色か白色でないと車検に通りません。明るさにも基準があるため、スモークフィルムなどをヘッドライトに貼っていると、暗すぎて車検に通らない場合もあります。

改造車を車検に通す際の注意点

車検に通らない改造車は、車検を受ける前に部品交換などを行って、車検に通る状態にしておく必要があります。その場合の注意点について見ていきましょう。

ユーザー車検だと保安基準のチェックが難しい

車に改造を施すくらいの人だと、車が好きで知識も豊富でしょう。そのため車検の際にも、業者に依頼するのではなく、ユーザー車検を受ける人が多いです。

しかし、車に詳しい人でも改造を施した状態で、どこまで戻せば車検に通るのか判断するのは難しです。保安基準と照らし合わせながら、ひとつひとつチェックしなければなりません。大丈夫だと思って車検を受けに行っても、通らない可能性もあります。

そのため、改造車を車検に出す際には、ユーザー車検ではなく業者に依頼するのが望ましいです。業者なら、保安基準に関して熟知しているため、問題なく車検に通る状態にしてもらえるでしょう。業者に依頼すれば、ユーザー車検と比べて手間もかかりません。

費用が高くつくことも

車検に通らない改造車を、車検に通る状態に直す際に悩ましいのは費用です。交換する部品の数が多い場合には、かなり大きな金額になってしまいます。そのため、安易に違法な改造をするのは避けましょう。

また、古い車だと、改造で部品交換が必要なところ以外でも、部品が摩耗していて交換が必要になるケースが多いです。心配な方は専門業者に相談してみてはいかがでしょうか。

そこで車検を機に車の買い替えも検討してみてはいかがでしょうか。高い費用をかけて車検に通る状態に戻すよりも、車を買い替えた方がお得な場合もあります。

改造車だと中古車としての売却は難しいですが、その際には廃車買取業者に売却するのがおすすめです。廃車買取業者なら、車検に通らないような改造を施している車でも買い取ってもらえます。改造で使用している部品によっては高価買取も期待できるでしょう。

まとめ

車好きの人だとどうしても、車を改造してみたくなることがあります。保安基準に適合していれば車検にも通るので、改造したいならなるべく保安基準から外れないようにして行うのが無難です。そうでないと、車検のときに直さなければならない部分が多く、手間とお金がかかります。

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