車検を受ける際には、自賠責保険へ加入していなければなりません。
自賠責保険は自動車保険の一種ですが、いわゆる任意保険とは異なる面が多いです。任意保険に加入している人の中には、なぜ自賠責保険にも加入しなければならないのか疑問に思っている人もいるでしょう。
ここでは車検で自賠責保険への加入が必要な理由と、自賠責保険の内容について解説していきます。
車検に必要な自賠責保険とは?
自賠責保険の正式名称は、自動車損害賠償責任保険と言います。
では、どのような内容の保険なのか見ていきましょう。
自賠責保険の趣旨
自賠責保険は、自動車事故が起こってしまったときに、被害者が泣き寝入りをしてしまわないようにするための保険です。自賠責保険があることで、交通事故の被害者は、最低限の補償を受けられる仕組みになっています。
車同士の衝突や、車が歩行者や自転車をはねてしまったときなどは、被害者が大怪我をしたり死亡してしまったりすることがあるでしょう。そのようなときには、損害賠償の金額も大きくなります。保険なしでは補償するのが難しいです。
以上の事情から、自賠責保険の制度が設けられています。
また、自賠責保険で補償されるものはあくまで最低限の保証であるため、決して十分な補償とは言えません。ですので、自賠責保険だけでなく任意保険にも加入している人が多いです。
自賠責保険で最低限の補償を行い、それでは足りない場合に、任意保険で補う形になります。
自賠責保険の保険料
自賠責保険は1ヶ月単位で加入ができます。
しかし、1ヶ月単位の場合には、保険料がかなり割高で5,870円です。
通常は24ヶ月や36ヶ月といった、まとまった期間で加入します。24ヶ月の場合だと、25,830円です。1ヶ月あたりの金額で見てみると5分の1以下になります。1ヶ月多い25ヶ月で加入した場合には、26,680円です。
また36ヶ月で加入すれば、35,950円で、1ヶ月あたりの金額は1,000円を切ります。
37ヶ月なら36,780円です。
軽自動車の場合には、普通車よりも少し安くなります。
24ヶ月で25,070円で、25ヶ月なら25,880円です。
任意保険との違い
車に乗る人の多くは自賠責保険に加えて、任意保険にも加入しています。
自賠責保険を任意保険と比べた場合の大きな違いは、保険会社による違いがないことです。
任意保険は、保険会社によって補償内容も保険料も異なります。同じ保険会社でも複数のプランを設けているところも多いです。しかし、自賠責保険は強制加入ということもあり、保険料も補償内容も統一されています。
また、自賠責保険は事故の相手に怪我をさせてしまった場合や、死亡させてしまった場合にのみ対象になるのも、任意保険との大きな違いです。自分の怪我や物損に関しては補償の対象になりません。
これに対して任意保険では、自分の怪我や物損に関して補償を受けられるプランも数多くあります。
車検に自賠責保険が必要な理由
車検を受ける際には、自賠責保険に加入している必要があります。
自賠責保険に加入していない状態で車検を受けようとしても、受け付けてもらえません。
では、なぜ車検で自賠責保険が必要なのか、その理由について見ていきましょう。
法律上加入が義務づけられている
自賠責保険は強制加入の保険で、法律上加入が義務づけられています。しかし、それでもきちんと守らず未加入の状態で車に乗る人もいるかもしれません。
そのため、車検時に自賠責保険への加入を確認することで、確実に加入させる仕組みです。
少なくとも車検に通っている車なら、自賠責保険にも加入していることになります。
車検は車が安全に走行できるかどうかをチェックするための制度です。自賠責保険に加入していない車だと、安全とは言えないでしょう。
車検満了日までの期間に関して保険料を支払う
車検時に自賠責保険に加入していても、その後に保険料を支払わない人も出てくるかもしれません。そのような抜け道を防止するため、車検時には車検満了日までの全ての期間に関して、自賠責保険料が支払い済みであるかどうか確認しています。
自賠責保険料を24ヶ月分、まとめて支払うのは次の車検まで24ヶ月間の期間があるためです。ただし、1日単位で見た場合には、自賠責保険の期間と車検期間が必ずしも一致するとは限りません。そのため、25ヶ月分まとめて支払っている人も多いです。
新車の場合には登録から3年後に車検満了日を迎えるため、36ヶ月分か37ヶ月分をまとめて支払います。
その際に何か心配なことがあれば、専門業者に相談してみましょう。
車検を受ける際の注意点
自賠責保険に関して車検を受ける際に、注意すべき点について見ていきましょう。
自賠責保険証を確認しておこう
車検を受ける際に、提出する書類の中で自賠責保険証が含まれています。
自賠責保険証が手元にないと車検を受けられないため、車検当日には自賠責保険証があるかどうか確認しておきましょう。車を運転するときには、自賠責保険証を携帯しなければならないため、普段は車検証と一緒にダッシュボードの中などに保管している人が多いです。
自賠責保険証の記載内容も念のため、確認しておくと良いでしょう。
自賠責保険証には自動車の登録番号や車台番号、契約者の氏名などが記載されており、保険料収納済印が押されています。
車を2台以上持っている人は、その車の自賠責保険証かどうかも確認しておくと安心です。
もし自賠責保険証を紛失してしまったら
自賠責保険証を確認しようとしたら、見当たらないということもあるかもしれません。
その場合には、車検証のケースの中などに挟まれていないかどうか見てみましょう。普段出して見たりする機会はほとんどないため、車検証のケースに入れておく人も多いです。
ダッシュボードの中だけでなく、シートの下なども見てみましょう。ダッシュボードを開けたときなどに、気づかず落ちてしまっている可能性もあります。
いくら探しても車検証が見つからない場合には、再発行が可能です。
再発行する際には、保険会社に連絡して紛失してしまった旨を伝えましょう。このとき、運転免許証などの本人確認書類が必要です。再発行手続きが正常に完了すれば、その日のうちに新しい自賠責保険証が発行されます。
また、車検を受けようとしている時期なら、自賠責保険の契約期間も残りわずかになっているケースが多いです。そのため、再発行するのではなく、次の車検までの分を新たに契約して保険料を支払う方法もあります。
重複期間が生じてしまいますが、保険料を少し余分に払うことになるほかは特に問題ありません。その金額も1,000円弱くらいです。
また、自賠責保険証を携帯せずに運転した場合には罰則の対象になってしまいます。
そのため、自賠責保険証を紛失してしまっていることに気づいたら、車検を受けるまで時間的に余裕があっても、早めに再発行しておきましょう。
買い替えをするなら
車検満了を機に車の買い替えを検討する人も多いでしょう。
古い車であれば、中古車として売るのは難しいため廃車を検討することになります。
この際に、廃車手続きを代行業者に依頼したり自分で行ったりするのではなく、廃車買取業者に車を売却するのがおすすめです。
廃車買取業者に売却すれば、廃車費用もかからず売却代金がもらえます。また自賠責保険証を紛失してしまっていても大丈夫です。廃車買取業者の多くはレッカー移動で対応してくれます。もちろん出張費などを請求されることはありません。
手放したくないのであれば、一度専門業者に相談してみると良いでしょう。
まとめ
自賠責保険は強制加入の自動車保険であるため、車を所有している人は必ず加入しなければなりません。
車検時には、次の車検までの期間に加入し、保険料を支払い済みかどうかチェックされます。そのため、車検を受ける前に自賠責保険証を確認しておく必要があります。
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