車検に通らない車ってどんな車?車検を通すための対処法を紹介

車を所有した人が、避けて通れないのが車検です。公道を走るためには、国土交通省で定められている基準をクリアしなければなりません。
車検が通らない車とはどのような車なのか、通らないときはどうすればいいのか、今回は車検に合格するための必須事項についてご紹介します。

 

車検が通らない理由

車検とは、自動車検査登録制度の呼称で、日本国内でミニカーや小型特殊自動車を除く自動車や、排気量250ccを超える自動二輪車に対して、保安基準に適合しているかを一定期間ごとに国土交通省が検査を行い、検査を通過した車は、自動車の所有権を公証するための登録が可能になります。この車検を通過した車が取得することが出来る公証する書類を自動車検査証といいます。

日頃のメンテナンスが行き届いており、危険と判断されなければ車は比較的簡単に車検を通すことが出来ます。こちらでは、車検が通らない理由5つを以下にまとめましたので、ご自身の車に該当しないかどうかしっかり確認してください。

部品の劣化や故障

車検は基本的に、安全に車が走行できるかを確認する検査であるため、部品の劣化や故障によって安全性が損なわれている状態で合格することは難しいでしょう。
よくある事例としては、タイヤの摩耗やマフラーやフレームの破損、ライトの光量が少ないこと、ホーンの不備などが挙げられます。タイヤの溝がすり減った状態、ライトの電池切れなど電装品やタイヤなども安全に走行するために大切な部品です。
また、マフラーやフレーム部分は、サビが発生しやすい場所ですが、少しサビが来ているくらいなら問題ありません。しかしサビによって穴が開いていたり、サビの範囲が広すぎたりすると車検には通らないと考えておいたほうが良いでしょう。

危険とみなされる装備

車を運転する上で、危険と判断される装備をつけたままでは車検に通りません。基本的に純正装備のみをつけている場合は大丈夫ですが、自分で自作したものや汎用品を使った場合は注意が必要です。
たとえば視界を大きく遮る位置へのカーナビの設置や、TVモニターの設置、80%以上の透明度がないスモークフィルムの貼り付けなどが危険な装備となります。紫外線対策にとブラックスモークフィルムを貼ってしまい、車検が通らなくなってしまうというトラブルもあります。

基準を超えた改造

車の改造は、禁止されている行為ではありませんが、安全性を損なう基準を超えた改造車は車検に通りません。
具体的に、改造車の限度をご紹介します。まずはサイズや重量の規定です。普通自動車と軽自動車では、少し異なる部分があるので注意してください。

【普通自動車】

普通自動車の改造車の限度は、全長±3cm、全幅±2cm、全高±4cm、車両重量±100kgです。

【軽自動車】

軽自動車の改造車の限度は、全長±3cm、全幅±2cm、全高±4cm、車両重量±50kgです。

【ライトの色】

次にライトの色の規定です。ライトの色は、ブレーキランプは赤色、ウィンカーは橙、フォグランプは白か淡黄、テールランプは赤色、バックランプは白色、ポジションランプは白に淡黄または橙、リフレクターは赤色です。

このほかにもタイヤが車のボディに触れているものや車体からはみ出ているもの、マフラーの手前にある触媒装置を外しているもの、車検に対応していないマフラーの取り付けなどは車検に通りません。

発煙筒がない

普段車に乗るときにはあまり意識してない方も多い発煙筒の存在ですが、発煙筒は事故を起こしたときや急な車の故障時に、他の車に危険を知らせるために重要なアイテムです。
自分の安全を確保するという目的よりも、第三者を守る意味合いが強い発煙筒の搭載は、車を運転する人の義務とされています。そのため、発煙筒を搭載していない車や使用期限が切れている車は車検に通りません。多くの車種で、助手席側に搭載されているので一度確認しておきましょう。

税金や違反金の未納

自動車税を払っていない場合や、違反しているのにも関わらず違反金の支払いをおこなっていない場合は、車自体に問題がなかったとしても車検に通らないことになっています。これは「車検拒否制度」と呼ばれるもので、警察からの指導で車検が通らなくなる制度です。車を運転する上で払わなければいけないものは、未納にせず支払うようにしましょう。

車検に通らないときの対処法 

車検に通らないときの対処法は、車検に通らなかった原因を改善することです。車検に通らない原因が車自体にある場合は、車検の妨げになっている装備は外すこと、そして劣化している部品や故障している部品は交換しておくことが対処法になります。

普段から違法な改造をしないようにし、改造車を車検に出す前には安全な改造車であることを証明するために「構造変更申請」を行っておきましょう。税金や違反金も未納せず、払うべきものは払っておくようにしてください。税金を支払った証である納税証明書は発行に1週間かかるので、早めの支払いを心がけましょう。

再検査の費用はいくら?

車検に通らなかった場合、当日2回までなら再検査を無料で受けることができます。

当日どうしても不備を直すことができず再検査できない場合は、「限定自動車検査証」の発行を運輸支局の窓口でおこなってください。限定自動車検査証の発行は無料です。
限定自動車検査証を持っていると、15日以内であれば検査手数料も1,300円程度で再検査を受けることができます。(※地域によって検査手数料は異なります)
この15日を超過すると、次の再検査には通常の検査手数料1,800円がかかるので注意してください。

車検の前にしておきたい確認とメンテナンス

車検は普段から車のメンテナンスや点検を行っておけば、簡単に通る検査です。車検を通すことが目的というよりは、安全に車を乗るために必要な項目でもあるので、しっかりチェックしておきましょう。

書類の紛失はすぐ再発行する

車検を受けるためには「車検証」「自動車納税証明書」「自賠責保険証明書」「印鑑」が必要です。車検時期に慌てないためにも早めの準備をしておきましょう。
自動車納税証明書は、毎月5月頃に送付される自動車納税通知書に添付されています。捨ててしまうという方も多いので、保管することを徹底してください。
特に車検証は、とても大切な書類です。紛失の際は速やかに再発行する必要があります。車検証の再発行は、管轄の陸運局で行います。軽自動車の場合は、軽自動車検査協会です。身分証明書と再交付申請書、認印を持って行き、再発行してもらいましょう。

定期的にプロにメンテナンスを依頼する

車検が通らないという原因のほとんどが、車の整備不良といわれています。この整備不良をできるだけ避けるために、定期的にプロにメンテナンスや点検をしてもらいましょう。

定期的にメンテナンスや点検を行ってもらうためのコツは、オイル交換やエレメント交換の際に依頼することです。
業者によっては、オイル交換やエレメント交換時に無料で点検をしてくれる場合もありますので、積極的に利用してください。点検で見つかった不備は、できるだけ早めに修理するようにしましょう。

自己点検を心掛ける

プロに点検やメンテナンスを依頼する前に、日常的に自己点検ができていると車の故障や劣化に気付きやすいです。車の構造に詳しくない素人でも、点検できる項目はたくさんあります。

簡単にできる自己点検項目を、以下の表にまとめました。

普段から自己点検を心がけ、異常が見つかった場合は速やかにディーラーや修理工場で修理してもらいましょう。特にエンジンオイルの量やバッテリー液の量、ランプの点灯と点滅、エンジン系の項目、ブレーキ関係は、放置しておくと大きなトラブルにつながる恐れがあります。

少しでも違和感を覚えた場合は、プロに相談するようにしてください。

まとめ

車検は、2年に1度必ず受けなければならない検査です。車検を通るように車の状態を整えるという視点ではなく、普段から安全のために車の状態を整えておくという考え方が重要です。
ここで解説した項目を守って安全に車を維持していれば、簡単に車検は通りますし、普段の安全にもつながります。車を所有している以上、常に安全を心掛けるようにしましょう。