車検の費用は走行距離によって変わるの?費用を安く抑えるには

同じ車を長く乗っていると、走行距離もそれなりに増えてくるでしょう。新車で購入して10年程度乗っている車なら、走行距離が10万キロを超えることも珍しくありません。走行距離が増えると気になるのは車検費用です。走行距離が長い車は車検費用も高くなるという話を耳にすることもあるでしょう。ここでは走行距離が長い車の車検費用について解説していきます。

車検費用は走行距離によって変わる?

車検費用は走行距離が短い車だと安く済み、走行距離が長いと高くなってしまう傾向が強いです。では、なぜそのような傾向があるのか、車検費用と走行距離の関係について見ていきましょう。

走行距離そのもので車検費用に差が出ることはない

車検費用は走行距離に応じて設定されていると思っている人もいるかもしれません。しかし、実際のところ、走行距離で車検費用に差を設ける制度はありません。

車検の際には自動車重量税を納付しますが、走行距離は特に加味されず税額が決定されます。同じ車なら、走行距離はほとんどない状態でも、10万キロを超えていても税額は変わりません。車検時には自賠責保険料も支払いますが、こちらも走行距離とは無関係です。

走行距離が10万キロを超えてから税金が高くなったという人もいるでしょう。10万キロを超えたくらいのタイミングで税金が上がることも多いです。しかし、税金が上がるのは、走行距離を基準にしているわけではありません。新車登録からの経過年数を基準にしています。

具体的には新車登録から13年経過すると、自動車重量税も自動車税も上がる仕組みです。年間の走行距離が7,000キロから8,000キロ程度だと、走行距離がちょうど10万キロに達するくらいの時期でしょう。そのため、走行距離で車検費用が上がったと思ってしまう人も多いです。

しかし、実際には新車登録から13年未満なら、走行距離が10万キロでも20万キロでも車検費用は上がりません。

修理や部品交換で費用が高くなりがち

税金や自賠責保険料は、走行距離による差がなくても、修理や部品交換などで差が出ることが多いです。走行距離が長いということは、それだけ多く使ってきたことを意味しています。

車は走れば走るほど、部品が摩耗してきます。あまり走っていない車とくらべて、多く走っている車は不具合箇所が出てくることも多いです。小さな故障だと、普段使っていて気づかず車検時に発見されることもあるでしょう。そのため走行距離の長い車は修理費用や部品交換費用で車検費用が高くなりがちです。

車の部品の中には、走行距離を目安に交換する部品もあります。特に走行距離10万キロが交換時期の目安とされている部品は多いです。

0例えば、タイミングベルトやラジエーターホース、ブレーキホース、ドライブシャフトブーツなどが挙げられます。いずれも交換費用が高い部品で、車検時に一気に交換するとなれば、車検費用が跳ね上がるでしょう。

ただし、10万キロを目安に交換する部品は、一度交換してしまえば、もう10万キロ程度は保ちます。そのため、次の車検では、それほど費用が高くなることはありません。

車検費用の内訳

車検費用は法定費用と車検基本料や部品交換費用などから構成されています。このうち法定費用は、金額が決められており、どこに車検を依頼しても同じ金額だけかかる費用です。これに対して車検基本料や部品交換費用は業者や車の状態によって異なる費用です。では、それぞれの内訳について見ていきましょう。

法定費用

法定費用は自動車重量税と自賠責保険料、検査手数料です。

自動車重量税は、自動車の重量によって税額が変わります。基本的に大きい車は重いので自動車税も高くなることが多いです。

また、同じ重さの車でも、エコカー減税が適用されるかどうかで、税額が異なります。エコカー減税が適用されれば、燃費基準により自動車重量税や自動車税の減免を受けられる制度です。具体的な減税割合は車種によって異なります。

自賠責保険料は、公道を走行する車なら必ず加入しなければならない保険です。確実に加入させるため、車検時に次の車検までの期間分の保険料をまとめて支払う仕組みになっています。24ヶ月分で25,830円です。

検査手数料は国に支払う印紙代と自動車検査独立行政法人に支払う証紙代があります。印紙代は一律400円で、証紙代は5ナンバーなら1,700円で3ナンバーなら1,800円、軽自動車なら900円です。

車検基本料や部品交換費用

車検基本料は点検や整備などにかかる費用です。業者によって呼び名が異なり、整備代などと表記している場合もあります。具体的な金額は法定費用と異なり、各業者が自由に決められるのが特徴です。そのため、高いところもあれば安いところもあります。基本的にディーラーは高めで、カー用品専門店や車検の専門業者などは安いです。

車検の手続き代行に関する分も車検基本料に含まれることが多いですが、業者によって扱いが異なります。代行料を別項目として設けているところもあるため、明細をよく見ておきましょう。

部品交換費用は、点検により不具合箇所などが見つかったときに交換の際に使用する部品代と工賃が加算されます。交換や修理などが必要なければ、加算されません。走行距離が長い車だと、この部分が高くなりやすいです。

このほか、車を引き取りに来てもらった場合や、届けてもらった場合などには引取費用や納車費用などがかかることもあります。この部分も業者による差が大きいです。

業者にも様々な種類があります。そのため自身の車の目的などを明確に決めておくと選びやすいかもしれません。無料で見積もりをしてくれる専門業者もあるので依頼するのが良いでしょう。

走行距離が大きい車の車検費用を安く抑えるコツ

走行距離が長い車を車検に出す際に、できるだけ費用を抑えるにはどうすればいいのか見ていきましょう。

日頃のメンテナンス

走行距離の長い車で車検費用が高くつくのは、主に部品交換や修理などにかかる費用です。そのため、部品交換や修理などをできるだけしなくて済むようにしていれば、車検費用もある程度は抑えられます。

車の部品は長く使うとどうしても摩耗して交換が必要になりますが、適切にメンテナンスをすることで、長持ちさせられることも多いです。そのため、車検費用を抑えたいのであれば、日頃からきちんとメンテナンスをしておきましょう。

例えば、エンジンオイルなどは小まめに交換しておけば、エンジン周りの部品の劣化を遅らせることができます。

車の調子が悪いと感じたときなどにも、すぐにディーラーや修理工場に見てもらうのが望ましいです。軽い不具合のうちなら修理費用が安く済むことが多いです。また心配ならば、専門業者に依頼するのも良いでしょう。

買い替えも選択肢のひとつに

走行距離が10万キロを超えるくらいになると、小まめにメンテナンスをしながら使っていても、どうしても部品交換が必要になってきます。車検時に部品交換を済ませても、すぐにほかの箇所で部品交換が必要になることもあるでしょう。コストを考えると走行距離が長くなった車を乗り続けるのは、あまり賢明とは言えません。

そこで、車検の時期が近づいたら買い替えも検討してみるのがいいかもしれません。特に走行距離が10万キロに達しているのであれば、タイミングベルトをはじめとしてさまざまな部品を交換しなければなりません。お金をかけて部品をして車検を通すよりも買い換えるのが得策です。

そしてもし走行距離の長い車を買い換えるのであれば、廃車買取業者の利用をおすすめします。走行距離が10万キロを超えると下取りも中古車としての売却も難しくなりますが、廃車買取業者なら買取可能です。

通常なら車を廃車にするのにはお金がかかるでしょう。しかし、廃車買取業者に買取をしてもらえばお金は一切かからず、逆に売却代金が入って来るのでかなりお得です。新しい車を購入する資金の足しにできるので、ぜひ廃車買取を利用してみてください。

まとめ

車検費用は走行距離とは直接的な関係はありませんが、走行距離の長い車は部品交換や修理などで車検費用が高くつくことが多いです。新車登録から13年経過すれば税金も高くなります。そのため、走行距離が10万キロを超えたら、車検を通すよりも買い替えを検討するのがおすすめです。

そして、買い替えで現在の車を廃車にするなら、買取業者はよく吟味しましょう。