車検は平日がお得?休日でも受けられる?

車検は、早ければ数時間、車を預ければ2~3日ほどかかります。その間は車を使えませんから、できるだけ休みの日に済ませたいものです。最近は土日や祝日でも車検を受けられる業者が増えていますが、平日のほうがお得なのでしょうか。

休日に車検を受けられる業者

車検を受けられる業者は数多くありますが、すべての業者で土日や祝日といった休日に車検を受けられるわけではありません。運輸支局や軽自動車検査協会は平日しか開いていないからです。休日に車検を受けられるのは、「指定工場」である業者に限られます。

指定工場とは、地方運輸局長の指定を受けた工場のことです。車の分解整備ができるだけでなく、車検を行える設備を持ち、自動車検査員が在籍しています。「指定自動車整備事業」と書かれた青い看板が目印です。

これに対して、車の分解整備はできるものの、車検を行える設備が無い工場は「認証工場」と呼ばれます。車の分解整備を行うには、整備士の人数や工場の規模、設備など、条件を満たした上で地方運輸局長の認証を受けなければいけません。

指定工場では、事前の点検・整備から車検まで行えるため、わざわざ車を運輸支局や軽自動車検査協会まで持ち込む必要はありません。だから休日でも車検を受けられます。ただし、車検証の発行は運輸支局や軽自動車検査協会でなければできません。それまでは「保安基準適合標章」が車検証の代わりとなり、現物は後日郵送されます。

指定工場でない業者は、点検・整備まではできたとしても車検を行えないので、運輸支局や軽自動車検査協会へ持ち込まなければいけません。休日は開いていませんから、そこで待たされてしまいます。業者を通さず、自分で車検を受ける「ユーザー車検」も同様です。

休日に車検を受けたいときは、指定工場の業者を選びましょう。業種の違いは関係なく、同じディーラーや整備工場、カー用品店、ガソリンスタンドでも、指定工場のところがあれば、そうでないところもあります。最近増えている「車検専門業者」なら、ほぼ指定工場で休日も車検を受け付けているはずです。

ただし、指定工場でも規模によっては1日に車検できる台数に限度があり、飛び込みで車検を受けようとしても、待たされたり、断られたりするかもしれません。あらかじめ予約しておくと、希望の日時に車検を受けやすいでしょう。

平日の車検がお得な理由

休日に車検を受けられても、料金は平日のほうがお得だといわれており、ほかにもメリットがいくつかあります。

車検を受けるドライバーの多くは土日や祝日といった休日が休みであり、平日に休みを取れるドライバーは、それほど多くありません。当然、車検を受けようとするドライバーも平日は少なくなります。

業者にしてみると、休日は対応に追われ、逆に平日は暇を持て余すといった状態ですから、満遍なくドライバーが来てくれるほうが有難いわけです。そのため、平日の料金を割引して、休日に集中しがちなドライバーを分散しようと試みます。

車検にかかる費用は車種にもよりますが、安くても5万円くらいで、10万円以上かかる場合もありますから、少しでもお得に済ませたいものです。平日に車検を受けて料金が割り引かれるなら、積極的に利用したいと考えるでしょう。

車検には、自動車重量税や自賠責保険料、検査手数料といった法定費用と、それ以外の費用がかかります。それ以外の費用とは、整備費や部品代、工賃、サービス料などです。

このうち法定費用はどの業者で車検を受けても同じですが、それ以外の費用には差があります。平日に割り引かれるのは、それ以外の費用です。どれくらい割り引くかは業者によって異なりますが、数千円くらいが目安となるでしょう。

平日以外に車検を受けるメリットは、料金以外にもあります。先述のとおり、平日は休みを取れるドライバーがそれほど多くないため、直前でも希望の日時を予約しやすいといえるでしょう。業者側も余裕を持って車検を行ってくれるはずです。

混み合っていると「早く終わらせなければいけない」という気持ちが先立ちますが、余裕があれば丁寧に点検・整備ができます。隠れた不具合にも気づきやすいでしょう。結果として、車検に対する満足度も高くなるかもしれません。

もちろん、すべての平日で割引が適用されるわけでなく、混み合う時期もあります。特に車検のタイミングが重なりやすい3月や4月あたりです。就職や進学、異動などによって、車の需要が高まる時期でもあるため、車検も同じタイミングになります。

車検は有効期限の1ヶ月前から受ければ、次の有効期限が前倒しされません。指定工場なら、さらに15日前から次の有効期限を前倒しせずに受けられます。運輸支局や軽自動車検査協会で車検証を発行するのは、合格してから15日以内という決まりがあるからです。

多くの業者では2~3ヶ月前から予約を受け付けているので、休暇を取得するなど早めに計画を立てれば、お得に車検を受けられるでしょう。

メリット、デメリットを理解した上で業者を決めておくとスムーズかもしれません。

休日でもお得に車検を受けるには?

平日に休みを取得するのが難しいドライバーは少なくありません。その場合、休日に車検を受けなければいけませんが、休日でもお得に車検を受ける方法があります。それが「早期予約」です。

先述のとおり、多くの業者では車検の有効期限の2~3ヶ月前から予約を受け付けています。さらに1ヶ月前など、業者が定めた期限まで予約すると、法定費用以外から割り引いてくれる仕組みです。もちろん、平日割引と組み合わせれば、もっとお得になりますが、早期割引だけでも数千円ほどお得になるでしょう。

ほかにも、早期の予約によって、希望する日時を押さえやすいというメリットがあります。

業者にもよりますが、車検の割引は繰り返しの利用やインターネットからの予約、代車を不要とすることで受けられるなど多彩です。複数の割引が適用されれば、1万円以上お得になる可能性もあるでしょう。

割引以外で車検にかかる費用を節約するには、業者選びが大事です。一般的に、法定費用以外については、整備で交換する部品の点数や、車検とは直接関係のないサービス代によって差がつきます。

ディーラーは整備が手厚く、サービスも多いので費用が高くなりがちです。一方、車検専門業者は基本的に車検に合格するための整備しか行わず、コスト削減に努めているため安くなります。自分が安心して頼める専門業者を選びましょう。

カー用品店であれば、部品の交換が発生しても、ディーラーより安いものを使っているので割安です。ガソリンスタンドのように、ガソリン代が安くなるなど、車検代以外でお得になるところもあります。

どこがお得なのか比較するには、見積もりを取るのがおすすめです。もし不要と感じる部品交換やサービスがあるなら、交渉して断りましょう。これらの中には、自分で簡単にできるものがあります。

もちろん、車検にかかる費用を過剰に節約するために点検・整備を断るのは、故障や不具合を見逃すかもしれません。普段から自分で車を点検・整備する習慣が無ければ、お金をかけてでもディーラーで車検を受けたほうが、次の車検まで安心して乗れるでしょう。

逆に車の知識があり、自分で車を点検・整備できるなら、車検に合格するための点検・整備だけで済ませても良いわけです。

総合的に判断しながら、必要十分な点検・整備、サービスを選べば、休日でもお得に車検を受けられるでしょう。

まとめ

休日でも車検を受けられるのは、「指定工場」の業者です。一方で多くの業者は、平日の利用者を増やすために、さまざまな割引を実施しています。休日でも早期に予約したり、不要な部品の交換やサービスを断ると、車検にかかる費用を抑えられるでしょう。