車検時には部品交換は必須なの?交換時期と被る場合は進んで交換

代行業者に車検を依頼すると、多くのパーツの交換を提案されることがあります。車のパーツの多くは消耗品であるため、いずれ交換しなければいけないものです。しかし車検のタイミングで交換してもよいのでしょうか。

今回は車検時のパーツ交換についてご紹介します。

車検での部品交換は必要?

  

車検時に提案される各パーツの交換。必要そうなものも含まれますが、反対に交換しなくてよさそうなものが入っていることも。車検時のパーツ交換は必要なのでしょうか。

必ずしもパーツの交換は必要ではない

車に使用されている多くのパーツは消耗品であり、長く車に乗り続ける間に交換しなければいけないタイミングがやってきます。車検は車を公道で走るための保安基準に適合しているかを確認する手続きですが、このタイミングで業者からは多くのパーツ交換が提案されます。

しかしパーツを交換するタイミングは必ずしも2年に1度の車検のタイミングと合うわけではありません。中には10年近く使い続けられるパーツもありますので、それぞれのパーツに合わせたタイミングで交換するのがよいでしょう。

車検時の交換は費用増加の一因

車検の手続きには、必ず払わなければならない法定費用だけでなく、問題のあるパーツの交換費用、代行業者への代行手数料や工賃など多くの費用がかかります。

一度に多額の出費が発生するため、ユーザーとしてはできるだけ低額に抑えたいと思うもの。車検のタイミングで交換を持ち掛けられたパーツや消耗品があるなら、まだ使えるパーツの交換は見送ることで費用を安く抑えることができます。

必要なら忘れないよう車検で交換

とはいえ、日常的に車の整備に注意しているユーザーでもなければ、車検のタイミング以外での車の整備を行わないこともあります。

もし車検後に寿命が訪れそうなパーツがあり、車検以外で細かく整備を行う自信がないようなら、多少タイミングがずれていたとしても、車検時に交換してしまうのが安心です。

お近くの車検専門業者をお探しの際には、ぜひこちらをお役立てください。

主な部品・消耗品の交換時期

 

定期的な交換が必要な車のパーツ・消耗品は、それぞれどんなタイミングで交換が必要なのでしょうか。主要なパーツ・消耗品の交換時期を見てみましょう。

エンジン周り:オイル類

車の心臓部であるエンジンが正常に動くように働く消耗品がエンジンオイルです。エンジンオイルは5,000~1万km走行ごとに交換するよう、メーカーから指定されています。もし普段あまり車に乗らず、1年間に5,000kmも走らないというような場合でも、半年に1回交換することが推奨されています。

またエンジンオイルをきれいに保ち、正常に機能するよう整えるフィルターが「オイルエレメント(オイルフィルター)」です。こちらも定期的な交換が必要ですが、エンジンオイル交換を行う際、2回に1回交換する程度で十分です。

エンジン周り:ベルト類

エンジンの駆動を車に伝えるパーツがタイミングベルトです。走行距離に比例して疲労していくパーツであり、10万キロ走行ごとに交換する必要があります。

またタイミングベルトとは別に、車の各パーツへエンジンの駆動エネルギーを伝えるパーツとしてVベルトがあります。Vベルトは近年耐久性が向上していると言われていますが、こちらも5~10万kmごとの交換が推奨されています。

足周り:タイヤ

文字通りの車の足であるタイヤは、走行するごとに摩耗していきます。タイヤがすり減り溝が1.6mm以下になると、スリップの危険性があることを知らせる「スリップサイン」がタイヤに現れます。これが出るころには非常にタイヤはグリップ力を失っていますので、急いで交換したほうがよいでしょう。

またタイヤのゴムは時間によっても劣化します。あまり車に乗らずにスリップサインが見えていないとしても、4~5年経過したタイヤは交換を検討しましょう。

足周り:ブレーキパッド

ブレーキの効きを左右するブレーキパッドは、ブレーキを踏むたびに摩耗する消耗品です。厚さが3mmを下回るとシャリシャリとした異音が出るようになりますので、そうなると交換の時期と考えてよいでしょう。およそ5万km走行が交換時期の目安です。

車によってブレーキパッドは前輪だけの場合と、前後のタイヤ両方についている場合に別れます。ブレーキパッドは前輪の摩耗が激しい為、前後両方についている場合、前輪のブレーキパッドを2回交換するごとに、後輪を1回交換する程度でよいでしょう。

足回り:ブレーキキャリパー

ブレーキパッドをブレーキローターに押し付ける役割をもつのがブレーキキャリパーです。ブレーキパッドほどではないですが、ブレーキを踏むたびに機能するパーツですので、定期的なメンテナンスが必要です。

とはいえ、ブレーキキャリパーは直接摩耗させるパーツではないため、車検のタイミングで点検し、問題ありそうなら交換か整備を行いましょう。車検2回に1回程度の交換・整備が望ましい頻度です。

駆動系:ミッションオイルATフルード

マニュアル車のミッションをスムーズに動かすために必要なミッションオイルも、定期的な交換が必要なパーツの一つです。2万~3万kmごとに交換してあげると、酷使されやすいミッションを長く安全に保ってくれるでしょう。

オートマチック車にはミッションオイルはありませんが、代わりにATフルードというオイルが必要です。こちらもギアを変更する際に活躍し、定期的な交換が必要。3万km前後走行し、変速ショックが大きくなってきたら交換のタイミングです。

駆動系:クラッチディスク

マニュアル車のギア変速に使われるクラッチディスク。変速のたびに摩耗し、状態が劣化するとギアが滑りうまく変速できなくなってしまいます。

およそ7万~10万kmが交換タイミングと言われますが、走り方によって摩耗度合いが大きく異なるため、3万km程度で交換しなければならないこともあります。

その他:ワイパーブレードゴム

雨・雪の際、窓についた水分をきれいに拭き取ってくれるワイパー。ゴム部分のワイパーブレードゴムは使うたびに痛み、徐々に拭き取りきれなくなりますので、拭き残しが出るようになったら交換しましょう。

車の状態を見る予防整備とは

 

車検時に多くのパーツ交換が提案される場合がありますが、これは「予防整備」としての観点から提案されています。

予防整備とは

予防整備とは、車のパーツの劣化や消耗品の不足により事故を起こさないように、パーツが痛みきらないうちに新品に交換、消耗品を補充し車の状態を万全に整えるための整備です。

車検を代行業者に依頼すると、車検としての点検だけでなく、予防整備として隅々まで車をチェックし、パーツの交換を行います。

予防整備のメリット

予防整備を行うことで、劣化が始まったパーツを早期に交換し、事故を未然に防いでくれることが期待できます。

また定期的に車の整備を行う習慣がないユーザーは、各パーツの寿命のタイミングでの交換を忘れがち。ズボラなユーザーでも、車を健全な状態に保ちやすくなります。

予防整備のデメリット

車検時に行われる予防整備では、次回の車検まで整備が行われないことも考慮したパーツの交換が行われることがあります。そのためあと1年は使えそうなパーツでも交換対象になることもあり、高価なパーツが早めに取り替えられてしまうこともあります。

もちろん安全のためにはギリギリになる前にパーツを交換することは必要です。パーツの残り期間を無駄にせずに済むように、車検以外のタイミングでも定期的な点検・整備を行いましょう。

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まとめ

車検時にパーツの交換を勧められることがありますが、必ずしもすべてのパーツを交換する必要はありません。パーツにはそれぞれ耐用年数・使用可能期間があり、車検のタイミングと合わないこともあります。

しかし定期的に車の整備を行う習慣がない場合、パーツの耐用年数を忘れてしまうことも。もし交換のタイミングを逃してしまいそうなら、車検のタイミングで交換してしまうのもよいでしょう。