車検時に年式は関係ある?自分で年式を確認する方法

車を所有しているなら、2年に1回は受けなければいけない車検。古い車に乗っていると車検の費用が高くなると言われることがありますが、それは真実なのでしょうか。 今回は車の年式が車検の費用にどのように影響するかをご紹介します。

車検費用は車の年式によって高くなるの?

車検の費用の内訳には様々な費用が含まれており、その中には車の年式に応じて額が変動するものがあります。

年式が古いと税金が上がる

車検の費用の中では「自動車重量税」が車の年式の影響を受けます。 自動車重量税は車両重量に対して課せられる税金ですが、車体が重くなるだけでなく、車の年式に応じて税額が増えていきます。 新車登録から13年経過のタイミングで、それまでの税額から約40%増額します。新車登録から18年経過になるとさらに上がり、最初の税額と比較すると、約54%と大幅な増額幅となっています。 経過年数の経過年数に応じた増額幅は以下の通りです。

車体重量自動車重量税(2年分)
13年未満13年経過18年経過
軽自動車6,600円8,200円8,800円
500kg以下8,200円11,400円12,600円
500kg超~1,000kg以下16,400円22,800円25,200円
1,000kg超~1,500kg以下24,600円34,200円37,800円
1,500kg超~2,000kg以下32,800円45,600円50,400円
2,000kg超~2,500kg以下41,000円57,000円63,000円
2,500kg超~3,000kg以下49,200円64,800円75,600円

また、車検時に支払う税金ではありませんが、車の所有者に対して課せられる「自動車税」も古い車に対して税額が上げられます。 自動車税は毎年4月1日時点で車を所有しているユーザーに対して課せられます。この時に課税対象の車が新車登録から13年以上経過していると、新車時の自動車税に比べて約40%増額されて課税されます。 自動車税と経過年数の関係は以下の通りとなっています。

総排気量自動車税(年額)
2019年9月30日以前2019年10月1日以降13年経過
軽自動車10,800円10,800円12,900円
1.0L以下29,500円25,000円34,000円
1.0L超 ~ 1.5L以下34,500円30,500円40,000円
1.5L超~2.0L以下39,500円36,000円45,500円
2.0L超~2.5L以下45,000円43,500円52,000円
2.5L超~3.0L以下51,000円50,000円59,000円
3.0L超~3.5L以下58,000円57,000円67,000円
3.5L超~4.0L以下66,500円65,500円76.500円
4.0L超~4.5L以下76,500円75,500円88.000円
4.5L超~6.0L以下88,000円87,000円101,500円
6.0L超111,000円110,000円128,000円

なお、自動車税は18年経過時点では税額が変わることはありません。

老朽化によるパーツ交換の頻度が上がる

年式が古い車は長期間運転されており、その年数に応じて各所が摩耗しています。そのため車検時にパーツの交換が必要な個所が見つかることが多く、パーツ代が車検費用に上乗せされていきます。 古い車はメーカーでもパーツを保管していないことがあり、高価な削り出しのパーツを注文することになるか、最悪の場合は交換できないということもあります。

こういった場合は、一度専門業者に問い合わせることも選択肢のひとつです。

車の年式の確認方法

車の年式に応じて自動車重量税、自動車税など、車に関わる費用が変わることがわかりました。ただし「年式」という言葉は複数の意味を持っており、捉え方を間違えると支払うべき費用を間違えてしまうことにもつながります。

年式には2つの意味がある

「年式」という言葉が持つ意味は、大きく分けて2種類の意味があります。 1つ目は「車が製造された年月日」であり、もう1つは「車が新車登録された日」です。国産車の場合、製造されてからユーザーに納品されるまで日数の開きがないため、ほぼ同じ意味として捉えられる傾向にあります。 外車の場合、海外で製造された車が日本に到着し新車登録されるまで、数日から数週間の期間が必要となる場合があります。そのため製造された日と新車登録される日に大きな開きが出ることがあります。

車検に重要なのは「新車登録された日」

車検において重要な情報は「新車登録された日」です。自動車重量税および自動車税の税額は「新車登録から何年経過したか」を基準に判断されます。 仮に製造されてから5年後に新車登録されるようなことがあっても、新車登録された日が基準とされます。何らかの事情で製造されてから数年経った車を購入することがあるなら、新車登録からの時間経過以上に、パーツの傷みや劣化が起きている可能性を考慮しておきましょう。

年式の確認方法

車の年式を確認する方法はいくつか存在します。 最も確実で信頼がおけるのは「車検証に記載された新車登録日を確認する」ことです。車検証に記載されている「初年度登録年月」という項目が新車登録日に該当します。 その付近に「登録・交付年月日」という項目もありますが、それは「車の登録を行った日」を指します。 現在のユーザーが新車購入してから引っ越しもせずに乗り続けているなら、新車登録日に近い年月日が記載されています。しかし所有者の変更や住所変更が行われた場合、登録・交付年月日は更新されます。この日付を見て年式を判断しないように注意しましょう。 新車で購入した車なら「新車保証書」を確認するのも良いでしょう。新車保証書内にある「登録日」が、その車が登録された日を指しています。 しかし新車保証書に記載されている登録日は、公的な新車登録日を保証するものではありません。あくまで参考程度に考えておき、正確な年式は車検証を確認するのがよいでしょう。

車の年式によっては買い替えもおすすめ!

車検の費用は車の年式に応じて上がることがあるのはわかりましたが、どのような上がり方をしてしまうのでしょうか。車検費用の内訳について確認してみましょう。

車検費用の内訳

車検費用には以下のような内訳があり、年式に影響を受ける項目があります。

・法定費用

車検時に必要な費用のうち、法律で支払いを義務付けられている費用が「法定費用」です。法定費用には「自動車重量税」「自賠責保険料」「検査費」があります。自賠責保険料と検査費は、車の年式による額の変動はありません。 自動車重量税は、新車登録から13年または18年経過で税額が上がります。例として車両重量が1,800kgの車を車検に出した場合、新車登録から5年の車なら32,800円の重量税がかかりますが、14年目の車は45,600円と大きく上がります。

・基本整備費

車検を代行業者に依頼した場合、整備や手続きの手数料として「基本整備費」がかかります。年式を基準とした価格設定を行う業者はあまりいませんが、古い車はそれだけ整備に手間暇がかかるため、年式の浅い車と比較すると、基本整備料は高めになりやすいのです。

・パーツ代

車検時の点検で問題が見つかったパーツは、新しいパーツと交換されます。年式の浅い車は痛みもなく、パーツの交換費用は全くかからないこともありますが、年式の古い車ほど痛みは激しく、多くのパーツを交換・修理しなければなりません。 また古い車ほどパーツの在庫がないことがあり、必要に応じて鉄やアルミから削り出す特注パーツを注文しなければならないこともあります。

13年以降は買い替えも検討

年式の古い車は車検の費用や自動車税が上がっていくだけでなく、車の傷み・パーツの劣化に伴う故障率も上がっていきます。 自動車開発の技術は日々進化しており、特に安全性能・環境性能の成長は目覚ましいものがあります。燃費も大幅に向上しており、13年前の車と比較すると、ガソリン代も大きく変わります。 長年乗り続けるほど愛着ある車かもしれませんが、費用面・安全面・環境面を考え、13年目の車検というタイミングは、新車への買い替えを検討するいい機会といえるかもしれません。

廃車買取専門業者だと思いのほか高値で買い取ってもらえる場合もあるので、思い切って廃車にするのも良いかもしれません。

まとめ

車の年式は主に「新車登録した年月」を指し、車検も新車登録日が起算日となっています。 年式が古くなった車は徐々に維持のための費用がかさむようになり、新車登録から13年が経過すると、車検費用の一部である自動車重量税が増額。毎年支払う税金である「自動車税」も大幅に増額します。 近年は自動車開発の技術の進歩が目覚ましく、13年前の車との性能差は歴然。13年目の車検を機に、最新の車へ買い替えを検討するのも良いタイミングでしょう。