車買取では減額される可能性も!されないための対策

車の買取では、できるだけ高い値段で買取ってもらいたいと誰もが考えます。しかし、査定金額として提示されていた金額から、減額されてしまうこともあるのです。

いつ、どのような理由で減額されるのか、減額されないように何をすればいいかという点をまとめました。

車の買取で減額されるタイミングは?

 

車を買取に出したときの一般的な流れは、査定→契約→車の引き渡し→振り込みの手順で行われます。

減額の連絡が来るタイミングは、車を引き渡した後、振り込みの手続きがおこなわれる前が多いです。

これは引き渡し後に業者で整備する際に、何らかの不具合が発見されることが理由に挙げられます。

査定時には見えなかった不具合が整備で見つかった場合、その不具合を修理しなければ買取った車を商品にできないため、買取業者側は早急に修理をしたいのです。

しかし修理するには費用がかかってしまうので、車を売った側に「減額」という形で対応してもらいます。

減額対象となってしまうものとは? 

車の買取で減額対象になる理由は、傷や臭いなどさまざまなものが挙げられます。車のボディについた傷の場合、傷の大きさや深さによって減額される金額は変わるのです。

査定時に査定士が見て気付く傷や臭いといった減額項目は、契約までに分かることなので大きな問題にはなりません。しかし車引き渡し後に分かる減額対象の項目は、意外と知らない人も多いのです。

車引き渡し後の整備で発見されることが多い減額対象項目は、大きく分けて3つあります。それぞれの項目ごとに、掘り下げて解説していきましょう。

基幹系トラブル

整備中に発見されることがもっとも多い減額対象項目は、エンジンやトランスミッションのような、車を走らせるための要ともいえる基幹系のトラブルです。

外観からは分からなかった部分も、テスターを使用して詳細を調べると不具合が検出されることがあります。

エンジンやトランスミッションの不具合の修理には、多くの修理費がかかる可能性が高いため、不具合が見つかった場合には大きな減額となる可能性も考えられるでしょう。

修復歴車

査定時には、修復歴があるかをプロの査定士が細部まで確認します。修復車であるかどうかを直接聞かれることがありますが、基本的にはここで修復歴があるのにも関わらず、ないと答えても、査定士が見ればすぐに分かることです。

しかし査定士も人間ですから、極稀に修復歴を見落としてしまう可能性もあります。このように、査定時には気付かなかった修復歴が整備の段階で見つかったとき、後から減額対象となるのです。

修復歴がある車を「修復車」と呼びますが、日本自動車査定協会で定められている修復車とは、

  • フレーム
  • フロントインサイドパネル
  • フロントクロスメンバー
  • ダッシュパネル
  • トランクフロアパネル
  • ルーフパネル
  • ルームフロアパネル
  • ピラー
  • ラジエターコアサポート

これら9つのどれかを修理、交換した場合の車のことを指します。

水没車

大雨や洪水、台風などの災害で、車が水没した場合は、後に重大な故障につながる恐れがある「水没車」として扱われます。

修復車と同じく、査定士がみれば比較的簡単に水没車であることは分かりますが、初回の査定で見落とされることもあるでしょう。

一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)は、水没車の査定基準を定義しています。査定基準の内容は以下です。

  • フロアまで水没している車→減点率30%
  • クッション上部まで水没している車→減点率40%
  • ダッシュパネル上部まで水没している車→減点率50%

車内フロア以上に浸水した車や、浸水の痕跡が複数確認できる車が、水没車として定義されます。

 

減額になったときの対処法

車の引き渡し後に減額の連絡があった場合には、いくつかの対処法があります。正当な理由があって減額されるのは仕方のないことですが、買取業者の中には何かしらの理由をつけて、安く買取をしてやろうと企む悪徳業者も存在するのです。

不正に愛車を安く買い叩かれないために、車引き落とし後の減額の要求があった場合の対処法を学びましょう。

減額は必要かを再度確認する

車引き渡し後に減額する旨の連絡があった場合、最初に行うことは「本当に減額が必要か」ということを再度確認することです。

減額理由が査定時の見落としであった場合、買取業者の信用は下がります。車の買取業者は、全国にたくさんあるので、どこの業者でもお客様の信用はとても大切な項目なのです。

減額理由を明確にし、査定時の見落としであった場合は、はっきりと「そちらの見落としであるのに、今さら減額するのは違うのではないか?」ということを伝えると良いでしょう。

査定時の見落としによる減額は、お客様からの信用を失うことにもなるので、減額対象にならない可能性もあります。

減額理由が事実であるかを確認する

車引き渡し後の減額は、手元に車がないため事実確認が難しいです。車の買取業者の中には少なからず悪徳業者も存在し、嘘の理由をつけて仕入れ価格を抑えようとする場合もあります。

減額理由を告げられた場合、できるなら車を見て確認したいという旨を買取業者に伝えてください。このときに、何かと理由をつけて現車確認を断られる場合は、優良な買取業者ではないと判断できます。

減額理由に挙げられている事象を確認できなければ、減額には応じない強い姿勢を見せましょう。

瑕疵担保責任の対象であるかを確認する

瑕疵担保責任は民法によって定められているもので、契約後に何かしらの不備が見つかった場合に、車を売った側に責任が課せられるというものです。

車売却時の瑕疵担保責任対象になるものには、修復歴や不具合があったにも関わらず、意図的に隠蔽していたなどがあります。

修復歴や水没などは、分かっている範囲で事前に申告していれば瑕疵担保責任に問われることはありません。

契約を取り消す

減額された金額が大きい場合は、契約をキャンセルしてしまうのもひとつの方法です。車買取業者は、全国にたくさんありますし、別の業者に依頼すれば減額なしで買取ってくれるケースもあります。

しかし気を付けなければならないのが、キャンセルする際にキャンセル料が発生する業者もあるということです。契約後のキャンセルに費用がかかるかどうかは、契約書に記載されています。

契約の取り消しを選択肢に入れるときは、必ず契約書を再度確認し、キャンセル料が発生しないか確認する。または直接業者に問い合わせ、キャンセル料金が発生する場合は、交渉するのが良いでしょう。

減額されないためには対策を

車引き渡し後に減額されないようにするには、いくつかのポイントを押さえて対策をしておく必要があります。

契約書の内容は細部まで確認する

車の売却時には、買取業者との間で必ず契約書を交わします。この契約書の中には、査定後減額する場合があるという旨の記載がされていることもあるので、契約書にサインする前に、どのような場合に減額されるのかといった疑問点はすべて聞いておくようにしましょう。

修理歴や不具合は正直に申告する

先ほども解説したように、車を売る側には瑕疵担保責任が発生します。修理歴や不具合がある場合は、ごまかそうとせず正直に買取業者に事前に伝えておきましょう。

車を売却した後に、隠蔽していたことが分かると、瑕疵担保責任に問われることになりますし、最悪のケースでは損害賠償請求をされることもあります。

まとめ

車の買取では、査定後に減額されることがあります。知識がないまま減額要求に対し素直に減額を聞き入れてしまうと、損をしてしまうこともあるのです。

まずは買取業者選びをしっかりすること、減額を避けるためにできることはしておくこと、そして契約の際には、不安な点や疑問点はすべてクリアにしてからサインするようにしましょう。