売買契約書に関する注意点

車の売却契約を結ぶための売買契約書は、業者が2通作成し売主・買主の両名が1通ずつ保管します。契約書は専門用語や法律用語が多く使われているため、普段契約書に触れていない人は理解しにくいこともあるでしょう。

不要なトラブルや、契約に関する意識の相違によるキャンセルを防ぐためにも、不明点があれば細かいところまでしっかりと確認しておく必要があります。

車買取時の合計金額

契約書には、車の買取に関する金額が記載されています。

これまで口頭で受けていた査定金額と異なる売却金額が記載されていても、契約書に判を押してしまえば契約書の数字で売却することになります。説明を受けていた金額と異なる場合には、なぜその金額になっているのか、はっきりとさせておきましょう。

支払時期と支払方法

車の売却代金がいつどのように支払われるかを確認しましょう。

一般的には契約から1週間程度で代金が銀行口座へ振り込まれますが、たとえば契約書上に6ヶ月後と記載されていたなら、半年後まで振り込まれなくても文句はいえません。いつまでに支払われるか、期日が曖昧な記述になっていないか確認しておきましょう

また代金の支払方法も確認しておかなければいけない項目です。一般的には指定の銀行口座に振り込まれますが、売主側が現金での支払いを望んでいたなら、その旨が記載されているかも確認しましょう。さらに一括払いか分割か、支払い回数にも注意が必要です。

売却車両の基本情報

どんな車を売買する契約を結ぶのか、車の基本情報がはっきりと記載されているか確認しましょう。

契約書に記載しておくべき車の基本情報は以下のものが含まれます。

  • 車種
  • ボディカラー
  • 年式、グレード
  • 車台番号、登録番号

特に車台番号はその車固有のものであるため、この番号を見るだけでどこの誰が持っていた車なのかすぐに判明します。 業者によっては細かい基本情報まで記載しないこともありますが、売買記録がはっきりしない車は悪用される恐れもあるため、記載を求めておくことが将来の安全につながります。

自賠責保険料・自動車税などの諸費用の扱い

車の売却に応じて返金・還付を受けられる費用についての記載もはっきり確認しておきましょう。

  • 自動車税
  • 自賠責保険料
  • リサイクル料金

これらの費用は、車を売却する時期によって還付額が変わるものもあるため、詳細な還付額を確認しておく必要があります。

なお、業者によってはこの項目についての詳細な情報を記載せず、合計金額欄にまとめる場合があります。記載されていることよりも金額が正しいことが重要ですので、車本体の売却額にしっかり加算されているようなら、この記載事項には柔軟に対応してよいでしょう。

車両引き渡し日・方法・場所

契約が結ばれれば、車両を業者に引き渡すことになります。その際いつ、どのように、どこで引き渡すかというような、引き渡しの条件についての記載を確認しておきましょう。

一般的には契約書にサインしたその日のうちに引き渡しますが、新車の納入が来週なので1週間待って欲しいなど、特別な事情がある事があります。前もってその要望を伝えていたなら、その通りの期日になっているかを確認しておきましょう。

売買契約書で必ず理解しておくべきこと・前編

ここまで紹介してきた確認項目は、主に車の売買に関する基本的な内容です。車の売買取引には様々な法的な責任が生まれる場合もあり、それらについての内容も確認を忘れてはいけません。

登録名義の変更日・変更期限

車の引き渡し日とは別に、車の名義変更日も確認しておきましょう。

車が買い取られたら、法的な車の所有者を買取業者に変更しなければなりません。その手続きは買取業者が代行してくれますが、いつ名義変更されるかによって、自動車税の発生や、還付額の変更などが起こります。

瑕疵担保期間

車を売却した後、申告されていない傷や不具合、事故歴や修復歴など、車の査定額に大きく影響するような問題が発覚した場合、売主は「瑕疵担保責任」を問われることになります

契約書には、瑕疵担保責任がどの程度の間有効なのかが記載されますので、何らかの問題があった際にはいつまで責任を取ることになるのかは把握しておきましょう。

もちろん不具合や修復歴などを隠さずに申告しておくことが大前提となります。瑕疵を隠しての売買契約は大きなトラブルになりますので、正直に取引するよう心がけましょう。

契約成立後に発生した事故の責任所在

車の売買契約が成立した後に発生した事故について、誰が責任をとるのかを明確にする内容です。

一般的には買取業者が起こした事故は買取業者が責任を負いますが、悪質な業者に当たってしまった場合には、名義が売主であることを理由に責任を追及されることもあります。

また売却後に買取業者がつけてしまった傷を、買取前からあった傷として瑕疵担保責任を求める業者も存在します。売買契約が成立した後は業者側の言い分が通りやすくなりますので、前もってこの項目が明記されているかは確認しておきましょう

キャンセル時の対応に関する規定

売買契約の解除に関するキャンセル規定の確認も行っておきましょう。買取業者側からすれば、本来得られる利益を失った上に大幅な時間のロスが発生しているため、売主にとって厳しい内容となっていることが多い項目です。

  • 契約解除の可否
  • 契約解除可能期間
  • 契約解除に伴う違約金の金額

キャンセルの受付は義務ではないため、キャンセル規定は設けられていないこともあります。消費者との契約ではないためオフは適用できず、キャンセルの規定は業者側の意向をのまざるを得ないこともあります

ただし、何かと理由をつけて法外なキャンセル料を求める業者もいるため、納得できる規定になっているかは確認しておきましょう。

売買契約書で必ず理解しておくべきこと・後編

契約書の最後に記載されており、最も重要な項目として考えられているのが「特約事項」です。

業者が好きなように規定できる「特約事項」

特約事項はテンプレート的な条項が多い契約書の中でも特殊な項目であり、買取業者側が好きなように規定できます。 契約書の中に記載されていないことは全てここに含まれているといっても過言ではなく、可能な限り買取業者が有利になるように作られています。

特に多い内容は「諸費用の返金はせずに買取価格に含まれる」というものです。買取価格には本体価格しか記載せず、契約書の中で自賠責保険などの還付について触れていても、この一文があれば還付金を渡す必要がなくなります。どんなに売主に不利な内容となっていたとしても、よく理解せずに契約してしまえば、その取引は成立してしまい、どんなに文句を言っても契約書を盾にされて終わります。

どんなに細かい点でも気になることがあるなら質問を繰り返し、納得のいく回答を得てから契約を結びましょう。

まとめ

車を買取に出すなら、契約書の内容は必ず隅々まで確認しなければなりません。どんなに事前に甘いことをいわれていたとしても、最終的に契約書に記載されている内容が全てであるため、サインしてしまえばその内容に従わなければなりません。 契約書には金銭面の条件だけでなく、法的な権利や責任に関する事項も多く含まれています。場合によっては売主に不利な内容となっていることもあるので、細かいところまでよく確認し、不明点があれば全て質問して疑問を解決しておきましょう。

買取に対して悪質な業者を選んでしまわないか不安があるならば、JADRI・JPUCといった業界団体に加入している業者から売り先を選ぶとよいでしょう。健全で正しい取引となるよう、良い業者を選び、公平な契約を結ぶようにしたいものです。