中古のサンバーをお得に手に入れるには?人気モデルを紹介
大手自動車メーカースバルから発売されているサンバーは、農業や商業の分野で活躍する小型商用車です。1961年の発売当初は、他車種ですら普及してなかった四輪独立懸架を採用していました。
商用車という特性から、荷台への積み下ろしがしやすい設計となっており、軽度のメンテナンスであればリアバンパーを開くだけで簡単に行えます。
ここではサンバーの魅力や特徴を解説し、中古の価格相場やおすすめモデルをご紹介していきます。
サンバーの魅力と特徴
一般的なファミリーカーなどの車種とは異なり、サンバーは主に農業や商業で使用されています。そのため荷台に十分なスペースが確保されており、より多くの荷物を運搬できることが特徴です。
スバル・サンバーは農道のポルシェ
サンバーは農作物の運搬に使用されることが多いため、「農道のポルシェ」という異名を持っています。なぜこのような異名が付いたのかというと、それはサンバーに備えられたサスペンションの形式と搭載されたエンジンにあります。
サンバーが発売された当初は、サスペンションに四輪独立懸架方式を採用した車種が少ないのが現状でした。しかし、サンバーはサスペンションに四輪独立懸架方式を採用したことに加えてRR(リアエンジン)を採用しており、安定した走行を実現できることが魅力です。
このような魅力はスポーツカーの代表的な存在であるポルシェにも採用されており、その魅力に敬意を込めて「農道のポルシェ」と呼ばれるに至っています。
悪路に強く荷物を優しく運べる
一般的な公道に比べると農道はコンクリートで舗装されていないケースもあるため、土道や砂利道といった不安定な道を走行しなければならないシーンも多々あるのが現状です。
四輪独立懸架方式を採用したサンバーは、それぞれのタイヤが独立して駆動するため、路面からの振動を吸収しやすくなっています。そのため不安定な道にも強く、駆動輪にトラクションがきちんとかかるので荷物を運搬する際にも安心です。
唯一過給器付きの軽トラック
競合車種に顧客を奪われなどし、すでに生産が終了してしまった車種は非常に多い中、サンバーは1961年の発売からおよそ60年の長い期間愛されています。
現在では8代目モデルを展開しており、スマートアシストなどの安全性の向上によって、高い品質を誇っています。また、海外では広く普及しているスーパーサージャーですが、日本国内ではほとんど採用されていません。
スーパーサージャーとは、過給機を搭載することで同じ排気量でも高い出力を実現できる仕組みです。サンバーは軽の商用車としては異例のスーパーサージャーを搭載し、パワフルな走行が実現できることが特徴です。
1999年から発売された6代目モデルでは、スーパーサージャーを搭載した唯一の軽トラックとなっています。
7代目以降はダイハツからのOEM供給
1961年の発売当初から現在は8代目まで展開しているサンバーですが、6代目を展開していた2012年にスバルが軽自動車の生産を撤退したのをきっかけにサンバーの生産も終了しています。
7代目以降はスバルの車種として販売され続けたものの、大手自動車メーカーであるダイハツからのOEM供給に変更しています。
サンバーの中古車の価格相場
サンバーは1961年に発売されてから歴史は長く、中古車市場では数多くのモデルが販売されています。ここではサンバーの中古車価格について解説していきます。
サンバーの中古車価格
現在、スバルではトラックタイプではなくバンタイプのサンバーが新車として販売されています。新車は約93~166万円と価格帯は広く、搭載された装備やグレードによって価格が異なります。
中古車では平均価格が63.6万円となっており、25.6万円~194.4万円と車の状態や年式、モデルによってさまざまです。
モデル別の価格の相場
1961年と古い時代から販売されてきたサンバーは、中古車市場に数多く出回っています。また、古いモデルよりも2010年以降の比較的新しいモデルの方が数が多く、平均年式は2014年となっています。
1999年1月以前の初代~5代目サンバー
中古車市場でもほとんど出回っていない古いモデルですが、1999年1月以前の初代~5代目までの場合、平均価格よりも比較的低い価格で販売されています。
この期間のモデルではエンジンに直列4気筒EN07型を搭載している他、以下のような特徴があります。
- スーパーチャージャー車は最高出力55psのEN07Y型
- NA車は最高出力40psのキャブレター仕様のEN07C型(キャブレター仕様)
以下では、この期間に発売されたモデルの中古車価格帯と中古車相場について、中古車販売店別で表に示しています。
中古車価格帯 | 中古車相場 | |
---|---|---|
A社 | 在庫なし | 在庫なし |
B社 | 5.9万円~98万円 | 約55万円 |
C社 | 5.9万円~162.0万円 | 約87万円 |
2012年4月以降の7代目サンバー
2012年4月以降に発売された7代目からは、ダイハツによるOEM供給を受けるモデルとなっています。ダイハツもサンバーに似たハイゼットを販売していますが、外装のエンブレムとフロントグリルのデザインが異なります。
また、装備は運転席SRSエアバッグを全車に採用し、グレードTB以外では寒冷地仕様を全グレードに標準装備しています。
中古車価格帯 | 中古車相場 | |
---|---|---|
A社 | 在庫なし | 在庫なし |
B社 | 27.8万円~165万円 | 約110万円 |
C社 | 25.6万円~194.4万円 | 約122.8万円 |
2014年以降の8代目サンバー
2014年以降に発売された8代目は、トラックのみフルモデルチェンジしています。デザインはダイハツハイゼットトラックをベースとし、エンブレム以外は変わっていません。
軽トラックは穏やかで静かな走行というイメージが強いかもしれませんが、想像以上にパワフルな走行を実現できます。
中古車価格帯 | 中古車相場 | |
---|---|---|
A社 | 在庫なし | 在庫なし |
B社 | 32万円~161万円 | 約113万円 |
C社 | 36万円~194.4万円 | 約133.2万円 |
おすすめの中古サンバーのモデル
サンバーの中古車は数多く販売されていますが、2000年以前の古いモデルよりも比較的年式の新しいモデルの方が取り扱いも多いのが現状です。特に6代目はディアスワゴンが初登場した時期でもあり、トラック・バン・ディアスといった豊富なラインナップで選択肢の幅が豊富です。
6代目ディアス・スーパーチャージャー
ディアス・スーパーチャージャーは、発売当初は約120万円で販売されており、以下のようなさまざまな装備が充実しています。
- エアバッグやABS
- CDオーディオ
- キーレスエントリー
- エアコン など
このようにドライバーに嬉しい装備が搭載されており、1,000台限定の「WR BLUE LIMITED」モデルではオシャレなブラックシートで統一されています。
最高出力 | 駆動方式 | 全長・全幅・全高 | 乗車定員 | 燃費 | 排気量 |
---|---|---|---|---|---|
58ps | RR | 3,395mm 1,475mm 1,900mm | 4名 | 16.6km/L | 658cc |
6代目TCスーパーチャージャー
TCスーパーチャージャーは、1速より低いギアレンシオを持つエクストラ・ロー付き5速の4WDが特徴です。発売当初の価格は約110万円で、ディアス・スーパーチャージャーと同様にエアバックやCDオーディオが標準装備されています。
また、軽トラックというと手動式のウィンドウをイメージしがちですが、パワーウィンドウやキーレスエントリーといった他車種と同様のオートマチックな機能も装備されています。
最高出力 | 駆動方式 | 全長・全幅・全高 | 乗車定員 | 燃費 | 排気量 |
---|---|---|---|---|---|
58ps | 4WD | 3,395mm 1,475mm 1,815mm | 2名 | 14.8km/L | 658cc |
業者別のサンバーの中古車価格
中古のサンバーは非常に多く流通しているものの、同じモデルでも中古車販売店によって価格が異なります。もちろん、価格は車の状態や年式にも左右されやすいですが、よりお得に購入するには複数社で価格を比較することが大切です。
タイプ別
サンバーには数多くのタイプが登場していますが、以下ではその中でも人気タイプを中古車販売店ごとにまとめてみました。
A社 | B社 | C社 | |
---|---|---|---|
スマートアシスト搭載車 | 在庫なし | 約153万円 | 約164万円 |
ディアス | 約41万円 | 約110万円 | 約155万円 |
ネクストキャンパー | 在庫なし | 約194万円 | 在庫なし |
このようにタイプによっては在庫がない中古車販売店もありますが、同じタイプでも100万円程度差があるものもあるため、走行距離や車の状態をきちんと確認した上で購入するようにしましょう。
年式別
サンバーは1961年から実に60年もの歴史のある車種ですが、一般的な中古車と同様に年式が新しいほど中古車価格も高い傾向にあります。あまり古い年式の場合は中古車販売店に在庫のないケースも考えられるため、以下の表では2010年と2018年で価格を比較しています。
A社 | B社 | C社 | |
---|---|---|---|
2010年 | 在庫なし | 約96万円 | 約96万円 |
2018年 | 在庫なし | 約157万円 | 約161万円 |
このように2010年式では約96万円と100万円を切る価格で販売されていますが、2018年と年式が新しい場合は150万円を超える価格設定で販売されていることがわかります。
走行距離別
中古車市場では走行距離が価格に大きく影響し、走行距離が多いほど価格は低くなる傾向にあります。また、車の寿命は一般的に走行距離が10万kmを超えると寿命だと考えられていることから、走行距離が短いほど価格は高めの傾向にあります。
A社 | B社 | C社 | |
---|---|---|---|
~5万km | 約41万円 | 約91万円 | 約91万円 |
10万km~ | 在庫なし | 約85万円 | 約78万円 |
このように走行距離が10万kmを超える場合、約82万円の価格設定で販売されていることがわかります。その一方で走行距離が5万km以内の場合、中古車販売店によって価格差があるものの、約112万円程度が相場となっています。
サンバーを購入する際の注意点
一般的に中古車を購入する際には、安全な走行を続けるために修復歴をきちんと確認することが求められます。サンバーの場合、以下のような点に注意してから購入するようにしましょう。
バッテリーあがりに注意
サンバーを購入する際には、プーリーの空回りによるバッテリーあがりがないか確認するようにしましょう。プーリーとはベルトからの動力をシャフトに伝えるための部品のことで、ベルトの形状によってさまざまなタイプが存在しています。
プーリーの空回りでバッテリーあがりが起こることが原因で、過去にリコール対象車となっているケースがあるので注意が必要です。
エアコンの故障に注意
近年は夏になると35度を超える暑い日が続くなど、異常気象が深刻化しています。このような季節にエアコンが故障していると、致命的と言っても過言ではありません。
2005年5月~2006年12月の期間に生産されたサンバーは、マグネットクラッチの問題でエアコンが使用できないといった不具合が発生し、リコール対象車となっています。
この時期に生産されたサンバーを購入する際には、リコール後に修繕されていることを確認するようにしましょう。
現在の車から買い替える場合には
これまでに車を所有しておらず今回新たに購入する人がいる一方で、現在所有している車から買い替える人が多い傾向にあります。買い替えの場合、できるだけ高値で売却することで新たな車の購入資金にあてられます。
今乗っている車を買取に出して元手にする
車を買い替える際に、新たな車をディーラーで購入する場合は現在の車を下取りしてもらうのが一般的です。しかし、ディーラーの下取り価格は買取専門業者よりも安い傾向にあるため、ディーラーや買取業者を含めた複数社に査定を依頼することをおすすめします。
なお、年式や走行距離によって査定額は異なるため、車の状態を十分に確認してから査定を依頼するようにしましょう。
中古のサンバーをお得に購入しよう
近年のサンバーは、エアバックやCDオーディオといった一般的な自動車と同様の機能が装備されています。また、人気モデルや状態のよいサンバーは中古車でも100万円を超える価格で販売されているのが現状です。
限定モデルは特別なシートが取り付けられているなど、オシャレなモデルも多いため、自分好みのサンバーを見つけてお得に購入しましょう。