廃車したときの自動車保険の手続きを解説!

廃車する場合、関連する契約は解除しておかなければなりません。主なものでいうと、自賠責保険や任意保険(自動車保険)などの保険があるでしょう。それぞれ解約にはどういった手続きが必要なのか、注意事項も含め説明します。

自動車の廃車を検討しているんだけど、保険の解約と同時並行で廃車の買取査定も早めに依頼しておいた方がいいよね。
そうだね。廃車買取業者は人気のある会社だと依頼してから引取りまでに一週間や二週間程度かかるケースがあるから早めの相談がおすすめだよ。

廃車した時、自賠責保険は

自賠責保険は、正式名称を「自動車損害賠償責任保険」といいます。自動車登録の際に加入が義務付けられる強制保険です。自賠責保険がカバーするのは対人賠償で、補償額は死亡・高度障害は被害者1人につき最大3,000万円、傷害は1人につき最大120万円になります。 加害者が任意保険に加入していないなどで支払い能力がない場合、被害者が最低限の賠償を受けられる権利を保証した保険です。廃車した場合、この自賠責保険を解約することになります。

自賠責保険の解約方法

自賠責保険の解約は、契約している保険会社で行います。解約時に必要な書類が、本人確認の書類、自賠責保険証明書、廃車したことが確認できる書類の3点です。本人確認書類(運転免許証などの身分証明書)や自賠責保険証明書は保管しているものを用意するだけですので、特に問題はないでしょう。 注意したいのは、廃車の確認ができる書類です。廃車が確認できるものとしては、登録事項等証明書、一時抹消登録証明書、解除事由証明書などがあります。いずれも、運輸支局などで交付される書類です。解約する場合は、手元の書類とは別に、運輸支局などで必要な書類を揃えておく必要があります。

自賠責保険の還付

自賠責保険の期間が残り1ヶ月を切っていない場合は、解約によって自賠責保険の還付を受けることができます。 新車でない普通自動車の車検は2年に1回。自賠責保険も車検に合わせて一括で払うことになりますから、2年先払いした保険料のうち、経過していない部分について月割りで還付を受けられます。

車の入れ替えはできる?

廃車をする際は、自賠責保険を解約するのが基本です。しかし、中には自賠責保険を支払って間もなく、車を買い替えるケースもあるのではないでしょうか。ここで気になるのが、自賠責保険の期間が残っているとき、新しい車に切り替えられるのかどうかです。 結論からいえば可能ですが、入れ替えにはいくつか条件があります。普通車や自家用などの車両区分が同じで名義が同一、廃車が完了していることです。さらに、入れ替える車に自賠責保険が掛かっていないこと、車検の有効期限よりも入れ替える自賠責保険の期間が長いことが条件になります。 こうした条件をすべて満たすことは現実的に難しいこともあり、廃車をする場合は、自賠責保険を入れ替えるのではなく解約するのが一般的です。

自賠責保険の解約で注意したいこと

自賠責保険は、運輸支局で交付してもらう解約が証明できる書類が必要なことからも分かるように、完全に廃車していることが確認できないと解約できません。二度手間になってしまうので、廃車が完了してから手続きを行いましょう。 また、自賠責保険の解約は、廃車日ではなく、解約申請を行った日が基準です。還付も解約申請日が基準になりますので、還付金で損をしないためにも、廃車が済んだらすみやかに手続きを済ませることをおすすめします。

廃車した時、任意保険は

任意の自動車保険は、自賠責保険と違って、強制的に加入しなければならないものではありません。自賠責保険でカバーできない賠償額を補うためのもので、対象は対人だけでなく、対物や運転者本人、搭乗者、自身の車にまで及びます。 契約時には対象の範囲、補償額も個別に選択することが可能です。廃車する場合は、任意保険も解約することになります。解約方法は自賠責保険と同様。契約している保険会社で行いますが、必要な書類は保険会社によって異なります。 任意保険は、個人が自由に契約や解約ができるものですから、基本的に廃車の事実が分かるような書類は必要ありません。保険会社により扱いは異なりますが、一括払いなどを選択している場合は返金を受けられる可能性もあります。

先付け解約とは

任意保険は、廃車の確認を厳密に行う必要のない保険です。そのため、先付け解約といって、事前に連絡しておくことで、指定日に保険を解約できます。廃車に合わせた保険の解約が難しい場合、廃車日まで少し期間があって忘れてしまいそうな場合に便利です。

車両の入れ替え

廃車後すぐに新しい車に乗り換える場合は、任意保険を解約せずに車両のみ入れ替える方法もあります。軽自動車から普通自動車など区分が変わる場合は追加で保険料が発生する可能性がありますが、契約内容や割引内容、等級を新しい車の契約に引き継ぐことが可能です。 保険会社によって対応が異なるため、車を入れ替えたい場合は、一度確認されると良いでしょう。

中断証明書

任意保険は、自賠責保険と違って、1~20のノンフリート等級があります。等級が上がるほど保険料の割引率が高くなり、1年間無事故だと等級が1段階上がるしくみです。基本的に、任意保険を新しく契約する場合は、6等級からになります。 ここで問題なのが、任意保険を完全に解約してしまった場合。乗り換える車が決まっていれば任意保険は入れ替えできますが、廃車後に車を購入する予定がない場合は、入れ替えできません。完全に解約となってしまい、いくら前の契約で等級が高くても、新規に契約する際は6等級からになってしまいます。 そうした契約者の不利益を軽減できるのが、中断証明書です。解約から一定期間内で、等級が7等級以上あれば中断証明書の発行を依頼できます。 廃車後すぐに車を購入する予定がなくても、将来的に購入する予定があれば、中断証明書を取得しておくと安心です。取得しておけば、最長で10年間、等級を据え置くことができます。ただし海外赴任など、特殊なケースでの中断は取扱いが異なることがありますので、契約している保険会社で確認しましょう。

任意保険の解約で注意したいこと

任意保険は、契約者の意志でいつでも解約できるため、廃車の有無にかかわらず解約することが可能です。廃車まで車を運転することがないのであれば、早めに解約してしまっても問題ないでしょう。 しかし、業者に引き取ってもらう際に自分で運転するなど、少しでも公道を走る可能性があるなら、業者引き取り時まで保険の契約が切れないようにしておくことをおすすめします。 早めに解約すると解約後は当然ながら補償がありません。事故が発生すれば自賠責保険でカバーできない部分は自己負担となってしまいます。

自賠責保険は廃車買取業者で解約代行ができる

廃車の処分を検討している方は、廃車買取業者の利用がおすすめです。自賠責保険の解約では、運輸支局などでの登録事項等証明書の取り寄せ、保険会社での手続きが必要だと説明しましたが、これらの手続きを代行してくれる業者も一部あります。 解約代行を依頼すれば、運輸支局などに足を運ぶ必要がありません。仕事の都合などでなかなか動けない場合は、代行を利用した方がスムーズに解約できるでしょう。 また、代行であれば手続きを忘れて還付金を減らす心配もありません。任意保険とは異なり廃車後の手続きとなりますので、解約を忘れてしまいそうな場合は、代行を利用した方が安心です。手間がかかる自賠責保険の解約手続きは、廃車買取業者に一括して依頼するのはいかがでしょう。

車検が長く残っているから自賠責保険を解約して還付を受けたいけど、結構手間とかがかかるんだね。廃車買取り業者に依頼すると手数料は取られるのかな?
廃車買取業者の中には自賠責保険の還付分も、車両買取額と一緒に支払ってくれる業者があるよ。手数料なども取られないしその方が断然お得だよね。

まとめ

廃車のタイミングで、自賠責保険、任意保険の解約が必要です。いずれも保険会社で解約手続きを行いますが、廃車の証明が必要な自賠責保険の解約手続きは少々手間がかかります。廃車をするなら、自賠責保険の代行サービスもある専業業者の利用がおすすめです。 こちらでは人気の廃車買取業者がランキング形式で比較できるので、廃車検討時の参考にしてみてください。