車のリサイクル料金はいくらかかる?リサイクル券とは

車の廃車を依頼した時に売却先から『車のリサイクル料金の支払いは済んでいますか?』と聞かれることがあります。リサイクル料金という聞き覚えのない単語と、支払った記憶がないため今後請求されるのでは?と不安になります。

リサイクル料金に関わる4つの疑問にお答えします。

リサイクル料金とは何か

リサイクル料金とは何でしょうか。リサイクル料金とは平成17年1月1日から施行された『自動車リサイクル法』によって定められた、廃車する車のリサイクルまたは適正に廃棄処分するために必要な費用のことです。
リサイクル料金は新車購入時に、車の所有者が前もって支払うことになっています。リサイクル料金は事前に支払い預けておき、廃車する際に使用されるため『リサイクル預託(預ける)金』と言われています。

自動車リサイクル法の対象となる車両は【被けん引車、二輪車、大型特殊自動車、小型特殊自動車、スノーモービル】などを除いたすべての自動車です。なお、自動車リサイクル法が施行された平成17年より以前に販売された自動車も、自動車リサイクル法の対象となります。

リサイクル券とは何か

では、廃車の際に所持しているか聞かれる『リサイクル券』とは何でしょうか。リサイクル券は、新車購入時にリサイクル料金を支払うことで販売店から受け取れる、リサイクル料金が預託されていることを証明する公的な書面です。
リサイクル券は、A券【預託証明書(リサイクル券)】、B券【使用済自動車引取証明書】、C券【資金管理料金受領証】、D券【料金通知書兼発行者控】と記載されており、薄グリーン色の用紙になります。B券に記載された情報は、廃車する際に必要となりますので大切に保管してください。

リサイクル料金はいくらぐらいかかるの

リサイクル料金はいくらぐらいかかるのでしょうか。
車の初期費用を考えると、高額にかかるのでは?と思われるかもしれません。
リサイクル料金は、車一台ごとに異なる金額が設定されています。

車のリサイクル料金は自動車メーカー・輸入業者が設定

車のリサイクル料金は自動車のメーカー・輸入業者が設定しています。
車一台ごとにシュレッダーダスト(廃車時に出るガラ)、フロン類、エアバッグ類の3品目のリサイクルと適正な廃棄処分に必要な費用を設定しているため、車種によってリサイクル料金が異なります。
自動車メーカーは、シュレッダーダストの発生量の見込み、フロンガス類の充填量がどのくらいあるか、エアバッグの個数、そのエアバッグの処理の難易度を踏まえて設定しています。

車のリサイクル料金の目安

リサイクル料金の目安は、普通自動車は10,000円~18,000円位、軽自動車・小型自動車は7,000円~16,000円位になります。
自動車メーカー・輸入業者が設定した価格を公表していますので、知りたい方は各社のホームページまたはお問い合わせ窓口より、ご確認いただくことが可能です。

リサイクル料金を支払う理由

では、なぜリサイクル料金を自動車の所有者は支払わないといけないのでしょうか。リサイクル料金は、廃車する際の最終所有者に支払い義務があります。
廃車時の車の所有者がリサイクル料金を支払っていなければ、廃車処理することができません。

リサイクル料金を支払うことで行われる適正な処理

所有者がリサイクル料金を支払うことで、廃車業者はシュレッダーダスト、フロン類、エアバッグの適正な処理とリサイクルができるようになりました。では、この3品目はどのように処理をされているのでしょうか。

シュレッダーダストは廃棄処理の最後に残る廃棄物のことで、最終的には埋立処分を行っていますが、地中に溶け出さないように処理をしないと土壌汚染や環境汚染が起こると言われています。フロンガスは大気中に排出されることで、大気汚染や地球温暖化に悪影響を及ばすと知られています。現在は処理を行うことで、ガスを気化させて熱エネルギーに返還し再利用を行っています。
エアバッグは爆発物としての処理が必要で、暴発しないように一度作動させてから取り外し、処分を行っています。
3品目の処理は負担が大きく、リサイクル法が施行される前は不法投棄や不法な廃棄処理を行う業者がいたため、大きな社会問題になっていました。この問題を解決するためにリサイクル法が定められ、車を廃棄する際の費用は所有者が負担する形になりました。

リサイクル料金を支払う義務は車の最終所有者

リサイクル料金は新車購入時に支払いますが、支払い義務は廃棄する際の車の所有者(最終所有者)となります。
中古車として車を売却した場合は所有者が変わりますので、その場合は新しい所有者が売却した元の所有者へリサイクル料金を支払います。

リサイクル券を紛失している場合の対処法

車を廃車する際にリサイクル券が見つからなければ、廃車はできないのでしょうか。

リサイクル券は、リサイクル料金を預託済みであることを証明する公的な書面です。車の廃車業者に依頼をすると、リサイクル券の所有を必ず確認されます。ただし、リサイクル券が見つからなくても車の廃棄をすることは可能です。

リサイクル券の代わりになる書類

リサイクル料金は新車購入時に支払ったはずだが、その時発行されたリサイクル券を失くしてしまった等、お手元にリサイクル券がない場合は【自動車リサイクルシステム】のWEBサイトで、【自動車リサイクル料金の預託状況】というページを印刷していただくことで、リサイクル券と同等の証明ができるようになります。このリサイクル券の代用となる【自動車リサイクル料金の預託状況】ページへの行き方は、リサイクル券ページ記載の【リサイクル券を紛失した場合】をご覧ください。

車のリサイクル料金とリサイクル券についてのまとめ

廃車時にかかるリサイクル料金は、車の廃棄をする時点の所有者に支払い義務があります。それは車を所有している人の責務であり、車のリサイクルと廃棄処理を適正に行うことが地球環境保全へとつながります。