車を相続して廃車にするまでの流れは?どんな書類が必要?

家族が亡くなって車を相続しても、すでに自分の車を保有していたり、満足に乗れない車だったりすると不要かもしれません。もし廃車するとしたら、どんな書類が必要で、どのように手続きすればいいのでしょうか。流れを紹介します。

おじいちゃんの車を処分しようと思ってるんだけど、相続手続きが必要で何をしていいのか分からないの。費用も結構高いんだよね?
自動車の売却や廃車の場合、相続がある廃車手続きも無料で行ってくれる専門業者がいるよ。

所有者が死亡していて廃車予定でも相続が必要

廃車するときは、所有者が運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)に出向いて、手続きをするのが原則です。必要書類の中には所有者の実印や印鑑証明が含まれています(軽自動車は除く)。ただし委任状を作成すれば、業者に廃車を依頼することが可能です。
車の所有者が亡くなった場合は、誰が車を相続するのか確定させなければいけません。これは普通車でも軽自動車でも同じです。その上で自分で廃車にするなら、後述する一部の例外を除いて先に名義変更を行い、業者に依頼するなら委任状を作成します。
相続の期限は、相続税を納めなければいけないのであれば、相続が発生したとき(通常は被相続人が死亡した日)の翌日から10ヶ月以内です。相続が確定したら税務署へ申告する決まりになっています。ただし、相続税は「3,000万円+法定相続人の数×600万円」が控除されるので、相続財産がその範囲で収まるなら、相続税を納める必要はなく税務署への申告も不要です(2020年1月現在)。だからといって先延ばしにすると、無駄に自動車税を納めなければならず、車検が切れる恐れもあります。できるだけ速やかに相続を確定し、廃車の手続きをするのが望ましいでしょう。

所有者死亡での廃車手続きの方法

相続人が決まったら、15日以内に運輸支局や軽自動車検査協会で名義変更や廃車の手続きを行います。相続人が決まっていなくても、廃車の方法によっては、法定相続人の同意を得られれば、誰か一人が代表して手続きを行うことが可能です。
用意する書類や手続きの流れは普通車と軽自動車、自分で行う場合と業者に依頼する場合で異なります。まずは自分で行うときの方法を見てみましょう。
最初に車を解体業者まで運び、解体してもらいます。車が自走できなければレッカー車や積載車の手配が必要です。終わったらナンバープレートを受け取り、解体証明書を発行してもらうか、「移動報告番号」や「解体報告記録した日」をメモしておきましょう。
次に普通車であれば運輸支局、軽自動車であれば軽自動車検査協会へ出向き、手続きを行います。

軽自動車の場合

軽自動車の場合、用意するのは先ほどのナンバープレートと解体の情報、車検証の原本、相続人の印鑑(認印でも可)、住民票の写しです。
本来なら旧所有者の印鑑が必要ですが、相続人との関係が分かり、亡くなっていることを証明できる戸籍謄本(または戸籍全部事項証明書)があれば手続きは可能です。先に名義変更を行い、次に解体返納を行って廃車にします。

普通車の場合

一方、普通車は先ほどのナンバープレートと解体の情報、車検証の原本、戸籍謄本(または戸籍全部事項証明書)に加えて、相続人の実印と印鑑証明書が必要です。名義変更は行わず、永久抹消登録だけで廃車にできます。もし、廃車が永久抹消登録ではなく、一時抹消登録であれば、遺産分割協議書(車の価値が100万円以下なら「遺産分割協議成立申立書」)が必要です。誰が相続するのか確定していない場合は、代わりに法定相続人全員の実印と印鑑証明書を求められます。法定相続人が運輸支局に出向けないときは、委任状を作成してもらいましょう。
廃車にするまで一時的に利用するのであれば、先に名義変更しなければならず、手続きは複雑になります。必要書類に車庫証明と、ほかの法定相続人の譲渡証明書が増えるからです。相続が遺言や裁判によって決定した場合も、それぞれ関連書類が必要になります。あらかじめ運輸支局に問い合わせたほうが二度手間にならなくて済むでしょう。

所有者がローン会社の場合

なお、車をローンで購入していると、所有者の名義がローン会社やディーラーになっている場合があります。「所有権留保」といって、返済できなかったときの担保にするため、車の所有権をローン会社やディーラーが保有している状態です。
亡くなった人が利用していた車でも、所有者でなければ遺産には含まれません。相続とは関係なく、誰かが代表となって所有権留保を解除し、名義変更してから廃車するという流れです。所有権留保を解除するには、ローンの残額を完済して、所有者に手続きを依頼します。提出しなければいけない書類は、相手先によって異なるため、あらかじめ問い合わせたほうが無難です。
一般的にはローンの完済証明書、所有権解除依頼書(または委任状)、印鑑証明書、車検証や納税証明書のコピーなどを求められます。亡くなった人の住民票の除票や戸籍謄本も必要になるかもしれません。手続きが終わると、先方からは名義変更に必要な委任状や譲渡証明書、そこに押印された印鑑(実印や社印など)の証明書が送られてきます。軽自動車の場合は、押印された自動車検査証記入申請書か申請依頼書です。これらを持参して運輸支局や軽自動車検査協会で名義変更を行います。

所有者が亡くなった車を解体をすると決まっている場合

軽自動車検査協会では、先述のとおり名義変更の後で解体返納になりますが、運輸支局では名義変更と永久抹消登録を同時にできる「移転抹消」が可能です。

いずれのケースも廃車が完了すると、残月数に応じて自動車税(軽自動車は除く)、自動車重量税(一時抹消登録は除く)、自賠責保険料が還付されます。相続人が決まっていれば、すべて受け取れますが、そうでなければ法定相続の割合に応じて還付する手続きが必要になる場合もあるので注意しましょう。

廃車の専門家に相談しよう

ここまで紹介したとおり、相続した車を廃車にするのは大変です。手間がかかるだけでなく、費用もかかります。例えば解体するのに1~3万円、車が動かなければ解体業者へ運ぶのに1~2万円、前もってリサイクル料金を支払っていなければ7千円~2万円くらいです。さらに、運輸支局や軽自動車検査協会は平日の日中しか開いていません。行政書士に手続きの代行を頼むとなれば1~3万円ほどかかります。

そこで利用したいのが廃車買取業者です。ほとんどの廃車買取業者が無料で車を引き取り、手続きを代行してくれます。車のコンディションによっては買値がつくかもしれません。所有者が亡くなっている場合でも、必要な書類を用意すれば依頼できます。
例えば、名義変更せずに永久抹消登録するなら、委任状を追加するだけです。所有権留保を解除するときも、あらかじめ廃車買取業者に譲渡する旨を伝えておけば、所有者がそのように書類を作成してくれます。他のケースでも「譲渡証明書」を追加して、相続人から廃車買取業者へ譲渡したことが確認できれば、手続きが可能です。ただし、遺産を第三者へ譲渡するため、遺産分割協議書にその旨を記載しなければいけません。

廃車に買値がつくのであれば、廃車買取業者は永久抹消登録ではなく一時抹消登録をして、その後に解体届を提出するのが一般的です。その間に自動車税が発生するのでは?と思われるかもしれませんが、一時抹消登録の時点で自動車税の請求は止まるので、心配は不要です。ただし、自動車重量税の還付は解体届を提出した後になります。

相続が必要な廃車手続きに必要な書類などを詳しく聞いてから検討したいんだけど問合せだけでも対応してくれるのかな?
相続が必要な廃車手続きは書類が複雑だから専門業者に聞いてみると良いよ。問合せは無料で対応してくれるよ。

まとめ

亡くなった人の車を廃車にするときは、誰が相続するか決めた上で、先に名義変更を行うのが原則です。ただし、永久抹消登録のように、名義変更しなくてもできる手続きもあります。廃車は手間や費用がかかりますから、廃車買取業者に依頼するのが便利でお得です。
同じ廃車買取業者でも、それぞれに特色や強みがあります。それらを比較するなら、廃車買取業者ランキングページが参考になるでしょう。

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