車検の手続きは休みの日に行うという人がほとんどですが、土日にしか休みがない人にとって、依頼する業者が土日に対応できるかは大きな判断材料です。
車検は平日しかできないという声もある中、土日に車検を行うにはどのようなものがあるのでしょうか。
車検を土日に行うには
平日に車検を行えないユーザーのために、土日も車検を行う業者は多く存在しています。
土日に車検を依頼したいユーザーは、どんな業者に依頼すれば良いのでしょうか。
指定工場は土日対応可能
車検を代行する業者のうち「指定工場」の資格を持つ業者の多くは、土日に車検を通すことができる業者です。指定工場とは、陸運局から車検の点検業務代行を認められている業者。
工場内に車検のためのラインを持っており、車を陸運局に運ぶことなく車検の点検作業を工場内で完結することができます。
指定工場は次の業者が持っています。
- カーディーラー
自動車メーカーと特約を結ぶ販売店であるカーディーラーの多くには、指定工場としての設備が整った整備場が併設されています。
カーディーラーはそのメーカーの車に対する知識は随一。どの業者よりも深い知識で綿密な整備点検を行ってくれ、車を安全な状態に保ってくれます。
ただし整備の工賃や交換に使用するパーツの価格は高額。
また必ずしも車検に必要のない整備を行うことも。他の業者と比較し、車検時に支払う費用が最も高額となる傾向にあります。
- 指定工場の認定を受けた自動車整備工場
自動車整備工場の中には、整備点検・車検業務代行を認められた「認証工場」があり、その中で車検ラインを持つことを認められた工場が「指定工場」と呼ばれます。
キャリアが長く腕利きの整備士がいる工場は人気があり、整備の品質も確かです。
車検時に交換するパーツは再利用品である「リビルド品」を使うため、ディーラーよりも安価に済ませることができます。
しかし作業の品質は在籍する整備士の腕に依存するため、工場ごとの品質のばらつきが激しい傾向があります。
また近年進化が著しいコンピューター制御によるシステムの整備は不得意とされており、最新の高級車は断られてしまうこともあるでしょう。
- カー用品店
各種カー用品を扱うカー用品店も土日車検が可能。
「1日車検」や「30分車検」といった短時間の車検対応を売りにする業者も多く、忙しいユーザーからは人気の車検業者です。
消耗品の交換は店舗で販売している商品を利用できるため、費用を安く抑えられるのが売り。
ただしあまり手の込んだ整備には対応できないことも多く、車の状態によっては整備工場に対応を任せることもあります。
自分の愛車の状態を気軽に相談したい場合は、こういった専門業者に見積もりを依頼してみてはいかがでしょうか。
- 車検代行専門業者
車検代行を専門とするフランチャイズの業者です。スピード車検、安価車検を売りとしており、とにかく安く早く車検を通したいユーザーから人気を集めています。
ただしカー用品店と同じく、大規模な修理やパーツ交換を伴う車検には対応できないため、車検の前にあらかじめ、整備工場やディーラーで定期点検を済ませておくと良いでしょう。
陸運局は平日のみ営業
車検のラインを持たない認証工場での車検、ユーザーが自分で車検を行うユーザー車検は陸運局(運輸支局)の車検場を利用して車検を通します。しかし陸運局の車検場は平日のみ営業しており、土日に車検を通すことはできません。
そのためユーザー車検を行う場合は必ず平日に陸運局を訪れ、各手続きを行わなければなりません。
なお、ガソリンスタンドや車検ラインを持たないカー用品店などに車検を依頼する場合、土日に車検を行うことはできませんが、受付だけはしてくれることがほとんどです。
翌週の土日まで車を預けっぱなしでも、生活や仕事に支障がないユーザーは、安く代行してくれるガソリンスタンドなどを利用するのも良いでしょう。
車検証の有効期限
車検の会場となる陸運局は土日に営業していませんが、車検証に記載された車検の満了日が土日に当たっている場合、救済措置のようなものはあるのでしょうか。
有効期限に土日は関係無し
残念ながら、有効期限は前回車検を行ったタイミングから自動的に決められるため、満了日が土日であるかは考慮されていません。
そのため陸運局の車検場に車を持ち込まないとならない業者に依頼する場合、満了日間際に依頼しても車検を通すことができない場合があります。
もし有効期限が切れたら
ちょうど満了日が土日に当たっていることを忘れてしまい、有効期限内に車検を受けることができなかったとしても、再び車検を受ける方法はあります。
車検が切れてしまうと、公道を走ることができなくなるため車検場まで行くことができなくなります。その場合「仮ナンバー」を入手することで、一時的に公道を走ることが許されます。
仮ナンバーは市区町村の役場への申請で入手できます。
仮ナンバーの有効期日は入手日を含めて5日間のみであり、期限が切れたらすぐに返却しなければなりません。仮ナンバーを入手出来たら、すぐに車検の手続きに移りましょう。
自分で仮ナンバーを取ることが難しいなら、全て業者に依頼してしまうのも良いでしょう。出張・訪問対応してくれる車検業者もおり、仮ナンバーの取得・返却も含めて車検を代行してくれます。
その分費用は通常の車検よりもかかりますが、再び愛車で公道を走るため、確実に車検を通す方法を選択するのが良いでしょう。
土日車検の注意点
土日にも車検に対応してくれる業者は多く存在しますが、土日の依頼だからこそ注意しなければいけない点もあります。
混雑しやすい
日本統計協会2008『社会生活基本調査報告 平成18年第1巻』によれば、有業者の曜日別仕事の行動者率は平日は86.5%、土曜日は55.7%、日曜日は34.0%とされ、仕事を持つ人の9割近くは平日に働いていることがわかります。
土日は平日に比べれば仕事の行動者率が低く、それだけ休みの人が多いため、土日に車検を通そうと考える人も増加。そのため土日は非常に混雑し、予約なしで業者を尋ねても車検を行えないこともしばしばです。
業者側も土日に混雑することがわかっているため、早期予約割引といったサービスを実施し、早い時期に予約するようユーザーに呼びかけています。
整備工場は土日休みが多い
指定工場としての施設は持っている整備工場でも、土日を休業日としている業者も多く存在します。指定工場の看板を掲げているからすぐに対応してくれるだろうと土日に尋ねても、営業していないので対応はしてもらえません。
もし近所の整備工場に依頼する予定があるなら、早めに営業日を確認しておきましょう。
ユーザー車検には対応できない
業者を通さずに自分で車検を行う「ユーザー車検」。
インターネット上に詳細な手順が公開されていることもあり、近年では多くのユーザーが自分の手で行う車検に挑戦しています。
このユーザー車検は陸運局にある車検場で行う必要がありますが、車検場は平日のみ営業しているため、土日に車検を行うことはできません。
指定工場としての機能を持つ土日営業の施設を借りてユーザー車検を行うことはできませんので、ユーザー車検は必ず平日に行わなければなりません。
土日でも対応している車検店舗をお探しの際は、ぜひこちらをご利用ください。
まとめ
土日に車検を通すには、指定工場の施設を持つディーラー、整備工場、カー用品店などの業者で対応ができます。
しかし土日は車検が非常に混みあうため、車検の満了日が近づいてから店舗を訪ねても、その場で車検を受けられないこともあります。
業者の中には早期予約で割引を行うところもあるため、間際まで待って車検切れとならないように、早いうちから車検の手配をし、休日に忘れずに車検を通せるようにしましょう。