前回の車検の満了日1か月前から、受けることができる車検。
この短い期間中に車検のための予定を組むのを忘れてしまう人も少なくありません。
次の休日に車検に行かないと有効期間が切れてしまうような場合、当日に申し込んでも車検を通してもらえるのでしょうか。
今回は車検の当日申し込みの方法・特徴について、メリット・デメリットも交えながらご紹介します。
車検の当日申込とは
車検は通常数日~数週間前から予約を取ることが一般的ですが、当日申し込みに対応できる業者もあります。
車検は当日申込OK
車検の当日申し込みは、全ての業者が100%請けてくれるとは限りませんが、対応してくれる業者も多くあります。
当日車検に対応してくれる業者は、業者が持つ工場が「指定工場」としての機能を持つところです。自店舗だけで点検・整備・車検作業を全て行えるため、ラインの予定さえ空いていれば、当日の申し込みにも対応してくれます。
指定工場としての機能を持つ業者は
- ディーラー
- 指定工場の資格を持つ整備工場
- カー用品店
- 車検代行専門業者
が挙げられます。
当日車検の申し込み手順
いざ当日車検に申し込みをする場合、どのような手順で行えば良いのでしょうか。
業者に連絡し空き状況を確認
最初に行うのは、依頼したい業者のラインの空き状況確認です。
即日・当日対応してくれる業者でも、すでにその日に予約がいっぱいでは対応できません。
カー用品店、車検専門業者はインターネット上から予約できるシステムを持つところが多いため、インターネット上から予約状況を確認し、空いていれば予約を取りましょう。
なお、全ての業者・店舗が予約システムを導入しているとは切らず、またシステムを導入していても当日の予約に対応していない場合もあるため、電話での確認も同時に行うと良いでしょう。
整備工場やディーラーなど、予約のシステムを持たない業者も多くあります。これらには直接電話で問い合わせ、予約に空きがあるかの確認をしましょう。
お近くの車検対応店舗の検索には、こちらが便利です。
業者まで車を持ち込む
予約が取れたら、その業者まで車を持ち込みましょう。
車検の予約はシーズンによっては隙間なく埋まっていることもあるため、指定された時間に遅れないようにしなければなりません。
指定された時間から大幅に遅れた場合には、キャンセル扱いとされてしまうこともありますので、時間厳守には注意しましょう。
車検の申し込み
業者に到着したら、正式に車検の申し込みです。車検の申し込みに必要なものは以下の4点です。
- 車検証
- 自動車税納税証明書
- 自賠責保険証明書
- 印鑑
車検終了から車検証の受け取りまで
順調に車検をパスしても、当日に車検証を受け取ることはできません。
後日業者から更新された車検証が郵送などで送られてきますので、それまでは一時的に発行される仮車検証を車に載せて公道を走りましょう。
ユーザー車検も当日申込可能
自分で車検を行う「ユーザー車検」も当日対応が可能です。
ユーザー車検は陸運局の車検場に車を持ち込んで車検を行いますが、車検場はインターネット上からアクセスできる予約システムにより、予約が管理されています。
そのためいきなり行っても車検は受けられませんので、まずは予約を取りましょう。
ユーザー車検に必要な書類は以下の8点です。
- 車検証
- 自賠責保険証明書
- 自動車税納税証明書
- 認印
- 継続検査申請書
- 自動車重量税納付書
- 自動車検査票
- 点検整備記録簿
当日車検のメリット
当日思い立ったらすぐに受けられる当日車検。
通常の手順を踏む車検にはない、大きなメリットがいくつか存在します。
申込から完了までのスピードが早い
当日車検のメリットは何より申し込みから完了までのスピードです。
当日の朝に予約を確認、申込みから車検を実施、完了まで当日に完了することがほとんどです。
車検のために何日も時間を取れないという忙しいユーザーにとっては、短いステップで車検が完了するのは非常にありがたいでしょう。
代車が要らない
近年では車検対応のスピードは高速化する傾向にありますが、ディーラーや民間の整備工場などでは数日間車を預けっぱなしになるケースも多くあります。
日常的に車を利用するユーザーにとっては、仮に代車を貸してもらえるとしても、慣れない車に乗り続けるのは避けたいもの。出来ればすぐにでも返して欲しいと思うのが当然でしょう。
当日車検に対応してくれる業者の多くは「1日車検」「30分車検」というようなスピードを売りにする業者が多く、当日車検であってもそのスピードは変わりません。
予約を取って車検を依頼し、ショップの休憩所で雑誌でも読んでいればもう終わってしまうほどのスピード対応。もちろん代車を借りる必要もなく、愛車にそのまま乗って帰れます。
当日車検のデメリット
スピード対応が期待できるメリットも大きい当日車検ですが、反対に通常の車検では起こらないようなデメリットもいくつか存在します。
整備点検の品質が下がる場合がある
車検は当日に申し込んでも事前に予約をとっても、本来整備・点検する項目に違いはありません。しかし急に入ってきた仕事に対し、急いで整備・点検を行うために、数日かけてじっくり見る通常の車検に比べて、簡単に終わらせてしまう傾向があります。
スピードを重視するあまり、見逃しが起きる可能性を高めてしまう危険性があることは理解しなければなりません。
値段交渉する時間がない
当日車検を利用するユーザーは、当日に急遽申し込むくらいなので、すぐにでも車検に通さないといけない事情を持つことが多いでしょう。そのため、複数の業者を比較することも難しく、また出された見積もりに対して交渉を行う時間もありません。
いわば業者の言い値で依頼せざるを得ない状態。不要な整備を外す、作業費用を値下げするといった交渉をする時間はなく、通常の車検に対して割高で依頼することになるケースが多くあります。
当日中に終わらないこともある
車検は、その車が法で定められた保安基準に合格しているかを確認するための手続きです。
そのため車に何らかのトラブルがある、保安基準を満たさない改造を行っているなど、何らかの事情で車検に合格しないことがあります。
車検に合格しない車は整備を行う必要がありますが、当日車検を受ける業者では対応できない整備の場合、整備工場やディーラーに再依頼しなければなりません。整備工場やディーラーへの再依頼に時間がかかり、整備に数日取られることも。
さらに当日申し込んだ場合には、すでに代車も全て貸し出しされていることもあるため、数日間、車無しで生活をしなければならないこともあるでしょう。
そもそも請けてもらえないことも多い
当日車検は指定工場としての設備を持つ業者に依頼することができますが、全ての業者が請けてくれるわけではありません。
多くのディーラーは当日車検には対応せず、事前に予約を取って数日間車を預ける必要があることがほとんど。他の業者の中で請けてくれるところでも、予約状況によっては受け入れられないこともありえます。
その業者の閑散期に当たる時期なら請けてもらえる可能性は高まりますが、あくまで当日車検は緊急手段であると考えておくのが良いでしょう。
車検の見積もりをお急ぎの際には、ぜひこちらをご利用ください。
まとめ
指定工場の認証を受けている業者のうち、一部の業者は当日申し込みの車検にも対応しています。当日車検は申し込みから完了まで早いスピードで対応してくれますが、その分問題点など見逃しのリスクが高まり、また費用も高額になりがちです。
一般的な事前予約の車検を行えない場合の緊急手段として、万が一の時に利用するのが良いでしょう。