車検は、車を所有する上で避けては通れない検査です。そして車検を受けるためには、それなりの費用がかかります。
車検を受ける前の見積もりで、20万円という高額な金額を提示される場合もありますが、その金額は本当に適切な額なのか、高額ゆえに不安になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、車検に必要な費用を解説したあと、なぜ20万円を超える見積もりが出されたのか、そして20万円以上の高額な車検代を見積もりされたときにはどのように対応するのが賢い方法であるのかについて解説します。
車検に必要な費用について
車検にかかる費用は、車の排気量によって大体の相場があります。まずは、排気量別に車検費用の目安を確認していきましょう。
車検費用の相場 | 代表車種 | |
軽自動車 | 6~8万円 | ムーヴ・ワゴンR・タントなど |
1,500ccクラス | 8~10万円 | ステップワゴン・キューブ・フィットなど |
2,000ccクラス | 9~12万円 | ヴォクシー・エクストレイル・ノアなど |
2,500ccクラス | 13~17万円 | エスティマ・エルグランド・アルファードなど |
4,000ccクラス | 17~19万円 | レクサス・シーマ・パサートなど |
これらの相場を把握した上で、次に車検に必要な費用の内訳を解説します。車検費用の内訳は、「法定費用」「整備基本料」「部品交換費用」の3つに分けて考えることが基本です。
法定費用
どこで車検を受けても、価格が変動しない費用を法定費用といいます。
自賠責保険料と自動車重量税、車検手続きを行う上で運輸支局に支払う印紙代と証紙代が法定費用の細かい内訳となります。
印紙代と証紙代は、車検を依頼する場所が指定工場か認定工場かで異なります。指定工場の場合は印紙代の1,100円のみ、認定工場で受ける場合は、3ナンバーで印紙400円と証紙1,400円、4・5ナンバーで印紙400円と証紙1,300円です。
自賠責保険料の目安
自賠責保険は、法律で加入を義務付けられている強制保険で、一般的に新車購入時は37ヶ月分、その後は車検ごとの24ヶ月分加入します。普通自動車と軽自動車とで、保険料は異なるので、以下の表で確認してください。
普通自動車 | 軽自動車 | |
37ヶ月 | 36,780円 | 35,610円 |
24ヶ月 | 25,830円 | 25,070円 |
自動車重量税の目安
次に自動車重量税です。自動車重量税は、車の重さやエコカーであるか否か、新車登録してから何年経過しているかで課税額が変わります。
車両重量 | エコカー | 標準税額 | 13年以上 | 18年以上 |
~500kg以下 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1,000kg以下 | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
~1,500kg以下 | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
~2,000kg以下 | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
~2,500kg以下 | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
~3,000kg以下 | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
整備基本料の相場とは
整備基本料は、車検を依頼する業者によって異なります。代車無料などのサービスが充実している場合は、その分整備基本料が高くなる傾向です。
料金の目安
- ディーラー:40,000〜100,000円
- 車検専門店:20,000〜80,000円
- 整備工場:25,000〜80,000円
- ガソリンスタンド:20,000〜60,000円
- カー用品店:20,000〜60,000円
- ユーザー車検代行業者:10,000〜30,000円
- ユーザー車検:1,500〜3,500円
サービスが充実しているディーラーは、最も高い整備基本料となっています。この機会に、条件にぴったりな専門業者を探してみてはいかがでしょうか。
部品交換費用
部品交換費用は、車検で交換しなければならない部品があった場合にかかる費用です。部品代はもちろん、工賃も別途かかります。
ドライブシャフトやタイミングベルトを交換した場合は、部品交換費用が約6万円程度かかりますので、古い車ほど部品交換費用が高くつくと覚えておきましょう。
車検の見積もりが20万円をこえる理由
車検の見積もりが20万円を超える場合には、いくつかの理由が存在します。こちらではケース別にご紹介します。
1つ目のケース
10年以上経過した古い車や、走行距離が10万キロ以上あるという車は見積もりの費用が高額になる場合があります。
走行距離が多い車や年式が古い車は、タイミングベルトやエンジンベルト、ドライブシャフト、エアコンなど、部品交換費用が高いパーツを交換しなければならない場合が多いのです。そのため、車検で費用の見積もりを依頼した場合、高額な結果になることもあります。多走行車や低年式車で車検費用が高額になってしまったため、廃車にしようか悩むという方も少なくありません。
2つ目のケース
大規模な修理が必要なケースも見積もりが高額になるかもしれません。
ブレーキやエンジンのような車の主要部分を修理または交換する場合、部品代はもちろんですが、修理に必要な作業も複雑になるため工賃も高くなります。また作業工程によっては時間がかかることもあるため、車が一台のみの方は代車が必要となり、代車の費用など別の費用がかかってしまいさらに高額になるケースも。故障個所が見つかった場合など、修理費用次第で手放しを検討される方もいらっしゃいます。
3つ目のケース
外車や希少性の高い車であるケースです。
外車の部品は、輸入して取り寄せなければならないことも多く、部品自体の単価も国産車に比べ高い傾向にあります。また希少性の高い車の場合は、部品が手に入りにくく、これもまた部品の単価が高くなる原因です。部品が海外にしか在庫がない場合船や飛行機を使って輸送するため、部品の輸送コストが高かったり、取り寄せに時間がかかってしまうこともあります。
4つ目のケース
悪徳業者に高く見積もられているケースも、実は存在します。
不要な部品交換を入れられていたり、整備基本料を高く取られていたりすることが原因です。このような悪徳業者の見積もりを見抜くために他社との相見積をとるなど、見積もりの相場自体をしっかり見極める必要があります。
20万の見積もりを出されたときの対応
車検の見積もりが20万円の高額な場合、3つの角度からできる対応をご紹介します。まずは、高額になっている理由を明確にし、その理由によって対応を考えると良いでしょう。
部品の見直しをする
ディーラーに車検を依頼している場合に多いのが、メーカー純正品を交換部品にしているため高額になっているケースです。この場合は中古部品で交換はできないのか、メーカー純正部品ではなく安い部品を使えないのかを確認してみましょう。交換が予想される部品があるならば、車検前に修理業者やカー用品店に依頼して、安い部品を使って交換しておくのもひとつの方法です。
安い業者に依頼する
法定費用はどこの業者に依頼しても変わりませんが、選ぶ業者によっては部品交換費用や整備基本料を安くできます。整備基本料が安い業者に依頼したからといって、車検自体に手を抜かれることはありません。優良業者で安い業者は、たくさんあります。ネットの情報や口コミを見ながら、探してみるのも良いでしょう。
車の買い替えも検討する
長年乗り続けているため交換部品が多い場合や、車の状態があまり良くないという場合は、この機会に乗換を検討するのもおすすめの方法です。古い車や走行距離が多い車でも、車の買取業者選びを間違えなければ、買取金額がつくことももちろんあります。予想外に高い値段で買取ってくれる廃車買取専門の業者もあります。車の買取業者に車を売って、その費用を足しに新しい車に乗り換えると、車検を受けるよりも、長い目で見ればお得な場合があるのです。高い車検費用を払い乗り続けるか、思い切って手放して新しい車に乗り換えるか、じっくり検討してみてください。それでも不安な部分があれば、お近くの専門業者に相談しましょう。
まとめ
今回は車検に必要な費用から、見積もりが高額になる理由またその場合の対応について詳しく解説しました。法定費用は変わりませんが、他の部分は工夫ひとつで安く済ませることは可能です。車検費用には大体の目安があるものの、車の状態や車種によっては高額になることもあります。悪徳業者に引っかからないためにも、まずは車検の目安や内訳を確認して把握しておくことが重要です。また高額になる原因や状況などを知り、車検を受ける業者選びをしっかりすることが大切だといえるでしょう。