車を車検に出したときに、料金が高すぎると感じたことがある人は多いでしょう。車検の費用相場があまりよく分からず、高くてもそのくらいかかるものだと思っている人もいるかもしれません。しかし、車検費用は工夫次第で安く抑えることもできます。高すぎると感じたら、妥当な金額なのか一度考えてみることが大切です。ここでは車検費用が高くなる原因や、安く抑えるコツについて解説していきます。

車検費用が高すぎると感じる原因は？

車検費用が高すぎると感じたら、その原因を探ってみましょう。原因が分かれば安く抑える方法も見つかることが多いです。

車検は依頼先によって料金が異なる

車検を依頼するときには、新車で購入した車であれば、ディーラーに依頼する人が多いです。ディーラーでは新車を購入した人の車検満了日を把握しているため、車検満了日が近づくとハガキなどで案内を出すようにしています。ディーラーから案内が来れば、ディーラーに車検を依頼しないといけないと思ってしまう人も多いです。

しかし、それが車検費用が高すぎる原因のひとつになっています。車検費用は依頼先によって異なり、中でもディーラーは特に高いです。ディーラーは自動車メーカーと契約していて、部品などもすべて純正のものを使用しています。整備士の技術力も高く、そのメーカーの車種の整備に特化しているなど安心できる面が多いです。そのため費用はどうしても高くなってしまいます。

ディーラー以外の業者ならディーラーほど車検費用は高くありません。

例えば、民間整備工場や車検専門業者、カー用品店、ガソリンスタンドなどで車検を依頼できます。

ただし整備士の技術力はディーラーほど高いとは限りません。部品も純正でないものを使用することが多いです。

それでも、費用重視で選ぶなら、ディーラー以外の業者の方がいいかもしれません。安さを売りにした料金設定をしている業者も多いです。

また、ユーザー車検というやり方もあります。これは、業者に車検を依頼するのではなく、自分で車検を行うことです。ユーザー車検をするなら、あらかじめ自分で車を整備して車検に通る状態にしておかなければなりません。それから運輸支局へ足を運び手続きを済ませます。費用はもっとも安く済みますが、車に関してある程度の知識を持ち合わせていて、整備や部品交換などもできる人でないと難しいです。

車の状態によって高くなることも

車検費用は業者選びである程度安く抑えることができますが、車の状態も車検費用に大きく影響します。安い業者を選んでも、車の状態が良くないと10万円以上かかってしまうこともあるかもしれません。

車検業者では、預かった車の状態をチェックしています。部品の摩耗などで車検に通らない箇所が見つかれば、部品交換や修理などの対応をするため、その分の費用が上乗せされるのです。部品交換や修理が必要な箇所が多ければ多いほど、車検費用も高くなってしまうでしょう。また、部品によってはひとつだけでも交換費用が高額なものもあります。

車検の種類ごとの費用の内訳

車検を依頼すると、料金を請求されるときに明細書を受け取るでしょう。大半の人は、明細書の細かな部分はあまり見ずに、合計金額だけを見て料金を支払います。高いと思っても、なぜ高いのかじっくりと見てみることはないかもしれません。

しかし、明細書を見ることで、何にいくらかかっているのか把握できます。そのため、車検費用が高すぎると感じたら、まずは明細書をよく見てみるようにしましょう。

法定費用はどこに依頼しても同じ

車検に明細書には、自動車重量税や自賠責保険料、検査手数料などの項目が記載されているでしょう。これらの費用は法定費用と呼ばれるもので、車検のときに必ずかかる費用です。

そして法定費用は金額も決まっています。法定費用だけは、どの車検業者に依頼した場合にも差はありません。ディーラーでも、民間整備工場でもユーザー車検でも同じです。

法定費用のうち自動車重量税は、車種によって異なります。車の重さを基準にして課税される税金であるため、重い車ほど高額です。また、エコカーの場合には減免される場合もあります。

自賠責保険は強制加入の自動車保険で、車検時にまとめて保険料を支払う仕組みです。まとめて支払わないと車検を通せないことで強制加入を実現しています。金額は24ヶ月分で25,830円です。

検査手数料は明細書には印紙代や証紙代と表記されることもあります。金額は、5ナンバーなら1,700円、3ナンバーなら1,800円です。

法定費用以外の部分で差がつく

明細書を見ると、法定費用の他に車検基本料や代行料などの記載があるでしょう。この部分が業者によって費用に差が出る部分です。

ディーラーの場合には、車検基本料と代行料を合わせて安くても4万円程度はかかります。これと合わせて予備整備などを行っていることも多いです。その場合にはさらに2～3万円程度加算されます。

そして、部品交換が必要なときにはさらに加算されるため、法定費用と合わせて15万円程度になってしまうケースも多いです。

ディーラー以外の業者では、車検基本料や代行料がディーラーよりも安めに設定されています。両方合わせて1～3万円程度で済む業者が多いです。ディーラーと異なり、予備整備を行っているところも少なく、車の状態が悪くなければ10万円を切るでしょう。部品交換が必要な箇所が多くても、10万円を少し超える程度で済みます。

自身の車の状況を把握し、どちらに依頼するほうが良いかきちんと考えましょう。また業者といっても現在は様々な業者が存在しています。そのため事前に調べて専門業者に依頼するのが良いでしょう。

高すぎる車検をコストカットするコツ

車検費用が高すぎて何とかしたい場合にどうすればいいのか見ていきましょう。

普段のメンテナンス次第でコストカット可能

車検をディーラー以外の業者に業者に依頼しても、車の状態が良くないと高くついてしまうことがあります。明細書を見てみて、部品交換費用や修理費用で多くかかっているのであれば、普段のメンテナンス次第でコストカットできるかもしれません。

車は普段から適切にメンテナンスを行うことで、良好な状態を保つことができます。逆にメンテナンスが行き届いていないと、部品も傷みやすいです。

車に乗っていて少し異常を感じたときなどには、早めに修理工場などで見てもらうようにしましょう。異常を放置しておくと、ほかの部品にも影響が及んでしまい、修理費用が高くついてしまうこともあります。エンジンオイルなども、定期的にきちんと交換しておくのが望ましいです。

古い車だとどうしても車検費用が高くつく

普段からメンテナンスを心がけていても、古い車だとどうしても、部品交換が必要になってしまいます。特に走行距離が10万キロを超えていたり、10年以上乗っている車は、不具合が起きやすいです。大事に使っていても、走行距離や使用年数などの関係で、交換が必要になる部品もあります。

新車登録から13年以上経過していると法定費用の自動車重量税が上がるのも、古い車で車検費用が高くつく理由のひとつです。

古い車を使っていて、車検費用が高すぎて悩んでいるのであれば、買い替えも検討してみてはいかがでしょうか。古い車だと車検のとき以外でも、不具合が生じて部品交換や修理が必要になることが多く、維持費が高くつきます。

新しい車に買い換えれば、車検費用を含め維持費が安く済み、乗り心地も快適です。安全性能なども上がっており、安心して乗れるでしょう。

そして、車の買い替えで現在乗っている古い車を手放すなら、廃車買取を利用するのがおすすめです。廃車買取なら中古車買取と違って古い車でも問題なく買い取ってもらえます。通常通り走行できる車であれば、高く買い取ってもらえる可能性も高いです。ほとんどの廃車買取業者で廃車手続きなども代行してもらえるので、手間もほとんどかかりません。

手放したくないのならば、一度専門業者に相談してみるのも良いでしょう。

まとめ

車検はディーラーに依頼すると高くなることが多いため、費用重視ならディーラー以外の業者に依頼するのがおすすめです。また、部品交換や不具合箇所の修理などで高くつくこともあるため、普段からメンテナンスを行っておきましょう。