スマホを触りながらの運転は免停になるの?違反点数やリセットまでの期間とは

「ゲームアプリのイベント中で、あと1時間でイベントが終わるのでついつい見てしまう」
「友達に遅れる事を伝えるためSNSアプリを見てしまった」、など車の運転中にこういった経験をされたことがある方は多いと思います。

急いでいるときは特にスマホを触ってしまうのではないでしょうか。しかし、スマホを触りながらの運転は危険であり法律違反です。こうした理由でスマホを触る方が増えたため、ながらスマホが最近問題となっています。運転中のながらスマホは免停対象です。また人を巻き込んで事故を起こしてしまうと後から後悔しても遅すぎます。

そこで今回は、スマホを触りながらの運転の危険性や何点の違反なのか、リセット期間などについてご紹介していきます。

運転者の違反点数や点数リセットまでの期間とは

車の免許で、免停になってしまう違反点数は6点です。そして運転免許の免停がリセットとなる期間は1年となっています。
しかしこの点数や期間は条件によって違いがあり、全ての人に当てはまるわけではありません。ではどのような仕組みで違反点数が加算されているのでしょうか。

まず初めに、運転免許の点数の仕組みは累積方式です。減点方式だと思っている人が多いようですが、免許に関しては違います。
0点からスタートし、交通違反をするたびに違反点数は加算されます。そして一定期間に何度も違反を繰り返したり、飲酒運転などの非常に危険な違反をして一定の点数を超えた場合、免許停止などの行政処分になってしまうのです。

つまり、運転免許に関しては、点数が低い人ほど優良ドライバーということになります。
代表的な交通違反の違反点数は以下の通りです。

無事故無違反なら6点から免停になるが

運転免許が停止になる違反点数は6点からですが、条件によっては6点以下でも免停となってしまいます。
その理由は、過去一定期間に違反したことがある場合、免停点数の上限が下がるからです。免停点数は、過去に行政処分を受けたことがない優良ドライバーの場合、6点からとなります。
それに対し過去に行政処分を受けたことがあれば、6点以下でも免許停止処分となってしまうのです。

過去一定期間に行政処分を受けたことがあると、前歴ありとなります。前歴ありの場合、何点で免許停止になってしまうのでしょうか。こちらで解説します。

前歴とは「過去3年間の間に免許停止などの行政処分を受けた」ことを指します。
そのため今までは無事故無違反者だったが、初めて違反をして減点6点になって免許停止処分を受けた場合は前歴1となります。前歴1の人の場合、次は違反点数4点で免許停止になります。また、無事故無違反者が初めて免許停止になった場合は、免許停止期間は30日ですが、前歴1の人の場合は最低でも60日免許停止です。このように前歴の有無によって、免許停止になるまでの点数と免許停止期間が異なってくるのです。

つまり短い期間で違反を繰り返し危険運転を行う人はすぐに免許停止処分になり、最悪の場合、免許取り消しなどの重い罰則になり得るのです。

運転免許の違反点数のリセット期間は1年もしくは3ヶ月?

道路交通法で違反してしまった場合、点数がリセットされるまでの期間は長くなり、1年でリセットされる場合と3ヶ月でリセットされる場合の2種類があります。
少しややこしいので具体的にご説明しましょう。

【違反点数が1年でリセットされるパターン】

一般的に該当されることが多いパターンは違反点数が一年でリセットされるパターンです。先述の通り1度違反をしても1年間違反がなければ点数はリセットされます。
例を上げると、2019年1月に駐車違反を行った場合、2点違反点数が加算されます。その後1年以上は無事故無違反で、2020年5月に2点の違反をしたとしても、累積点数は4点ではなくて2点です。
このあたりがややこしく、誤解を招く原因となっているといえるでしょう。

【違反点数が3ヶ月でリセットされるパターン】

違反点数が3か月でリセットされるパターンが適用されるのは、2年以上無事故無違反または3点以下の違反の場合のみです。つまり2つの条件を満たした場合のみ、違反点数が3ヶ月でリセットされるため、前歴が有る人との差が大きいということが分かります。
例えば、2年間無事故無違反の人がいたとすると、2019年の1月に駐車違反をしてしまい違反点数が2点加算されます。その後2019年の4月に違反点数がリセットされるため、0点に戻るのです。
つまり、誤って1度違反をしてしまっても短期間で違反を繰り返さない限り点数が貯まることはありません。優良ドライバーを目指す方であれば、2度目の違反をしないように特に運転に注意が必要だといえるでしょう。

スマホを触りながらの「ながら運転」は一発免停もある

スマホながら運転

例え現在優良ドライバーであっても、6点以上の違反点数ですぐに免停となります。
スマホを触りながらの「ながら運転」を行い、事故を起こしてしまった場合や事故につながりそうな危険な運転をした場合の違反点数は6点です。

つまり、いくら優良ドライバーでもスマホを触りながら事故を起こすと免停処分になってしまうのです。

冒頭でも述べた通り、最近スマホを触りながらの「ながら運転」が社会問題となっています。
ゲームをしながら運転を行い、前方不注意のため歩行者を巻き込んでの事故を起こしてしまったという事件もあります。
また、信号停止中から青信号に変わってもなかなか発進しない車や、走行中フラフラと蛇行しているような車も、大半がスマホなどに気を取られてしまっているドライバーの不注意である可能性があります。
このような運転は非常に危険です。そんな危険なスマホを触りながらの「ながら運転」で違反した場合、先程説明した通り6点の違反点数となり、無事故無違反者であっても一発で免許停止処分となってしまうのです。

そのため運転中は絶対にスマホを触らない、という意識を持つことが大切だといえるでしょう。

2019年12月からスマホを見ながらの運転に関しての罰則を強化

2019年の12月からスマホを見ながらの運転をしているドライバーに対しての罰則が強化され、今までの3倍の違反点数になり、反則金も引き上げています。
スマホを触りながらの「ながら運転」は、一瞬であっても大事故につながりかねない危険な運転です。このような運転をするドライバーが増えてきたので、政府がスマホを使用しながらの運転者に対しての罰則を強化したという背景があります。

それまでのスマホなどに注視している運転者に対する違反点数は2点で、罰金も5万円以下でしたが、2019年12月からは違反点数は6点、罰金は30万円以下に引き上げられています。
違反点数2点は、軽微な違反の部類である駐車違反と同じ点数ですから、今までの罰則が甘かったことが分かるのではないでしょうか。

たった一瞬目を離しただけでも事故を起こす可能性

ここまで罰則が強化された理由は、スマホを触りながらの「ながら運転」は一瞬ドライバーは前方から目を離すこととなり、事故になる可能性が高いからです。
「ちょっと通知が来て見ただけ…」よくある場面ですが、この一瞬で車は何mも進みます。具体的には速度40km/hで走行していた場合、1秒スマホを見ていいただけで11mも進むのです。

11mといえば鎌倉の大仏の高さや、テニスコートの広さ、サッカーのPKでキッカーがペナルティエリアからキックする距離などが11mに該当します。
テニスコートを端から端まで歩けば少し時間がかかると思います。この距離を車は1秒で移動するのです。

逆に考えると、1秒目を離しただけでこのくらいの距離を進んでしまうため、いかによそ見運転が危険行為なのかが分かるのではないでしょうか。
車を運転中に一瞬目を離しただけでも大きな事故につながる可能性は高く、人身事故を起こしてしまった場合、相手の方の人生も狂わせてしまいます。
そして相手だけではなく、あなた自身の人生も狂ってしまいます。事故で相手の命を奪ってしまったり、後遺症を残してしまった場合は一生かけても償いきれません。

そのため車の運転中は他のことを考えず、運転に集中することが大切なのです。

まとめ

車の違反点数は減点方式ではなく、累積方式であり免停点数は6点です。しかし過去に行政処分を受けたことがある方はこの限りではありません。
前歴のある方は免停までの違反点数が低くなり、少しの違反でも免停処分を受けてしまいます。そして違反点数のリセット期間は対象ドライバーの運転経歴ごとに異なり、1年間または3ヶ月です。

スマホを触りながら危険な運転を行った場合の違反点数は6点なので、ドライバーは一発免許停止処分となってしまいます。
スマホを触りながらの危険な運転行為に対する違反者が多く社会問題となったことから、2019年の12月に罰則がさらに強化され、スマホのながら運転による危険な運転行為や運転による事故を起こした場合の違反点数は2点から6点に、罰金は5万円以下から30万円以下に引き上げています。このことからも、「ながらスマホ運転」は危険であり、最悪の場合は人を巻き込んでの事故につながる可能性が高い運転であるといえます。

自分や相手の人生を台無しにしないためにも、安全運転を心がけ、「ながら運転」をしないようにしましょう。