セダンとはどのような車を指すの?ハッチバックとの違いの一つがトランクの形状!

車の形状を区別する表現は色々ありますが、そのなかでも車のボディを箱に見立てて、ボックスと表記する分け方があります。大きく分類すると「1ボックス」「2ボックス」「3ボックス」の3種類になりますが、セダンはこのなかの「3ボックス」に該当しす。
セダンと比べて、車高や車幅の似ている形状の車がハッチバックです。しかしハッチバックは「3ボックス」には該当しません。セダンとハッチバックはボディサイズは似ているものの異なる部分がいくつかあります。そこで今回はセダンの特徴や、ハッチバックとの違いについて、ご紹介していきます。

セダンとはどんな車のことを指すの?

セダンとは

冒頭で、車は3種類に分類できると説明しました。セダンは、その中の「3ボックス」に該当するのですが、まずは、それぞれの違いを理解しておきましょう。四角の箱をイメージしてください。その箱は、「エンジンルーム」「乗車スペース」「トランク」を意味し、その形や異なる箱の組合せで、3つの形状の車に分類することができます。
つまり1ボックスでは全てのパーツが1つの箱に収まり、3ボックスではそれぞれ独立した形が採用されているのです。

具体的には

・1ボックス・・・エンジンルーム、乗車スペース、トランクが1つの箱の中に納まっている

・2ボックス・・・エンジンルームは独立しているが、乗車、トランクスペースが一体

・3ボックス・・・エンジンルーム、乗車スペース、トランクルーム全てが独立している

このような分け方となります。

セダンなどの形状をボックス表記すると以下のとおりです。

・1ボックス・・・ワンボックス、バン

・2ボックス・・・ミニバン、ステーションワゴン、SUV、ハッチバック

・3ボックス・・・セダン、クーペ

このことから「セダン」とは、エンジンルーム、乗車スペース、トランクルームが独立した組合せをしている形状で、一般的には、4ドア、4~6人乗りの乗用車を指します。

セダンの歴史

セダンという名称は、17世紀ころヨーロッパで使用されていた馬車用語で、「運転席と客席に仕切りがない乗り物」というところから由来しています。
当時馬車は、園遊会に出かける貴婦人たちを運ぶ乗り物だったことからわかるように、セダンは、高級車のイメージが強い乗り物でした。

日本では、1950年代にトヨタから「クラウン」や、プリンスから「プリンス・セダン」がセダンとして生産されます。1960年代は、より高級高性能を競って、外国車のスタイリングを参考にした車や、高性能なエンジンを載せた車が生産されました。

一方でファミリー向けのセダンとしてカローラやサニーが登場し人気を集めます。また、同車種で4ドア以外に2ドアのセダンも生産されたりと、セダンが人気だった時代もあるのです。
今ではSUVやミニバンがファミリーカーの主流となっていますが、一昔前にはファミリーカーといえばセダンだというイメージの方が強かったのではないでしょうか。

車の形状はセダン以外になにがある?

セダン以外にも、色々な形状があります。一般的に、クーペ、オープンカー、ステーションワゴン、ハッチバック、ワンボックス、ミニバン、SUVなどに分類されます。

特徴を見ていくと、

・クーペ、オープンカー・・・走りを楽しむ車、スポーツカータイプ

・ステーションワゴン、ハッチバック・・・トランクスペースが広いので荷物を載せやすい

・ワンボックス、ミニバン・・・3列シートで6人以上の乗車ができる

・SUV・・・スポーツユーティリティビークルの略称で、オフロードに強いスポーツカータイプ

どれもセダンとは違う特徴を持っていることが分かります。特にミニバンやSUVは、最近の人気車種です。セダンにはないオフロード要素や大きな荷室などが注目され、現在の主流となっています。

セダンとハッチバックの違いの一つにトランクの形状がある

セダンとハッチバックは、車高も低めで似た形状をしています。この2つのなかで最も違いがあるのはトランクの形状だとえいるでしょう。では具体的にどう違うのかをお伝えしていきます。

2ボックスと3ボックスの違いって何?

どちらもエンジンルームを持つ車ですが、違いはトランク形状にあります。先ほどもお伝えしましたが、2ボックスは乗車スペースと荷室が一体化しているのに対し、3ボックスではそれぞれが独立しています。これらの特徴をセダンとハッチバックにあてはめてみましょう。

セダンは、乗車スペースと区切られた専用のトランクを備えています。一方のハッチバックは、跳ね上げ式の扉を用いたリアハッチドアが特徴で、乗車スペースとトランクは一体です。以上のことからハッチバックは2ボックスで乗車スペースと一体型のリアドアが採用されているのに対し、セダンは3ボックスでトランクが独立した車であることが分かります。そのためリアドア(トランク)の形状が違う点も違いの一つなのです。

それぞれのメリットやデメリットを比べてみた

セダンとハッチバックそれぞれの特徴は

・セダン・・走行安定性が高い、室内が静粛で快適

・ハッチバック・・大きい荷物が載る、小回りがきく

という点ではないでしょうか。

セダンは、乗車スペースとトランクが独立しているので、ボディー剛性が高いという特徴を持ちます。車高も低く低重心なので、安定性の高い走行性能を得ることができます。また、独立したトランクのおかげで、後輪からの走行ノイズが遮断され、静粛性に優れていて、快適なドライビングができるという大きなメリットがあるといえるでしょう。

デメリットととしては、3ボックスという構造上全長が長くなるため、小回り性能が低く狭い道路では、高い運転操作が必要になってきます。
荷室に関しては限られたスペースということもあり、どうしても狭くなりがちです。そのため、大きい荷物を載せることができない点では、不便さを感じるかもしれません。

それに対しハッチバックのメリットは、トランクルームが乗車スペースと繋がっているという点です。
さらに跳ね上げ式のリアハッチドアのおかげで、広いトランクスペースを確保できるメリットもあります。また、後部座席を倒すと、よりスペースが広がり、セダンに比べ大きな荷物を載せることができるでしょう。乗車スペースから直接、荷物を取ることができるのも便利な点ではないでしょうか。運転面は、コンパクトなボディーなので、全長も短く小回りもきき、買い物など日常生活で、ちょっと出かけたりするのに使いやすい車となっています。

デメリットは、乗車スペースとトランクが繋がっているので、後輪からの走行ノイズが伝わりやすく、室内の快適さはセダンより劣るでしょう。また、リアガラスが隠れるほどの荷物を載せると、後方の安全確認が取りにくくなります。

以上のことからセダンは、長距離ドライブなど長い時間運転するのに適した車であり、ハッチバックは、日常生活での利便性が高い車だと考えることができます。

まとめ

セダンは、もっとも基本的な形状をした車です。どの車もこの形状をもとに開発されました。一昔前にはセダンが主流でしたが今では、ミニバンやSUVなど、さまざまな形状の車に人気が集まっています。かつて、ファミリーカーの王道だったセダンの人気は下がり、セダンを代表するクラウンでさえも次期新車計画には、そのカテゴリはないといわれています。しかし、今もタクシーがセダンを採用しているは、最大のメリットである静粛性からくる快適な車内環境で、人の乗せて走るのに適しているからでしょう。

人気の落ち込みが激しいセダンですが、セダンのファンは多く中古車でも数多く出回っています。新車では車種もデザインも限られてくるので、セダンを購入したいのであれば中古車を検討してみてはどうでしょうか。