ディーゼル車の歴史は古いの?ガソリン車と比べた場合のメリットも

ディーゼル車とは軽油を燃料として動く車であり、ガソリン車との一番大きな違いは、使用する燃料の種類です。
また、ディーゼル車はその特性上、軽自動車のような小さな車には使用されていません。ガソリン車に比べるとトルクが大きいという点も魅力であり、違いの一つだといえます。
そして、ディーゼル車=黒煙を吐くというイメージを持つ人もいることでしょう。確かに昔のディーゼル車は、黒煙を大量に排出していました。しかし現行車のディーゼルといえば、クリーンディーゼル車が一般的となったため、黒煙を吐くディーゼル車はほぼなくなったという背景もあるのです。そもそもディーゼルエンジンは船などに使用されていましたが、車に使用されるようになったのはガソリン車よりも遅く、その歴史はあまり古くありません。

そこで今回はディーゼル車の歴史やガソリンと比べた場合のメリットなどをご紹介していきます。

ディーゼル車とはどんな車なの?

ディーゼル車とは軽油を燃料として走る車です。トルクが大きく走り出しが力強いという特徴を持ち、力強い走りをしたいからディーゼル車を選んでいるという方もいるのではないでしょうか。トルクの強いディーゼル車では、山道も楽に進むことができます。

しかしエンジンの構造から、小さな車には適していない面も持ち合わせており、軽自動車でディーゼルエンジンを使用している車はありません。トルクは強いが高回転域でのパワーが出づらいという点も、ディーゼル車の特徴だといえます。そのためディーゼル車のほとんどがターボを採用し、苦手である高回転をカバーしているのです。

このようにディーゼル車には特徴が多く、人によって好みが分かれる車であるといえるでしょう。

ディーゼル車の歴史

マツダのクリーンディーゼルSUV

乗用車では数が少ないディーゼル車ですが、トルクが大きいことからトラックなどでは幅広く使用されています。ディーゼル車は1920年代に初めて市販化されました。最初にディーゼル車の販売を開始したのはベンツとMANというメーカーです。この市販化を先駆けとしトラックやバスなどに採用され、パワーの大きさなどが注目されたという歴史があります。しかしこの頃にはまだ乗用車へ採用するに至っておらず、トラックやバスなどの大型車用のディーゼルエンジンが主流となっていました。

そして乗用車への普及が始まったのは、1970年代とかなり遅くなります。
現在ディーゼル車に力を入れているメーカーは三菱とマツダ、この2社です。その他のメーカーも製造してはいますが、ガソリン車が主流でありディーゼル車の数はガソリン車に比べ圧倒的に少ないという事実があります。

そして今後はさらにディーゼル車は減っていくことでしょう。

その理由を事項で説明していきます。

現在ではクリーンディーゼル車が主流となっている

ディーゼル車の大きな課題は環境問題への配慮です。黒煙というイメージが強かったことから分かるように、ディーゼル車から排出されるガスは環境への悪影響が問題視されています。そのため昭和49年に行われた排気ガス規制後、微調整しながら何度も規制が施されました。厳しい排気ガス規制が発動されたため、できるだけ環境への負担が少ないクリーンディーゼルが開発されたのです。現在のディーゼルは全てクリーンディーゼル車となっています。昔のディーゼル車と何が違うのかというと、採用されている装置が違います。昔のディーゼル車には無く、現在のクリーンディーゼル車に採用されている装置として「コモンレールシステム」が挙げられます。コモンレールシステムは、均一に燃料へ高い圧力をかけ、ディーゼル車の燃焼効率を大幅に向上させる装置です。昔のディーゼル車は燃焼効率が悪く、未燃焼ガスが多いという問題を抱えていました。そのため黒煙を排出していたわけですが、コモンレールシステムを採用することで燃料効率が大幅に向上し、黒煙を排出するディーゼル車はなくなったのです。それに加え浄化装置も数が多く、クリーンディーゼル車がいかに環境へ配慮しているかが分かると思います。しかしここまで環境へ配慮しても、現在のハイブリッド車にはかないません。

これからさらに排気ガス規制は厳しくなることでしょう。それにともなってディーゼル車も数が減っていくと予想されます。

ディーゼル車の特徴やメリットは?

ディーゼル車は大きなトルクと燃料が軽油であるという点が特徴です。しかしそれだけではなく、クリーンディーゼル車に採用されているコモンレールシステムもディーゼル車特有の装置ですし、浄化装置もガソリン車とは違います。では、ガソリン車との違いをもう少し深掘りしてみましょう。

ガソリン車との違いは?

ガソリン車とディーゼル車の大きな違いは燃料です。レギュラーやハイオクを使用しエンジンを動かすガソリン車に対し、ディーゼル車では軽油を使います。燃料の違いから燃料過程にも違いがあります。ガソリン車ではスパークプラグという装置で強制的に爆発を引き起こすのに対し、ディーゼル車ではスパークプラグは使用されていません。その理由は発火点と引火点が違うからです。

発火点とは火が近くになくても勝手に燃焼する温度のことを指し、ガソリンより軽油の方が発火点が低くなっています。

【発火点】

・ガソリン・・・約300度

・軽油・・・約250度

そして引火点とは、火を近づけた場合燃焼する温度であり、軽油よりガソリンの方が大幅に低いのです。

【引火点】

・ガソリン・・・-43度以下

・軽油・・・40度

このように発火点は軽油の方が低く、引火点はガソリンの方が低いことが分かります。この特性を利用しエンジンは作られています。つまりガソリン車にスパークプラグが採用さているのは引火点が低いからであり、ディーゼル車に採用さていないのは、引火点が高く発火点が低いからなのです。このようにガソリン車とディーゼル車は燃焼行程や、作動するための作りが違います。またエンジン形状だけでなく、発生する排気ガスの種類の違いから浄化装置も全く違うのです。

ディーゼル車の一番のメリットは燃料の安さ!

ディーゼル車の一番の魅力は燃料の安さです。燃料代は日々変わってきていますが、その差は1リットル当たり約20円ほどとなります。もちろん常に価格は変動するので、その差は一定ではありません。普通車では燃料タンクに約50ℓほど燃料を給油することができます。そのためガソリンとディーゼルでは、1度に給油するガソリン代は単純計算で1000円ほどの価格差がでてくるのです。1回の給油でこれだけの差が出るということは、年間で考えた場合、数万円の差がうまれるということです。そのためよく遠出をしたり、通勤に使うのであればディーゼル車の方が交通費を安く抑えることができるでしょう。またディーゼル車はトルクが強く、走り出しが力強いという長所もあります。ディーゼル車の購入を検討している方は、このようなメリットも考慮し車選びをしてみてはどうでしょうか。

まとめ

ディーゼル車の歴史はガソリン車よりも浅く、100年前後となっています。軽油を使用して走行するディーゼル車には、スパークプラグがありません。この点などがガソリン車とのもっと大きな違いであり、燃料が違うことでエンジンの性能も変わります。トルクが強く走り出しがスムーズな点も魅力の一つです。山道や上り坂をよく走る方は、ガソリン車よりもディーゼル車の方がストレスなく走行できるのではないでしょうか。しかし環境問題の観点から、ディーゼル車の販売台数は減少傾向にあります。そのためディーゼル車が気になって購入しようか迷っているのであれば、販売されている今がチャンスです。ぜひ一度検討してみてはどうでしょうか。