気になる!初めての車検、内容は?費用はどのくらい?

車検とは、正式名称「自動車検査登録制度」といい、お持ちの車が安全に公道を走行することができるか一定期間ごとに国が検査する制度です。車検が切れた車は公道を走ることができません。
また車検には初回車検(新車が公道を走行して良いかの検査)、継続車検(車検満了を迎えた自動車が車検有効期間の延長を求める検査)、構造等変更検査(主幹部分に改造を施した車両が公道を走行する許可の可否を問う検査)の三種類があります。今回は初回車検と継続車検の内容と費用、また車検が切れてしまった車を車検に出す方法などについてご説明します。

初めての車検(初回車検)

では、実際に初めての車検の際は何をするのでしょうか?その内容や費用についてをご紹介します。

車検って何をするの?

車検を受けなければいけないことは知っていても、実際に車検でどんなことをするのか気になっている方も多いのではないでしょうか。車検には車を検査するにあたり、様々なチェック項目が存在します。
初回の車検(自家用乗用車で新車購入の場合)は、道路運送車両法第61条により購入から3年後、それ以降の車検は、2年毎で行うことになります。(軽貨物自動車、大型トラック、貨物自動車は荷物の運搬などで劣化が早いことが想定される為、新車購入の場合は2年、それ以降は1年となっている車両の区分もあります。)車検を受ける場所は、ディーラーや自動車整備工場、ガソリンスタンド、車検専門店など様々な場所で実施しており、車検を受ける場所を自分で選択することができます。
実際に車検はどんなことを行っているのでしょうか?車検には様々な整備チェック箇所があります。例としていくつかご紹介します。

エンジン・ルーム

パワー・ステアリング・・・ベルトの緩みや損傷、取り付けの緩み、オイルの漏れの有無、量など

冷却装置・・・ファンベルトの緩みや損傷、冷却水の漏れの有無

点火装置・・・スパーク・プラグの状態や点火時期、ディストリビュータのキャップの状態

燃料装置・・・燃料漏れの有無など

室内空間

ハンドル・・・操作具合や遊び、がたのチェック

パーキング・ブレーキ・レバー(ペダル)・・・パーキング・ブレーキの効き具合など

クラッチ・ペダル・・・遊びや踏み込んだ時の床板との隙間、ブレーキの効き具合など

足回り、外回り

かじ取り車輪・・・ホイール・アライメント

ホイール・・・タイヤの空気圧、亀裂や損傷、ボルト、ナットの緩みなど

ショック・アブソーバ・・・損傷、オイルの漏れなど

外回り(フレーム、ボデ―)・・・緩み、損傷など

上記以外にも様々なチェック箇所を確認していきます。それらのチェックに受かった車が、安全な車として公道を走ることを認められるのです。

費用はどのくらい?

「車検にはお金がかかる」と理解していても、どんな費用をどのくらい支払う必要があるのかが気になる方は多いと思います。実際に車検にはどんな費用がどのくらいかかってくるのでしょうか。

車検でかかる費用は主に「法定費用」「車検基本費用」に分けられます。法定費用とは自動車重量税、自賠責保険、印紙代のことで、これらは国で定められている為、どこで車検を受けても個々の費用は変わりません。

車検基本費用とは定期点検料、測定検査料、代行手数料、点検整備費用とも呼ばれており、この車検基本費用が依頼先によって大きく異なってきます。普通自動車の場合、ディーラー車検が4万~10万円前後、民間車検場が3万~8万円前後、ガソリンスタンドが3万~6万円前後となっています。軽自動車の場合はディーラー車検が6万~8万円前後、民間車検場が7万円前後、ガソリンスタンドが5万円前後となっています。(あくまで目安なのでお車の状態などにより異なる場合はあります。)前述したとおり法定費用は予め決まっている金額なので、お持ちのお車の状態によって車検基本費用のところが変動します。

2回目以降の車検(継続車検)

では2回目以降の車検は、一回目の初回車検と何が異なってくるのでしょうか?初回車検と継続車検の違い、また車検が切れてしまった車を再度車検を受けるようにする方法についてご紹介します。

内容と費用について

同じ車検なのに、1回目と2回目以降では主に費用が異なってくるのはなぜなのでしょうか?その理由についてご説明します。
車検はお持ちの車が安全に行動を走ることができるか、定期的に検査をする制度です。新車で購入した方の場合は、2回目の車検は購入してから5年後ということになります。安全に走れるかどうかの検査になるので検査の内容自体は1回目と同様にチェック箇所に基づいて点検を行っていきますが、5年目になると走行距離や車の状態も初回車検の時より各部位が劣化している状況が考えられます。その際に、車検の費用が初回よりも上がってしまい高く感じる方も多いようです。安全な状態で車を走行させることは大切ですが、車検を受ける側としては少しでも費用は抑えたいと考える方も多いと思いますが、2回目以降の車検の費用が上がってしまう原因は以下の要因があります

消耗品の劣化によるパーツの交換

新車購入の場合は、2回目の車検時には購入から5年が経過している状態になります。車にはバッテリーやブレーキオイルなど消耗品が多く装備されている為、5年間使用していると交換が必要なパーツが増え、車検の費用が上がってしまう一つの原因になるのです。

自動車重量税のエコカー減税制度

この制度は、エコカー減税対象車について、適用期間中に新規登録などを行った場合に限り、次回の車検までの自動車重量税の減免措置が受けられるという内容になっています。しかしこの制度は、基準が段階的に厳格化されており、2回目の車検で減免を受けられるのは、電気自動車などのほか、平成32年度燃費基準で+50%を達成している一部の車種のみが対象となっています。つまり、お持ちの車がエコカー減税対象車であっても一部の車種を除いて、初回の車検では重量税の減免を受けられますが2回目の車検では減税措置を受けられず、一回目の車検時よりも費用が上がってしまう原因として挙げることができます。

日本における自動車のメーカー保証制度

日本におけるメーカー保証というのは、大きく一般保証と特別保証に分けることができます。まず、一般保証というのは、消耗品を除く全ての部品に適用となり、「新車登録から3年間、または走行距離60,000kmのどちらかが早い方まで」という基準が多いようです。特別保証は、エンジンやトランスミッション、足回りなどの車の走行や安全に関わる重要部品に関してのみ適用される保証となっており、「新車登録から5年間または走行距離100,000kmのどちらかが早い方まで」とされています。つまり、初回車検の後に発生する不具合や経年劣化のうち、主要保安部品以外の箇所については、保証適用外となってしまう為、2回目の車検時で部品交換が必要になってしまった場合でもユーザーの負担となってしまう為、費用が上がってしまう原因となるのです。

車検が切れてしまった車。もう一度車検受けるには?

車検が切れてしまった場合は、公道を走ることができないということは前に説明しました。しかし車検切れの車をもう一度車検場へ持っていき、車検を受けるようにするにはどのような方法があるのでしょうか。
車検の内容や費用についてご紹介をしてきましたが、「しばらく車を乗っていなかったうちに車検が切れてしまっていた」「長い間乗っていなかったがもう一度乗る必要が出てきた」などといったお持ちの車が車検切れの場合、もう一度車検を受ける方法について紹介します。

仮ナンバー(臨時運行許可証)を装着して車検場まで自走する

仮ナンバーは、検査などの理由で車検切れの車を車検場や整備工場、運輸支局へ運ぶなどの特別な理由の場合に限り、例外として走行を認める許可証のことで、申請の際に記入する有効期間や経路、目的以外は運転を禁じられています。車検切れの車を合法的に車検場まで運び、車検を受ける方法として費用をもっとも安くできるのが、こちらの「仮ナンバーを発行して車検場まで自走する」という方法です。お持ちの車が登録されている住所の区役所や市役所などで仮ナンバーを発行を申請し、車検の切れてしまった車に取り付けて車検業者まで運転し、そのまま整備と車検手続きを依頼するという方法になります。

キャリアカーで運搬を依頼する

車検が切れてしまった車を車検に出す方法として、仮ナンバーを取得して自分で持ち込みをする以外に、キャリアカーやローダー車などを利用して車を運ぶ方法があります。キャリアカーを利用すれば、仮ナンバーを取得する必要がないことがメリットです。また仮ナンバーを取得して自走する場合は、走行中に何らかの事故を起こす恐れもあります。特に長年放置していた車の場合は、運転中エンジンに不具合が現れるなどのリスクが考えられることもあります。お持ちの車の状態を判断し、業者に依頼をして運搬してもらった方が安全な場合もあるでしょう。このような車検切れの車でも、車検場へ車を運び車検を通ることができれば、再び公道を走行することができます。

まとめ

今回は初回車検と継続車検の内容と費用、また車検が切れてしまった車を車検に出す方法などについてまとめました。車検には手間と費用が掛かってしまう為、面倒に感じてしまう人も多いかと思います。しかし車検は日常使用している車を改めて点検をし、安全性を確かめるとても重要な検査です。お持ちの車を安全に利用する為に、場所や費用など自分に適した車検場でしっかりと検査を行うようにしましょう。