車検の時間の目安は
車検は、その車が国の定めた保安基準を満たしているかを確認するための手続きです。この手続きを行う手順は業者によって異なるため、車検の完了時期に大きく差が出ることがあります。
1~2日が主流
車検に必要な時間は、業者に依頼してから1~2日程度要するのが主流となっています。車検に通す前に24か月点検も同時に行う場合には、整備工場に入庫してから点検を行い、整備内容を確認。オーナーに説明後、翌日から作業を開始するような手順で進みます。
また、自分の工場に車検用のラインを持たない認証工場やカーショップ、ガソリンスタンドなどでは、近場の指定工場や車検場に車を持ち込む必要があります。車検場は土日祝日に営業していないため、土日の直前に依頼すると3日以上の時間を取られることもあります。
30分から1日のスピード車検が増加中
近年では「30分車検」「当日車検」といった、スピード対応を売りにする車検業者が増加中です。
車検の前にあらかじめ必要な整備を済ませているならば、車検時に行うのは点検のみ。車検証は後日郵送という手続きを取れるならば、作業はあっという間に終わってしまうでしょう。
また、24か月点検を兼ねる場合も、複数人の整備士が作業を分担することで1台に対する作業時間は短縮します。消耗品の交換を含めても、大きな時間をかけずに対応可能です。
車検に時間がかかる理由
業者によっては1日未満の短時間で対応できる車検ですが、数日の時間を要する場合も少なくありません。なぜ車検に数日もの時間がかかってしまうことがあるのでしょうか。
念入りな整備を行う
車検と一口に言っても、業者によって対応内容は様々です。最低限の点検を行うだけの業者もあれば、しっかりと車の状態を確認し、最良の状態になるよう整備する業者もあります。
ディーラーは、車検終了時には細かい問題も全く残らないように点検・整備に時間をかける傾向にあります。数日の時間こそかかりますが、他の車検業者よりも高い品質で愛車が帰ってくることが期待できます。
車の状態により整備に時間がかかる
日頃から小まめに点検・整備を行っているならば、車検時に大きな問題が見つかることは少ないでしょう。しかし普段点検もしないまま車検を依頼するなら、点検により多くの問題が見つかってしまうこともあるでしょう。
車検に合格できないような問題が見つかった場合には整備と再点検が必要になるため、さらに時間を要します。
予約が重なり順番待ちが長い
車検は予約が重なった場合、前の対応が終わるまで順番待ちになってしまうことがあります。いかにスピード車検を売りにしているとしても、1日に対応できる台数はある程度限度があります。
原則的に車検は車によって車検時期にばらつきがありますので、毎年予約が殺到するような繁忙期はありません。運悪く混雑するタイミング、混雑する店に依頼した場合には、数日待つことになってしまうでしょう。
整備士の人数が少ない
整備士の人数が少ないために順番待ちとなることがあります。車検専門業者やカー用品店は常駐の整備士の人数が多い傾向があり、民間の整備工場ではギリギリの人数で回しているところも少なくありません。
人数が少ない工場では分業もしにくく、1日に対応できる台数が限られるため、依頼から完了まで数日待たされることもあるでしょう。
また、ガソリンスタンドでは店員が車検場で点検を行うため、店での業務次第ではなかなか車検に取り掛かれないということもあります。店が混雑するかは予想がしにくいため、ガソリンスタンドへの依頼は予定終了時期をオーバーしてしまうことも視野に入れておく必要があるでしょう。
部品の調達に時間がかかる
点検により問題が見つかった部品を交換する際、車種によっては部品を取り寄せることがあります。比較的新しい国内車ならそれほど時間はかかりませんが、海外の車の場合、国内で部品が見つからず海外から取り寄せることも。古い国産車の場合、同じような部品を金属から削り出して作ることもあります。
車検の時間を短縮するコツ
短時間で対応できる業者が増えてきたとはいえ、それでも時間がかかってしまうことが多い車検。少しでも短い時間で車検を終わらせるためには、いくつかのコツを抑えておくとよいでしょう。
早期予約で空いている時期を抑える
短時間車検といえども、飛び込みで車検を受けに行ってすぐに対応してもらえるわけではありません。事前見積もりの予約を取ることは必須といえるでしょう。当日朝に申し込みOKという業者もありますが、実際に点検してみたら問題がいくつも見つかったとなると、整備・再点検と予定外の時間がかかってしまうでしょう。
早期に予約を取り、点検をしてもらう日を押さえておくことで、不要に待たされることを防げるでしょう。
日頃から定期的に点検
車検時期の点検で問題が見つかる他、認識している問題を車検のタイミングで直そうというユーザーもいます。車検時に整備項目が増えると、その後に何度も点検を受ける必要が出てくるため、車検完了まで時間がかかってしまいます。
日頃から定期的に点検を行い、車に何らかの問題があることを認識しているなら、早めに整備しておくことが車検時間短縮に直結します。
余裕をもって車検を依頼しよう
車検に出した後に何らかのトラブルが発覚した場合、車検切れの期日が迫る中再検査を行わなければなりません。万が一の車検切れの危険性を無くすためにも、余裕を持った手続きが望まれます。
車検の見積もりは無料
車検を受ける際に、前もって見積もりを取っておきましょう。車検専門業者、カー用品店、ガソリンスタンドなど各業者に見積もりを依頼し、どんな整備を行うか、またその金額を把握することができます。
見積もりには車検に向けて必要な整備項目が一覧で記載されます。業者によってどんな整備を行うのかを比較し、不要な整備を外す相談もしやすいでしょう。
自分の予算と求める整備内容を見積もりと比較し、最も適切な業者を選べるのは見積もりを取得する大きなメリットといえます。
車検の予約は1か月~2週間前
車検の予約は一般的に、1か月から2週間前に受け付ける業者がほとんどです。車検専門業者やカー用品店ではインターネットでの予約を受け付けますが、ガソリンスタンドや民間の整備工場では予約システムを持たず、電話でのみ受け付けできる業者も多いようです。
見積もりを取る際、業者は見積もりの提示と一緒に車検の予約を取りたがります。他の業者との見積もりの比較をしたい場合には、その勧誘に負けずに他の見積もりが出揃うのを待ちましょう。
まとめ
近年短時間化が進む見積もりですが、現在でも数日の時間がかかるケースは少なくありません。業者の対応方針により数日かかる場合もありますが、依頼した車の状態や車検予約の手配が原因で伸びてしまうこともあります。
車検を短く済ませるためのコツをうまく活用し、短時間で終わらせられるように工夫してみましょう。