車検は自動車税を払っていないと受け付けられません。普通車の場合は納税確認の電子化により自動車税納税証明書は省略できることがほとんどですが、例外にあてはまる場合や、軽自動車については必要となります。そこで、自動車税納税証明書の入手方法や、手元にない場合などの対処方法などについて解説します。
自動車税納税証明書とは?どこでもらえる?
自動車税納税証明書とは、車を所有している場合に毎年支払わなければならない自動車税を支払っていることを証明する書類です。自動車税は、4月1日時点で車を所有し、ナンバープレートを交付されている場合に課税される税金で、2019年10月1日からは、正式には普通車の場合は自動車税(種別割)、軽自車の場合は、軽自動車税(種別割)という名称に変更されました。自動車税は、毎年5月末(一部自治体は6月末)までに支払う必要がありますので、4月末~5月頭ごろまでに納付書が送られてきます。この納付書についている右半分の部分が自動車税納税証明書です。窓口で現金で支払い、収納印が押されれば証明書としての効力が発生します。
本来、車検時には自動車税を納付済みであることを証明するために自動車税納税証明書を提出しなければなりませんでした。しかし、2015年より国土交通省と都道府県のシステムの連携が行われ(納税確認の電子化)、条件を満たす場合には提出を省略できるようになりました。
自動車税納税証明書は、先に述べたように以下の窓口で支払った場合に、支払いと引き換えにもらうことができます。
・金融機関(銀行、郵便局、信用金庫など)
・コンビニエンスストア
・都道府県税事務所、自動車税事務所(普通車)
・市町村窓口(軽自動車)
インターネットのオンライン手続きやPay-easy、クレジットカードでも自動車税の納付が可能ですが、これらの場合には、納税を済ませても収納印がもらえません。そこで、自動車税納税証明書が必要となった場合には、税金を支払った税事務所や運輸支局(軽自動車については市町村)に納税証明書を請求します。
口座振替によって支払いを行っている場合には、納税証明書の発行は自治体により取り扱いが異なります。普通車の自動車税については、納税確認の電子化にともない納税証明書の発送を取りやめている自治体 も増えてきています。必要となる場合には請求を行いましょう。
自動車税納税証明書が発行されない支払い方法でも、後日証明書の発行を依頼することはできますが、支払い手続き直後に行えるわけではありません。支払いデータが反映されるまでには時間がかかります。そのため、直近に車検を控えている場合には、オンラインやクレジットカードでの納付は行わず、納税証明書がすぐに受け取れる金融機関や自動車税事務所、コンビニエンスストアなどの窓口で行うようにしましょう。
たとえば、クレジットカード納付の場合はカード会社から自治体への支払いが行われてから証明書の発行が可能となりますので、2~3週間前後かかるといわれています。 証明書発行までにかかる日数の目安は、各自治体のホームページなどに記載されている場合もありますので、事前の確認をおすすめします。
自動車税納税証明書の提出を省略できる条件
自動車税納税証明書は、2015年より納付確認の電子化が始まりましたので、次の条件を満たす場合には納税証明書の提出を省略できます。
・自動車税を滞納していない
・納税から2~4週間程度経過している
・普通車の継続検査構造等変更検査 の車検である
では、それぞれの条件について、詳しくみていきましょう。
まず、自動車税を滞納している場合ですが、自動車税および延滞金に未納がある場合には省略はできません。滞納状態では車検を通すこともできません。
納税から2~4週間程度経過している必要があるのは、先に述べたように支払い方法によっては納税からデータが反映されるまでにタイムラグがあるからです。データ反映までの時間は自治体や支払い方法によって差がありますので、車検予定日が近い場合には、納税証明書が手元に残る窓口で支払いましょう。
なお、軽自動車については市町村管轄のため、納税確認の電子化には現状対応していません。提出の省略はできず、車検には必ず自動車税納税証明書を提出する必要があります。手元にない場合には再発行の手続きを行わなければなりません。
自動車税納税証明書の注意点(再発行引っ越し未納)
自動車税納税証明書は、普通車の車検では提出を省略できるケースが多いです。しかし車検以外に必要となる機会もあり、大切なものであることには変わりありません。車を売却したい場合にも必要になります。ここでは、自動車税納税証明書について注意すべきポイントをご紹介します。
必要な場合は再発行可能
自動車納税証明書が必要になった場合には、紛失していた場合でも再発行できます。自動車税を支払った自動車税事務所や運輸支局、軽自動車の場合には市町村で手続きを行います。手続きには、一般的には車検証、印鑑、身分証明書などが必要です(都道府県によっては不要の場合もあります)。なお、証明書は即日受け取ることができます。
引っ越した場合
県外に転出して自動車税納付の時期までに車検を受ける場合で、納税証明書の省略可能条件にあてはまらない場合には、車検時に転出前の都道府県の納税証明書が必要になります。オンライン支払いや紛失などで手元にない場合には、転出前の管轄税事務所に再発行の手続きを依頼しましょう。遠方の場合には、郵送による請求も可能です。必要書類や手続き方法については税事務所によって詳細が異なりますので、ホームページなどで確認してください。入手まで時間がかかることも想定されますので、早めに行っておきましょう。
また、引っ越しのタイミングによっては、納付書が届かずにうっかり納付を忘れてしまうという可能性もあります。自動車税の納付書は、4月1日現在の車検証記載の名義人住所に送られます。引っ越しの際には車検証の住所変更が必要で、変更手続き後は新住所に納付書も送られるようになります。ただし事情があり、すぐに車検証の住所変更ができない場合には、自動車税の住所変更の連絡 が必要です。また、納付書が届かないという場合には、管轄の自動車税事務所へ問い合わせを行ってください。
未納がある場合
自動車税納税証明書の車体番号の部分にアスタリスク(*)などの記号が表示されている場合、前年度までの分に未納 があるという印です。収納印がある場合でも、車検時に自動車税納税証明書として使うことはできません。未納分を納付したあと、納税証明書の請求が必要になります。
売却所有権解除の場合にも必要に
自動車を売却する場合にも自動車税納税証明書が求められます。自動車税は4月1日現在の名義人に請求されるため、仮に自動車税を未納のまま売却した場合、次の名義人は車検を受けられないことになってしまいます。自動車納税証明書は売却手続き自体に用いるわけではありませんが、未納分をめぐってのトラブルを防ぐために必要になるのです。
また、ローンの支払いが終わり、車の所有権をローン会社から自身に変更する場合にも、自動車税納税証明書が必要になります。
まとめ
自動車税納税証明書は、普通車の車検においては電子化が進んでいます。多くの場合で省略できるようになってきていますが、税金を支払っている証明となるのできちんと保管しておきましょう。小さな書類なので見落としがちですが、車検証などと一緒にまとめておくことをおすすめします。また、紛失やそもそも発行されず手元にない場合でも再発行ができますので安心してください。