車検は期限前に車検に出せるの?早く出すメリットデメリットを解説

2年ごとに受検しなければいけない車検は、2年経つ前に受けてもよいのでしょうか。また受けたらどうなってしまうのでしょうか。

今回は2年ごとに来る車検の期限を決める仕組み、車検を期限前に受けても損をしない方法についてご紹介します。

車検は期限前より早く受けられる?

 

一般的には2年に1度受検するとされている車検。この期日が来る前に次回の車検を受検することはできるのでしょうか。

車検はいつ受けてもよい

車検は一般的に満了日から1か月前までが期日とされていますが、車検を受ける期間に義務はなく、いつ受けても法的な問題はありません。極端な例をあげるなら、車検を受けた翌日に受けなおしてもよいのです。

病気やケガで入院してしまった、長期の留学にいくなど、何らかの理由で期日に受けられない場合、満了日より数か月前に受けるということも可能です。

満了日1か月前なら期限を引き継げる

満了日から1か月前までの間が車検の期間とされているのは、この期間の間に車検を受験し合格すれば、満了日から次の車検の期間が延長されるという決まりがあるためです。

この期間以外に車検を受けた場合は、合格した日から2年間が車検の有効期間となり、前回の満了日まで残っていた有効期間は無効となります。

例として3月31日が車検満了日の場合、3月1日から31日の間に車検に合格すれば、2年後の3月31日まで有効期間が延長されます。

しかし1月15日に車検に合格した場合、有効期限は2年後の1月15日までとなり、前回の車検で未経過だった1月16日から3月31日までの約2か月半の有効期間は無効となります。

指定工場なら45日前でも期限を引き継げる

もしどうしても車検満了日から1か月の間に車検に出せない場合、指定工場に認められた特例措置を使えば、最大45日前まで車検を前倒しして受けることができます。

指定工場は工場内に車検用の検査ラインを持っており、工場内で車検に必要な点検を行うことができます。指定工場で車検の点検を行い、保安基準で定められた基準を全てクリアすると、「保安基準適合標章」が発行されます。

保安基準適合標章は、その車が保安基準に適合していることを証明する書類です。この書類は15日間のみ有効となっており、その15日の間に管轄の陸運局で車検の手続きを済ませれば車検合格とされます。

車検は満了日1か月前から受検できるため、保安基準適合標章の有効期限の最終日を満了日1か月前の初日に当てることで、45日前に車検を受けることが可能となります。

保安基準適合標章が発行されると同時に、その時点の車検証は手続きのため業者に引き渡します。保安基準適合標章が有効な間は車検証を車に積んでいなくても違法状態にはなりませんが、15日が経過し無効になってしまうと「車検証不携帯」の状態となってしまい、処罰の対象となってしまいます。

期限前に車検にだすメリット・デメリット

車検は有効期限の残りを気にしなければいつでも出してよいことがわかりました。車検を満了日1か月前より早く出すことにはどんなメリット、デメリットがあるのでしょうか。

以下で紹介するメリット、デメリットを把握した上で専門業者に頼むのが良いでしょう。

メリット

最も大きなメリットして、都合の良い自由な時期に受けられる点があります。

前回の車検満了日に合わせて次回車検を受けると、定められたわずか1か月の間に受けなければなりません。車検は9月、2~3月が繁忙期であり、この時期は車検を受けに来たユーザーで非常に混みあいます。

この時期に車検を行う場合はなかなか予約も取れないことあり、最悪の場合には車検切れとなることもあります。

しかし期限前に車検を出すことで、これらの繁忙期を避け、余裕のある時期に車検時期が来るように調整することができます。

またユーザー自身の生活サイクルの中で忙しいシーズンが決まっているなら、その時期を外して余裕を持って車検を受けることができるでしょう。

デメリット

車検を期限前に出すことによるデメリットは、やはり車検の有効期間が無駄になってしまうことが挙げられます。

仮に3月1日~31日が満了日前1か月に当たる場合、2月中に次回車検を受ければ、無効となってしまう車検期間は1~2か月で済みます。しかし10月頃に受けることにすれば半年分が無効となり、高額な車検費用の4分の1を無駄にしてしまうことになります。

何度も車検時期をずらさないといけないようなことは少ないでしょうが、出来るだけ無効になる期間は短くなるように調整するとよいでしょう。

期限前より早めに車検にだす際の注意点

車検はできるだけ満了日から1か月前以内に出すことが望ましいですが、やむを得ない理由で早い時期に出さなければいけない事態になることもあります。

車検更新期間以外に車検を出さなければならない場合、どんなことに注意しなければいけないのでしょうか。

自賠責保険を延長か解約

自賠責保険は車検のタイミングで加入する強制保険です。車検が有効な期間中をカバーするように契約されますが、車検を前倒して受けた場合、自賠責保険の契約期間が数か月残っている状態になります。

その場合、新たなに契約する自賠責保険の期間を、前の契約期間を延長するように契約することで、前回の契約が無駄にならずに済みます。

また、もし半年以上の契約が残っており延長するのに気が引けるという場合には、古い契約を解約することも可能です。その場合には残りの期間に応じた還付金を受けることができます。

なお、自賠責保険と同じように法定費用として支払うものに自動車重量税がありますが、支払った自動車重量税分の期間を経過していないとしても還付はありません。

業者からの通知がずれる

車検の更新時期が近づくと、車を購入したディーラー、整備を依頼した整備工場、点検を依頼したカーショップなど、多くの業者から車検の通知が届きます。

これらの通知は、その業者を利用した時点で車検証に記載されていた車検の満了日に対し送られます。そのため車検を前倒して受けた場合、各業者が把握している車検のサイクルとずれるため、車検には関係ない時期に通知が届くようになります。

車検時期の把握に業者からの案内を頼りにしていたというユーザーは、その案内が適切な時期に届かなくなる恐れがあります。

業者によっては案内を送らないこともあるため、車検のお知らせを送ってくれる業者で車検を受ける、点検や整備を依頼する際に車検時期が変わったことを伝えるなど、適切な時期にお知らせが届くような工夫をしてみるとよいでしょう。

45日前車検に対応する指定工場は少ない

指定工場を利用すれば満了日の45日前から車検を受けることができますが、指定工場の資格を持つカー用品店や車検代行専門業者では、通常の手続きとは異なる対応になるため、前倒し車検に対応しないことがあります。

比較的前倒し車検を受けてくれやすい整備工場は、指定工場の認定を受けている工場自体の数が多くありません。

前倒し車検に対応してくれるかどうか、いくつもの業者に問い合わせをする必要があるでしょう。

車検は計画的に

車検を前倒すことで、自分の年間スケジュールに合った時期に車検時期を移動させることができます。しかし車検時期を動かした先が9月、2~3月に当たってしまうと、車検の繁忙期と重なってしまうため、次回以降スムーズに車検を受けられない恐れがあります。

自分の年間スケジュールを確認しつつ、車検の繁忙期をずらした時期に車検時期を移動させられるよう計画的に前倒し車検を行いましょう。

そのためにも早めに、どの業者に頼むのかを決めておく必要があります。インターネットなどで専門業者を比較して選んでおくと良いかもしれません。

まとめ

車検は満了日1か月前に受検しないといけない決まりはなく、好きな時期に受検することができます。

しかし車検満了日1か月前の車検更新期間に受けると、満了日から2年間の車検時期を延長できます。しかし、それ以外の時期では車検を受けた日から2年間の車検有効期間が始まるため、未経過の車検期間が無駄になってしまいます。

その上で、車検更新期間を外して車検を受けることには、自分に合ったスケジュールに車検時期を合わせるという大きなメリットがあります。移動させた先が車検の繁忙期に当たらないよう、計画的に車検の時期をコントロールしましょう。

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