飛び石の傷の修理方法や修理費用とは?自動車保険は使えるのか

安全運転を心がけていても、突然自分の車に小石が飛んできて、ボディーに傷がついたり、フロントガラスにヒビが入ってしまうことがあります。
飛び石の被害に遭ったらどうすればよいのでしょうか?また、飛び石での車の修理にはどれくらい費用がかかるのか、自動車保険は使えるのか、飛び石の予防はできるのかなどについて見ていきたいと思います。

車の飛び石とは

車の飛び石は、道路を走っている時に、前走車などのタイヤが小石を巻き込み跳ね上げることによって、ボディーやフロントガラスなどに傷をつけてしまうことを言います。特に高速道路ではスピードも出ていることから、石が高く跳ね上げられることも多く、車へのダメージが大きくなりがちです。だいたい60km/h以上の速度が出ているとフロントガラスに飛び石によるヒビが入るそうです。また、トラックやダンプカーなど大型車のタイヤには大きめの石が挟まっていることもあるため、飛び石の傷も大きくなる可能性が高くなります。実際、トラックなど大型車の後ろを走行していてたら、石が飛んできてフロントガラスに大きなヒビが入ったなどという被害も少なくありません

飛び石が起こりやすい季節

飛び石は普段でも起こってしまうものですが、特に起こりやすい季節というのが、冬の初めと春になります。
これは、路面の状況とタイヤの質・形状によります。スタッドレスタイヤは、夏タイヤより柔らかく、タイヤの溝も深くなっています。スタッドレスタイヤなど冬用タイヤに切り替える頃は、まだ雪がそれほど積もっておらず乾いているところが多い状態です。そういった路面を小石を挟みやすい冬タイヤで走ることによって、飛び石が起こりやすくなります。また、雪解けの季節は冬の間にまかれた砕石や砂利などが道路上にまだ残っているため、飛び石を起こしやすくなるそうです。

車の飛び石を前走車の責任にできる?

自分の車が跳ね上げた石で自分の車に傷がついてしまうのは、まだ諦めがつきそうなものですが、他の車が跳ね上げた石で傷をつけられたとなると、責任を取ってもらいたいと思う人もいるかもしれません。

車の飛び石は誰の責任になるのでしょうか?

道路交通法には、車のドライバーは道路上にある石に注意を払う義務があるとは明記されていません。ドライバーが守るべきものとして「安全運転の義務」というものがありますが、それに関しても、道路上の小石を回避しなかったからといって、責任を問えるものではないと言えます。誰かに責任を追及しようと思っても、飛び石の原因となった石が他の誰かの積載物であったものなのかということや、飛び石の存在を把握していながら道路管理者が撤去していなかったからなのか、など複数の要素が絡んできます。そのため現実的には、石を飛ばしたのが前走車だとわかっていたとしても、責任を追及することは難しいと思われます。

また、中古車を購入した時などに、車を陸送してもらうといったこともあるかと思いますが、車の輸送中についた飛び石の傷についても、輸送業者に過失がない限り、責任を問うことは基本的にできないことになっているようです。

車が飛び石の被害に遭った時はどうすればいい?放置してもいい?

車の飛び石の傷はとても小さいものが多いので、そのまま何もしないことが多いかと思います。しかし、飛び石の傷をそのままにしておくと、思わぬ弊害が生じてしまうこともあるようです。車が飛び石の被害に遭ったら、まずどうすればいいのでしょうか?また、飛び石の傷を放置することによって、車にどういった悪影響を及ぼすのでしょうか?見ていきたいと思います。

車が飛び石の被害に遭ったらどうすべき?

もし飛び石によって車のフロントガラスにヒビが入ってしまうと、初めは小さなものだったとしても、走行中に次第にヒビが大きくなることもあります。そうなると、運転に支障をきたし、近くの車を巻き込んで事故を起こすことも考えられます。飛び石の被害に遭ったらまず、警察に状況を報告しておくのがよいでしょう。保険については後でご説明しますが、もし修理が必要となった場合に保険の補償を受けることがあるかもしれません。その場合に備え、まず警察に届出をすることを忘れずに行ってください。

車の飛び石を放置すると…

車の飛び石の傷はほとんどが小さいものなので、あまり気にならない人もいるかもしれません。小さい傷なので…と、そのまま飛び石の傷を放置してしまうとどうなるのでしょうか?

ボンネットやバンパーの飛び石の傷は、深い傷がついてしまうとパネルがサビる原因となってしまいますし、たとえ浅い傷だったとしても、その部分に水が溜まって水垢がつくことにもつながります。そして、飛び石の傷がフロントガラスについてしまっている場合は、絶対にそのまま放置しないようにしてください。特に気温が高くなってくる時期は、日差しによって温められたフロントガラスが、エアコン使用により急激に冷やされることになり、目立たなかった飛び石の傷が突然ヒビ割れすることも多いようです。また、走行中の振動や風圧により、飛び石の小さな傷が大きくなるこもあるとのことです。小さい傷のうちに修理をすればそれほど修理代金もかかりませんが、放置によってその傷が広がってしまうと、フロントガラスを交換しなければならなくなることもあります。フロントガラスの交換となると、修理代金もかなり高額になってしまいます。

また、欠けた程度の傷なら大丈夫かもしれませんが、フロントガラスに飛び石の傷があると車検が通らない可能性が高いようです。車の飛び石の傷は放置せず早めに修理しておくのがいいでしょう。

車の飛び石傷の応急処置

車のフロントガラスの飛び石の傷を放置していると、走行中に傷が大きくなってしまうことがあると上記でご説明しました。しかし、すぐに修理に出せないこともあるかと思います。そういった場合の応急処置方法をご紹介します。

飛び石の傷用の応急処置シールを貼る

飛び石の傷の応急処置としてシールが市販されています。傷やヒビの汚れを取り除いてから、シールを貼ってください。

UVレジン液を使う

UVレジン液は紫外線を浴びると硬化します。飛び石の傷に流し込み、日光を当てて固めてください。

いざという時のために、上記の2つのどちらかは車のダッシュボードなどに入れておくとよいでしょう。もし、どちらもすぐに手に入らないというような場合は、セロハンテープで代用するという方法もあります。しかし、セロハンテープは耐水ではないので、水に濡れると効果がありませんし、ワイパーを使うことですぐ剥がれてしまいます。あくまで晴れた日の短時間の使用にとどめておいてください。

飛び石で車のフロントガラスについた傷はどうすればいい?

車のフロントガラスに飛び石の傷がついた場合、フロントガラスを交換しなければいけないのかと不安に思われる方もいるかもしれません。簡単な修理ですむのか交換をしなければいけないのか、その基準と、自分で修理する場合の方法を見ていきたいと思います。

フロントガラスの修理か交換の基準は

フロントガラスに飛び石の傷が入った場合、修理になるのか交換になるのか、基準がわからない方も多いかもしれません。一般的に、フロントガラスの交換が必要になるのは、傷の大きさが500円玉を超えた場合とされているようです。フロントガラスの傷に500円玉を当てて、傷の大きさを確認してみてください。しかし、500円玉より小さな傷であっても、修理ではなく交換になる場合もあります。

500円玉より小さな飛び石による傷で、フロントガラスが交換になるケースをご紹介

デフロスターの近くに飛び石の傷がある場合

フロントガラスについているデフロスターは、温風を吹きつけることでフロントガラスの曇りを除去し、ドライバーの視界を確保するためにつけられている装置です。このデフロスターの温風が当たる場所に飛び石の傷ができてしまっている場合、温風による急激な温度変化によって傷が広がったり、最悪の場合、フロントガラス全体が割れてしまうといったことも起こり得ます。従って、修理ではなく交換が必要となってきます。

フロントガラスの端から10~20cm以内にできた飛び石の傷の場合

フロントガラスの端の方に飛び石の傷ができてしまっている場合は、走行中の振動によって、ヒビが大きくなったり、割れにつながることが考えられます。フロントガラスの端から大体20cm以内に飛び石の傷ができてしまっているなら、フロントガラスを交換してください。

フロントガラスの飛び石の傷がドライバーの視界の邪魔になる場合

飛び石の傷がドライバーの視界を遮る場合も、安全性の観点から交換することになります。また、そういったドライバーの視界の邪魔になる傷は車検も通りません。

自分で修理できる傷なら

飛び石の傷が軽い場合は自分で修理を行うこともできます。市販のガラスリペアキットは1,000円~4,000円ほどで手に入りますので、費用を気にせず手軽に修理ができます。市販のガラスリペアキットを使って、自分でフロントガラスの飛び石の傷を修理する手順は以下のようになります。

1.フロントガラスを乾いた布できれいに拭く

2.飛び石の傷の中に入っている汚れを取り除く(ピンセットや針、綿棒などを使って丁寧に汚れをとる)

3.付属の台座を飛び石の傷の周りに取り付ける

4.補修液を飛び石傷に注入し、付属の器具で減圧と加圧を繰り返す

5.保護フィルムを貼って乾燥させる

6.はみ出した補修液をカミソリで削る(フロントガラスに傷をつけてしまわないように気をつける)

こちらの手順で、ご自身でフロントガラスの飛び石の傷の修理ができます。リペアキットにより多少の違いはあるかと思いますので、取扱説明書を確認してください。上記のようにフロントガラスについた飛び石の傷は意外と簡単に修理ができます。しかし、修理中に新たに傷をつけてしまったり、きれいに仕上がらなかったりと説明書通りにはいかないこともあるようです。

また、補修液が不十分で、しばらくすると飛び石の傷が広がってしまうといった可能性もありますので、自分で修理をするのが不安な方は業者に依頼するほうがよいかと思います。

フロントガラスの飛び石の傷はどこで修理・交換する?費用や時間は?

では、自分で修理するのではなく、飛び石の被害に遭ったフロントガラスの修理や交換を依頼する時は、どこにすればいいのでしょうか?かかる費用や時間も合わせてご紹介したいと思います。フロントガラスの修理・交換を受けてくれるのは、ディーラーや、ガラス専門店、自動車修理工場などになります。ガラス専門店に依頼すると、自動車修理工場やディーラーより修理費用は抑えられるようです。

フロントガラスの修理にかかる費用と時間

フロントガラスの飛び石の傷の修理にかかる費用は、ガラス専門店なら15,000円~、ディーラーや自動車修理工場では30,000円~が相場となっているようです。飛び石の傷の大きさによって価格は変わってきます。ディーラーや自動車修理工場では、フロントガラスの修理や交換は自社では行わずガラス専門店に外注していますので、中間マージンが上乗せされ、その分修理代金が高くなってしまいます。どこに修理を依頼しても、修理の内容に違いはほとんど出ませんので、フロントガラスの飛び石の傷の修理は、ガラス専門店に直接依頼するのが一番コストを抑えることができるかと思います。

フロンガラスの修理にかかる時間についてですが、傷の大きさにもよりますが、修理をする場合は60分ほどで作業が終了するようです。ガラス専門店に修理を依頼した場合は1日で終わるかもしれませんが、ディーラーや自動車修理工場に依頼すると、外注になりますので数日かかるかと思われます。

フロントガラスの交換にかかる費用と時間

フロントガラスの交換費用は、ガラス代、ガラス交換工賃、必要部品代によって計算されます。

フロントガラス代…交換する新しいガラスの代金(ガラスの種類によって金額が変わります)

フロントガラス交換工賃…フロントガラス交換の際の作業代金

必要部品代…ガラス交換に必要な部品代金(モールやスペーサーと呼ばれる金属部材など)

また、交換するフロントガラスの種類によっても金額が異なります。

純正品に交換する場合…100,000円~

国産社外品に交換する場合…80,000円~

輸入品に交換する場合…70,000円~

SUVなどフロントガラス面積が広い車は、フロントガラスの代金が高くなるため修理費用も高くなりますが、反対にコンパクトカーや軽自動車などフロントガラス面積が狭い車は費用も安くなります。
フロントガラスの交換にかかる時間ですが、交換の作業自体は1時間ほどでできるようですが、接着剤を乾かすのに4~5時間かかるとのことです。

飛び石で車のボディやボンネットについた傷はどうすればいい?

飛び石の傷は小さいものが多いのでなかなか気づきにくいかもしれませんが、飛び石の傷を放置しているとサビや水垢の原因にもなります。洗車をする際には、飛び石の傷がついていないか念入りにチェックしておいたほうがよいでしょう。それでは、飛び石で車のボディやボンネットなどに傷がついてしまった時はどうすればいいのでしょうか?

ボンネットなどについた飛び石の傷を自分で補修する場合

車のボディにできた薄い擦り傷など、塗装面の上に乗っている傷の場合は、コンパウンドなどで磨いていけば傷は落ちていきます。しかし飛び石の傷の場合は、塗装そのものを剥がしてしまっていますので、コンパウンドをかけても傷は消えてくれません。塗装が剥がれてしまっていますので、塗装をし直すといった作業が必要になります。そのようなボンネットなどについた飛び石の傷は、市販されている飛び石の傷用の補修キットで補修することができます。飛び石の傷の補修キットを用いた補修方法を見ていきたいと思います。

ボディについた飛び石の傷の補修手順は

1.塗装はじきを防ぐため、飛び石の傷がある部分をアルコールなどで脱脂します(キットに脱脂用のシートが入っている場合もあります)

2.傷の周りにマスキングテープを貼ります

3.飛び石の傷部分にタッチペンを塗っていきます(少量の塗料を数回に分けて塗り重ねる)

4.乾燥させる(塗料や季節によっては乾燥に数日かかることもあるようです)

5.塗料が乾いたら、サンドペーパーで磨く

6.マスキングテープを剥がす

7.コンパウンドで磨いて、サンドペーパーの削り跡を消す

8.光沢が出たら完成、仕上げにワックスでツヤ出し

上記のような手順で補修していきます。タッチペンは車のカラーナンバーと同じ色が市販されています。カラーナンバーは「型式表示プレート」に記載されており、エンジンルーム内やドア当たり部にありますので、確認して必ず同じ色のタッチペンを選ぶようにしてください。タッチペンの金額は大体700~800円ほどです。

手順だけを見ると簡単そうに思えますが、塗料の表面が滑らかにならなかったり、塗りが浅かったため、後でサビが出てきてしまったり…といった場合もあるようです。自分で補修するのが不安な場合は、業者に修理してもらうのがいいでしょう。

修理を依頼したら費用はどれくらい?

飛び石の傷の修理を依頼した場合の費用ですが、小さい飛び石の傷なら1万円ほどで修理してもらえます。傷が深い大きめのものなら、3万円くらいするとのことです。しかし、小さい飛び石の傷であっても傷の中が既にサビている場合や、気付かないほどの目立たない飛び石の傷が多く存在したりすることもあるそうです。そうなってくると、修理にかかる金額も予想していたより高額になります。修理をしても、車にはまた新たな飛び石の傷がついてしまうものですので、毎回全ても修理するとなると金額的にもとても負担になります。目立たない部分についた飛び石の傷は、できるだけ自分で早めにタッチペンで補修しておくほうがいいのかもしれません。

車の飛び石の傷の修理に保険は使える?

ボディやボンネットについた飛び石の傷は、タッチペンを使い自分で補修すればコストもかかりませんし、修理に出した場合でも1~3万円程度です。しかし、飛び石の傷でフロントガラスを交換しなければならない場合は、純正品なら10万円とかなり高額になってしまいます。できるなら保険を使って自己負担額を少なくしたいと思うのは当然ですが、飛び石の傷の修理に保険は使えるのでしょうか?もし保険を使う場合に注意点などはあるのでしょうか?

車の飛び石の傷に使える保険

結論から申し上げますと、車の飛び石による傷の修理に保険は使えます。飛び石による傷は、車両保険によって補償されます。車両保険には、補償の幅が広い「一般型」と、補償範囲が限定される「エコノミー型」があります。一般型とエコノミー型では補償内容は少し異なりますが、飛び石の傷は、「飛来中または落下中の他物との衝突」に当てはまりますので、どちらのタイプの車両保険でも飛び石による傷は適用されます。

事故の例一般型エコノミー型
落書き・いたずらなど
他自動車との衝突・接触
飛来中または落下中の他物との衝突
盗難
火災・爆発
台風・洪水・竜巻など
電柱に衝突×
当て逃げ×
自転車との接触×
地震・噴火などの災害××

※上記の表は一般的なものになります。詳しくは保険会社にお問合せください。

車の飛び石の傷に保険を使う際の注意点2つ

高額な修理代がかかるフロントガラスの交換に、車両保険が使えるというのはとても嬉しいことです。修理代を安く抑えることができる!と喜んでしまいたいですが、注意しなくてはならない点が2つあります。

翌年度の保険の等級が下がる

自動車保険の保険料は等級制度によって決められ、事故を起こした人の保険料が高くなるように設定されています。飛び石による被害は、自分で起こした事故ではありませんが、飛び石の傷の修理に車両保険を使うと、残念ながら翌年度の保険の等級は1つ下がってしまいます。等級が下がるということは、翌年度の保険料が高くなってしまうということですので、飛び石の傷の修理代を安く抑えられても、支払う保険料が高くなり、トータル的に支払う額が増えてしまう可能性もあるのです。

保険会社の免責分は自己負担になる

車両保険はあらかじめ免責分というのが設定されています。飛び石の傷による修理代金より免責分を引いた額を、保険会社が負担することになります。例えば、飛び石の傷によってフロントガラスの交換に10万円かかる場合、免責金額を5万円と設定していると、フロントガラス交換代10万円-免責分5万円=保険会社負担5万円 となり、保険会社から払ってもらえる額は5万円となります。免責分のことを忘れている方もいらっしゃいますので、免責金額がいくらなのか契約内容を確認してみてください。

また、修理代が免責金額を下回る場合は、車両保険で保険は下りません

まず見積りを取って保険を使うか判断を

飛び石の傷を修理する際に車両保険を使うかどうかは、修理費用の見積りを出してもらってから判断するのがよいでしょう。免責金額分は自分で支払わなくてはなりませんし、もし車両保険を使った場合、翌年度の保険料がいくらになるのかも知る必要があります。自分で払う修理費用が、今後増える保険料よりも上回るなら、車両保険を使うのもよいかと思われますが、修理費用の方が安く抑えられるなら、保険は使わず実費で修理をしたほうが得と言えると思います。飛び石の傷の修理を、保険を使わず実費で対応するとなった場合、見積りの金額より修理費用を抑える方法として、フロントガラスの種類を変更するという方法もあります。

もし見積りの時点で、純正品のフロントガラスとの交換をお願いしていたなら、もう少し安い国産社外品に変更したり、国産社外品で見積りを出してもらっていたなら、輸入品に変更すると少しコストが抑えられます。このように、飛び石傷の修理に車両保険を使うかどうかは、修理代の見積り金額と、今後支払う保険料の増加分の金額を比べながら、よく考えて判断するようにしてください。もし判断に迷ったら、保険会社に相談するのが良いでしょう。

車への飛び石を防ぐには・・・

これまで、車の飛び石の修理や費用、対処法、保険などについて見てきました。自分で修理をするのは面倒だし、自分の責任ではないのに修理代を払わなくてはいけないのは納得いかないし…など、飛び石の被害には遭いたくないと思われている方が多いかと思います。残念ながら、車への飛び石を100%防ぐ方法はありません。しかし、飛び石が起きやすい状況を把握しておくことで、車が飛び石の被害に遭う確率を下げることはできます。飛び石の被害に遭わないようにするためにも、自分が飛び石の加害者になってしまわないようにも、予防方法を知っておくことが大切になります。

自分が飛び石を発生させないために

誰でも車の飛び石の被害に遭うのはイヤなものです。自分が飛び石を起こさないようにするにはどうすればいいのでしょうか?

タイヤの溝に小石が挟まっていないかチェックする

タイヤの溝に小石が挟まっていると、高速道路などでは遠心力によって、遠くまで勢いよく小石が飛んでいってしまいます。タイヤの溝に小石が挟まっていないか、たまにチェックするのも飛び石の加害者にならないために有効です。

走行中にスピードを出しすぎない

スピードを出しすぎると、飛び石も発生しやすくなってしまいます。スピードの出しすぎには注意をしてください。

スタッドレスタイヤなど冬用タイヤ装着時は特に気を付ける

スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤは、柔らかく溝が深いため、小石を挟みやすい形状となっており飛び石を発生させやすいことは前述しました。そのことを踏まえて、スタッドレスタイヤ装着時は、小石がタイヤに挟まっていないかのチェックはもちろん、スピードを出しすぎないなど、夏用タイヤより注意する必要があると言えるでしょう。

飛び石の被害を受けないために

車の飛び石の被害に遭う確率を下げるために有効な予防法もあります。

トラックやダンプカーなど大型車の後ろを避ける

トラックやダンプカーなど大型車の後ろは、どうしても飛び石の被害に遭いやすいと言えます。極力、そういった大型車の後ろは走行しないようにしたほうがいいでしょう。

車間距離を十分に開ける

飛び石が発生したとしても、車間距離が十分にとれていれば、飛び石の被害に遭う確率は下がります。特に高速道路では、速度と同じくらいの車間距離が必要とされていますので、時速100キロで走行するなら100メートル、時速80キロで走行するなら80メートルの車間距離をあけるようにしてください。

溝幅が大きい4WDタイヤの車の後ろは避ける

タイヤの溝幅が広いと石を挟みやすいため、飛び石が発生しやすくなります。4WDの後ろを走行するのは、できるだけ避けた方が、飛び石の被害に遭う確率も低くなると言えるでしょう。

スピードを出しすぎない

飛び石の被害に遭った場合、スピードがより出ていると、車へのダメージも大きくなってしまいます。高速道路でスピードを出すのは仕方がないことですが、飛び石の被害者になるだけでなく、自分が飛び石の加害者になる可能性も高くなりますので、必要以上にスピードを出しすぎるのは避けるようにしてください。

カーコーティングをする

車を前もってコーティングをしておくと、ボディをきれいに保てるだけでなく、少しの傷なら防止することもできます。飛び石の傷を完全に防ぐことはできないかもしれませんが、被害を比較的軽く抑えられるかもしれません。できるだけ車に飛び石の傷をつけたくないと思われる方は、カーコーティングをするのもいいかもしれません。

フロントガラスに保護フィルムを貼る

飛び石の傷を防止するフロントガラス保護フィルムがあります。この保護フィルムを貼っておけば、飛び石の傷を完全に防ぐことはできなくても、傷の深さを軽減することはできるようです。飛び石によりフロントガラスにヒビが入り交換するとなると、修理に出す時間もかかりますし、わずらわしさもあります。予防のために保護フィルムを貼っておくのもよいかもしれません。

まとめ

飛び石の被害に遭ってしまうと、自分は悪くなくても修理代を払わなくてはいけなくなってしまいます。飛び石の傷を放置しておくとサビが出てきてしまったり、走行中に傷が大きくなることもあります。また、保険を使うにしても、翌年度の等級が下がってしまったりと、良いことはひとつもありません。飛び石は完全に防ぐことはできませんが、被害者にも加害者にもならないために、できる限りの予防はしていきたいものです