【最短で終わらせたい!】車検にかかる日数はどれくらいなの?

車を所有しているなら、2年に1回は必ず車検を受けなければなりません。車検に出している間は代車を借り、何日も慣れない車に乗らないといけないイメージを持つ人は多いでしょう。

しかし近年では車検はスピード化が進んでおり、代車を借りる必要がないほど早く終わる車検も登場しています。今回は車検にかかる時間の目安についてご紹介します。

車検の最短期間はどれぐらい?

  

国道沿いなどに「当日車検」「スピード車検」といった旗が並んでいるのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。車検は業者間でスピード競争が激化しており、どんどん短時間化が進んでいます。

スピード車検は最短30分

かつては車検といえばディーラーか整備工場に出すしかないイメージでしたが、近年ではカー用品店やガソリンスタンド、車検代行専門業者などの後発業者が車検に参入し、スピード化と値下げが大きく進んでいます。

カー用品店・車検代行専門業者では、店舗内に車検の検査ラインを設置。車検場に行かなくても車検を完結させることができるため、開始から終了まで当日内で終わるスピード車検を実現しています。

中には複数人の整備士による一斉整備・検査で30分以内に完了することも。かつては数日かかるのが当たり前だった車検が高速化しています。

ディーラーでも即日対応が増加中

短時間で車検を終わらせる業者は、車検に合格させるための最低限の点検・整備を行い、車検の検査ラインを通して車検に合格させています。ディーラーはそれとは対極的に、細かな点検と綿密な整備を数日懸けて行い、車の問題を全て取り除いたうえで車検に臨みます。

しかし忙しいビジネスマンが多い現代では、速度を売りにする業者に押されてしまっているのも事実。そのため要相談にはなりますが、ディーラーでも当日中に車検を終わらせるスピード車検に対応を始めています。

車検にかかる日数の目安

 

車検にかかる時間は短時間化する傾向にありますが、実際にはどの程度の内容に対し、どの程度の時間がかかるのでしょうか。

短期車検はほぼ整備無し

カー用品店、車検代行専門業者が掲げるスピード車検は、車検を依頼した当日中はもちろん、最短20~30分で終わりにするというような高速対応を売りにしています。

その内容は、全体的な点検を行い、ライトが切れているといった車検の不合格につながる個所を整備。車を車検のラインに乗せ、保安基準に則った点検を行い車検に合格させます。

非常にスピードが早く、車検のために何日も予定を開けられないユーザーにとっては嬉しいサービスです。

しかし従来の車検の際に行われていた12か月点検、24か月点検は行われないため、何らかのパーツに交換の必要が迫っていたり、車検の項目以外の問題が残っていても対応されないことがあります。

ディーラーや整備工場は2~3日

他の業者に押されるようにスピード化対応を始めているディーラーですが、基本的には車検で車を預かった後は、数日をかけてじっくりと点検・整備を行います。時間をかけるのはディーラーだけでなく、自動車整備工場もしっかりとした点検と整備を行うことに重点を置いています。

基本的な手順は、まず法定点検を行い、車の状態を確認します。その後法定点検で見つかった問題の解決や、交換時期が迫っているパーツの交換といった整備作業を行います。車の状態に左右されますが、この整備が最も時間がかかります。

一通りの整備が終わると、ここで初めて車検の検査が始まります。多くのディーラーや指定工場は施設内に車検ラインを持っているため、車を車検場に運ぶことなく車検を行えます。しかし一部のディーラーや認証工場は車検ラインを持たないため、他の店舗や車検場に持ち込み車検を受けます。

車検の結果、何らかの不具合や問題が見つかった場合には追加で整備を行います。合格できるまで何度でも検査と整備を繰り返し、保安基準に合格できる状態にもっていきます。

車検が長引く理由

最短なら数十分、通常でも2~3日で終わる車検ですが、場合によっては1週間以上かかってしまうこともあります。

車検の際にパーツの交換や修理が必要となった場合、その車にあったパーツを取り寄せて交換することになります。その場合は、まず対応してくれる専門業者の店舗を調べておくと良いでしょう。

比較的新しいモデルの車や人気車種である場合、交換用のパーツの取り寄せにはそれほど時間がかかりません。しかし年式が古い車や輸入車など、パーツが手に入りにくい場合には、パーツを扱っている業者を探すところから始まるため、入手が困難となる場合があります。

また一部の輸入車などでは構造が国産車と違うこともあり、慣れない整備士では整備の方法を学ばなければならず、さらに時間を要することになります。

古い車、輸入車など特殊な車を愛好するユーザーは、なかなかパーツが手に入りにくく対応できる整備士も少ないことを知っているため、対応可能な馴染みの整備工場を作っています。

もし自分の車が特殊な部類に入る車と思うなら、車検を受ける前に点検を依頼し、交換に必要なパーツを車検までに用意してもらい、徐々に馴染みの工場となってもらえるよう対策を検討しましょう。

車検選びのポイント

 

車検の代行は様々な業者が行っており、それぞれ特徴を持っています。簡素な代わりにスピードが早い、時間はかかるけれど整備の質が高いなど、それぞれの特徴を理解した上で車検を依頼する業者を選びましょう。

スピードを重視

スピードを重視したいなら、車検代行専門業者か、カー用品店がよいでしょう。どちらも近場の店舗を調べて探しておくとスムーズです。また店舗内に車検用ラインを持つ「指定工場」としての機能があり、予約を取って車検に臨めば、最短で20~30分で車検を完了させてくれます。

スピードを重視する分、点検・整備は車検に合格できる最低限のもので済まされます。事前に整備工場で法定点検を済ませておくなど、車の安全性に注意しつつ利用するとよいでしょう。

価格を重視

車検と言えば非常に高額の費用が掛かるというイメージがありますが、そのイメージを破壊するのがガソリンスタンドの車検です。対応内容は最低限である代わりに、店によっては1万円を切るほどの低価格で車検に対応します。

ガソリンスタンドは車検用のラインを持たないため、業務の合間の平日に車検場へいき車検を通します。そのため即日対応に対応してないところがほとんどですが、予約なしで土日に受け付けることもできるため、平日に仕事があるユーザーも利用しやすいのが利点です。

整備は非常に簡素で、車検代行業者やカー用品店以上に簡素な点検で車検を通します。車を整備・修理するための設備を持たないこともあり、ある程度手のかかる整備が必要な場合には対応できないこともあります。

価格面では車検代行業者やカー用品店も、安い車検プランを用意している業者が存在します。手数料として1万円ほどの費用が掛かり、込み具合によっては当日中の車検も可能ですが、原則として事前に予約を取る必要があります。

整備の質を重視

車検を機に車の問題点を全て解決したいというユーザーは、ディーラーや自動車整備工場を利用するとよいでしょう。

指定されたメーカーの車について最も詳しい代行業者はディーラーです。細かい個所まで綿密に点検・整備し、交換パーツは純正品を使用。最高の状態で車検に送り出すのがディーラーの大きなメリットです。

その分もうしばらく使えそうなパーツや消耗品も交換対象となることもしばしばであり、その分車検費用に跳ね返ってきます。

整備工場も技術力は高く、幅広い車種に対応します。交換パーツは再生品であるリビルド品を使うため、ディーラーに比べれば安い費用で済ませることができます。

どちらも一般的には車検に数日かかり、他のスピード重視や価格重視の業者に比べると高額になりがちです。高価で大切に乗りたい車や、古く珍しい車などは、じっくりと手を掛けてくれる業者で整備してもらうのがよいでしょう。

まとめ 

車検は他業種の参入の影響もあり、スピード化が進んでいます。当日中の車検は当たり前、最速で20~30分で済ませる業者も登場しています。

スピード重視の車検は手続きを済ませてくれますが、車の整備は最低限で済ませることが多く、車検後にも問題が残っているケースがあります。スピード車検を利用する際には別途法定点検を行い、車を安全な状態に保てるように気を配っておきましょう。