廃車にしたい!乗らない車の手続き・費用・処分の解説

長く乗ってきた愛車も、様々な理由でお別れをする日がやってきます。愛車を手放すためには廃車手続きが必要ですが、一口に廃車といってもどういった手続きが必要かわからない方も多いですよね。 廃車の手続きにはどういった種類があるのか、その費用、必要な書類やお得に廃車にする方法など、廃車のあれこれを余すところなくご紹介します。

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廃車の種類は2つ。乗らない車をどうしたいかで選ぼう

廃車には大きく分けて「永久抹消登録」「一時抹消登録」の2種類の手続きがあります。

永久抹消登録とは

永久抹消登録とは、すでに対象の車の解体が済んでいる場合、自然災害などで正常に走れなくなってしまった場合など、自動車としての実態がない車に対して行う手続きです。すでに解体済み、またこれから解体する場合のどちらにしても、その車は細かに分解され、自動車としての役割を完全に終えることになります。

一時抹消登録とは

一時抹消登録とは、自動車の使用を一時的に中止する場合に必要な手続きです。車検が切れてしまってしばらく乗る予定がない、また中古車販売業者が売れるまで車の登録を一時的に抹消したいという場合に行われます。一時抹消された車は、中古新規登録を行うことで、再び公道を走れるようになります。

廃車に必要な書類を準備しよう

廃車は各都道府県の運輸支局で行われます。その際、永久抹消・一時抹消ともにいくつかの書類を提出する必要があります。どういった書類を用意すれば良いか確認してみましょう。

永久抹消に必要な書類

永久抹消に必要な書類は以下の通りです。

自動車検査証

車検時に発行される書類です。一般的には車のダッシュボードに保管されています。

自賠責保険証明書

車検時に加入した自賠責保険の証明書です。自動車検査証と同じ場所に保管されていることが多いようです。

移動報告番号および解体報告日の記録

2005年1月1日以降、車両購入時にはリサイクル預託金を支払った証明として「リサイクル券」が交付されます。解体業者に依頼し、解体手続きが完了された後に報告を受ける「解体報告日の記録」と、リサイクル券に記載された「移動報告番号」が解体の証明となります。

実印、印鑑証明書

普通自動車の廃車を行う際には、実印および印鑑証明書が必要です。印鑑証明書は発行から3か月間のみ有効となるため、発行日には注意が必要です。
なお、軽自動車の廃車には実印・印鑑証明書は要らず、認印で手続きを行えます。

ナンバープレート

廃車対象の車の前後に着けられているナンバープレート2枚の提出が必要です。ナンバープレートは解体を依頼した廃車業者に外してもらうのが良いでしょう。

戸籍謄本、住民票

結婚や引っ越しにより、自動車検査証と印鑑証明書の氏名・住所が一致しなくなった場合、それを証明するための書類が求められます。

手数料納付書

廃車に関わる手数料を納付した証明書です。

一時抹消に必要な書類

一時抹消に必要な書類は以下の通りです。

永久抹消とほとんど変わりませんが、車両本体を解体する必要はないため、「移動報告番号および解体報告日の記録」は不要です。

廃車するにも費用が!どれくらい必要なの?

いざ廃車にする場合、手続きだけではなくそれに伴う費用が発生します。永久抹消・一時抹消でそれぞれ手続きが異なるため、費用の内訳・金額も変わります。

永久抹消に必要な費用

永久抹消登録を行うためにかかる費用の内訳をご紹介します。

解体費用

永久抹消の手続きの際、廃車対象の車を解体した報告日が必要になります。解体は専門の業者に依頼する必要があるため、解体の手数料が発生します。
解体費用は普通乗用車の場合、およそ1~2万円程度。また、対象の車がすでに動かない、車検切れなどの理由で解体業者まで自分で運べない場合には、解体業者までレッカー移動する費用も別途必要です。こちらも近場の解体業者まで移動するために、およそ1~3万円程度が必要になるでしょう。

リサイクル料金

2005年1月1日に施行された「使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)」により、車の解体時にはリサイクル料金が課せられます。リサイクル料金は原則として車購入時、または車検時に前もって支払った際にリサイクル券を受け取るため、2005年以前から一度も車検を通していない車両以外は、解体のタイミングで改めて支払う必要はありません。リサイクル料金は車によってその金額が上下します。普通乗用車の場合、おおよそ1~2万円程度とされています。

抹消登録申請書

運輸支局で購入する申請書の代金です。100円程度で購入でき、申請手数料はかかりません。

一時抹消に必要な費用

一時抹消登録手続きにかかる費用についてご紹介します。

レッカー代

対象の車が車検切れなどによって自走できず、抹消した車両を保管場所まで移動できない場合や、中古車販売店に持ち込めない場合には、レッカー移動が必要となります。移動距離にもよりますが、1~3万円程度と見込んでおくと良いでしょう。

抹消登録申請書

永久抹消同様、運輸支局で購入した申請書が必要となります。この申請書は100円程度で購入できますが、一時抹消の場合には申請手数料が別途350円求められます。

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廃車で税金や保険料が戻ってくる場合あり!

廃車の手続きを取ることで、その車両に対して支払っていた税金や保険料が還付されることがあります。永久抹消・一時抹消により還付される項目が異なっており、また軽自動車の場合もさらに還付の条件が変わります。

永久抹消では自動車税自動車重量税自賠責保険の残額が還付

永久抹消で還付される税金・保険料は次の通りです。

自動車税

自動車税は、毎年4月1日時点での自動車の所有者に課せられる税金です。税額は総排気量、用途によって定められています。自家用乗用車の場合の税額は以下の表の通りです。

自動車税は所有者にかかる税金であり、4月1日の時点で次の3月末までの分の税額を支払うよう定められています。そのため廃車により所有者が居なくなれば、自動車税を課税する対象が居なくなります。年度の途中で車を手放した場合、前払いしてある自動車税のうち、該当の車を保有しなくなった期間の税金が戻ってきます。還付は以下の計算式に基づき行われます。

支払った自動車税総額×残り月数/12か月=還付額

例として、排気量2リットルの自家用乗用車の廃車手続きを12月に完了させた場合、前払いした税金の残期間は1月から3月の3か月分とされ、すでに納付した税額39,500円に対する還付額は次のようになります。

39,500×3か月/12か月=9,875円

廃車手続き時に還付のための手続きを行う必要はなく、車の抹消手続きを行えば、自動的に自動車税の納付先である都道府県の税事務所まで連絡が届きます。ただし、都道府県によっては還付金を受け取るための書類等が必要になることもあるので、必要に応じて管轄の税事務所等へ問い合わせすると良いでしょう。

自動車重量税

永久抹消により該当の車両を解体した場合、自動車重量税もまた還付の対象となります。自動車重量税は以下のように年額が定められています。

自動車税は原則として新車購入時に3年分、継続車検時に2年分を前払いするため、以下のルールに基づいて還付されます。

支払った自動車重量税総額-(残り月数/総支払月数)

例として、初年度登録年月から9年目の1.8トン自家用乗用車で、2018年4月に継続車検を受け2019年3月に廃車にした場合の、総支払自動車重量税額32,800円に対する還付額は以下の通りです。

32,800円-(12か月/24か月)=16,400円

自動車重量税の還付手続きは、永久抹消登録申請書内で同時に行うことができます。自動車重量税は国税に該当するため、自動車税とは手続き先が異なります。また、自動車重量税の還付には審査があり、還付までに約3ヶ月かかるとされています。

自賠責保険料

自動車購入時に強制的に加入する自賠責保険も、廃車時の還付の対象となります。自動車税や自動車重量税同様、廃車した車両の残り契約期間が還付の対象となります。
自賠責保険は保険会社各社が扱っていますが、保険料は損害保険料率算出機構により算出された保険料で統一されています。

自賠責保険料は原則として新車購入時、または継続車検時に自動車重量税と同じタイミングで、同じ期間分支払われます。自賠責保険料の還付額の計算式は以下の通りです。

自賠責保険料の支払総額-残り月数/総支払月数

例として、自家用乗用車で2018年4月の継続車検実施時に24か月の自賠責保険を契約し、2019年3月に廃車にした場合の、総支払自賠責保険料25,830円に対する還付額は以下の通りです。

25,830円-12か月/24か月=12,915円

なお、還付金額の規定は各保険会社により異なるため、還付金額は多少前後する場合があります。
自賠責保険料の還付手続きは、各保険会社へ行う必要があります。手続きには廃車を行った証明となる書類が必要です。また、還付の計算は廃車日ではなく保険会社へ手続きを行った日が基準になりますので、廃車後も還付の手続きをしないままにしておくと、還付される金額が減る恐れがあります。

一時抹消でも自動車税自賠責保険料の残額が還付

永久抹消を行った場合には、前払いした自動車税・自動車重量税・自賠責保険料の残額の還付を受けることができますが、一時抹消でも同様に自動車税・自賠責保険料の残額還付を受けることができます。手続き方法、還付金額の基準は永久抹消と同様です。
ただし、一時抹消のように今後乗る可能性のある車両が現存している場合は、自動車重量税は還付の対象となりません。これは盗難や天災等による行方不明のように、所有者の意志とは関係なく車両の所在がわからなくなった場合も同様に扱われます。もし車両が行方不明になった場合、永久抹消を行えば自動車重量税の残額は還付対象となりますが、盗難から見つかった場合でも、再登録したからといって、もう一度乗ることはできません。

軽自動車の還付は注意

また、軽自動車の税の還付は、自家用乗用車とは違うルールで行われます。軽自動車の場合、元々の税額が安いこともあり、納付期間の残りに関わらず、自動車税の還付は行われません。自動車重量税、自賠責保険料は自家用乗用車と同様のルールで行われます。軽自動車も自動車重量税は永久抹消登録を行ってからでないと、還付の手続きは行えませんので注意しましょう。

知らないと損する?廃車の処分方法

これまでは一般的な廃車のルールについて紹介しましたが、廃車に関わる費用は安くなく、手間もかかることがわかりました。そんな手間も費用もかかる廃車を楽に、そして安く行う方法があります。

廃車手続きを依頼できる業者とは

ここまで廃車の手続きについてご紹介してきましたが、実際に自分で手続きを行うには費用も手間もかかるため、とても面倒だと感じる方もいるでしょう。そこで利用したいのが廃車を代行してくれる各業者です。車の状態や希望の廃車方法などによって、対応できる業者にも様々な種類があります。

ディーラーで下取り

車の処分の方法としてメジャーといえるのが、新車購入時に販売店であるディーラーで下取りしてもらう方法です。そのメーカーの車の価値を十分に理解しているディーラーは、中古車としての価値がある車を適切な金額で買い取ってくれます。
しかし下取り価格の基準は「中古車として販売価値があるか」となるため、動かない車や年代の古い車、走行距離が長い車などは値がつかないばかりか、処分費用を取られることもあります。

中古車販売店

ディーラー同様に、中古車としての価値が高い車を高額買い取りする業者です。流通網が強い中古車販売店では、ディーラーよりも高い買取価格をつけられる強みがありますが、やはり中古車として販売できる車を高く評価するため、状態の悪い車は無料引き取りや処分費用を取られることもあります。

ガソリンスタンドの引き取りサービス

近年では、ガソリンスタンドで廃車希望車両の引き取りサービスを行っているところが増加しています。無料引き取り、一律1万円などといったわかりやすい価格をアピールするスタンドが多いようですが、他の業者に任せれば買取価格がつくような車も無料引き取りの対象になるため、手続きの手間がかからない以上のメリットはありません。

ネットオークション

廃車する車を高く現金化したい場合、ネットオークションに出すという方法もあります。廃車同然の車から修理用のパーツを取りたいユーザーや、分解して資源化しているという業者であれば、ある程度の価格で売れる場合もあります。しかし、オークションへ出す前に廃車の手続きを行ったり、受け渡しに手間や費用がかかったりといったデメリットも伴います。

おすすめは廃車買取業者

廃車手続きを業者に任せるなら、最もおすすめなのは廃車買取業者への依頼です。廃車買取業者は、動かない・年代が古い・走行距離が長いといった、他の業者では買値がつかないような状態の車も査定し、買取価格をつけるのが強み。同時に依頼する廃車手続きは、一部の書類を用意する以外何もせずとも全て代行してくれるため、苦労なく車を処分することができます。

廃車買取業者が廃車を買い取れる理由

なぜ廃車買取業者は廃車を買い取ることが出来るのでしょうか。

使えるパーツを販売

廃車対象となる車でも、分解することで使用可能なパーツを救い出し、商品とすることができます。自動車は細かく分けると、およそ3万個のパーツから成り立つと言われています。それだけのパーツがあれば、同じ車種の修理用パーツとして活用できるものも多く含まれています。

金属資源として再活用

自動車はその大部分が鉄やアルミといった金属でできています。その金属のほとんどは鋼鉄への再精製、非鉄金属原料として売却されることで利益を生む宝の山となります。車一台から取れる資源は決して少ないものではありません。

海外向けに再販売

日本国内では10万キロも走れば買い替え、廃車の対象とされますが、他の国によってはまだまだ走り始めのように扱われます。それも日本製の自動車は頑丈で安全、燃費が良く高性能と高く評価されていることが土壌となっているため、日本では型が古い、長距離を走ったとされて現役を退いた車も、海外ではまだまだ第一線として歓迎されます。

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廃車買取業者に任せると節約できる費用とは

廃車対象の車を廃車買取業者に廃車手続きまで任せることで、通常発生する費用の多くを節約することができます。

解体費用

永久抹消には対象の車両の解体が必要不可欠ですが、廃車買取業者に任せることで、解体の料金も含めた買取査定額を出してもらえます。

レッカー代

車両を解体業者に運ぶ際、すでに車検が切れている・故障等により動かない場合など自走できない場合には、レッカーによる輸送が必要になります。一般的には1~3万円ほどの費用が必要になりますが、廃車買取業者による買い取りは、レッカーによる移動も含めた買取査定額となります。

永久抹消の手続きを全て任せられる

金銭面の支出が無くなるだけでなく、初めての方には煩雑に思える登録抹消の手続きも、全て廃車買取業者に任せることができます。依頼者に必要なのは、必要な書類を用意するだけ。税金や保険料の還付の手続きまで全て任せられるため、ほとんど手間はかかりません。費用が掛からないのと同じくらい、手間がなくなるのは大きなメリットと言えるでしょう。

まとめ

廃車に必要な費用に手間、また目的・状況別の手続きの内容は、初めて対応する方には非常に煩雑で、さらに思ったよりも費用もかかるものです。長年連れ添った相棒ともいえる愛車との別れとはいえ、廃車の手続きはなるべく安く手間をかけずに済ませたいもの。
何度も手続きのために運輸支局へ通わなくても済むように、必要な書類や手続きに漏れが無いようにしたいものです。廃車の手続きが行える業者はディーラー、中古車販売店など数多くありますが、最も金銭面でも手間の面でも負担がないのは廃車買取業者です。
他の業者では値がつかないような状態の車にも価値をつける上、廃車手続きに必要な費用や手間も負担してくれる廃車買取業者は、廃車希望者の強い味方。もし廃車が必要な時がきたならば、ぜひ廃車買取業者を利用してみましょう。