ディーゼル車が減税対象外へ!一部特例措置も

来年の2021年度に税制改正が行われます。これには、クルマに関わるエコカー減税や環境性能割も含まれ、ディーゼル車やクリーンディーゼル車にも大きく関係します。自動車関係税の見直しにより、クリーンディーゼル車の「エコカー減税」の期限において、2021年5月から2年間延長される方針で固まったとのことです。これには、日本を含める世界中でエンジンだけで走行をするクルマの販売を禁じようとする動きが進んでいることが大きく影響しているといえるでしょう。

こちらの記事では、エコカー減税の改正に関する詳細クリーンディーゼル車の特徴についてご紹介したいと思います。

エコカー減税の改正

エコカー

2021年より税制改正が行われることとなります。これには、クリーンディーゼル車を所有する場合に大きく影響を与えるとされています。では、なにがどのように変わるのでしょうか?クリーンディーゼル車にはどのような影響を与えるのでしょうか?2021年度のエコカー減税の改正について詳しくご説明いたします。

エコカー減税とは

エコカー減税とは、国土交通省が定める排出ガスと燃費の基準を満たす環境性能に優れたクルマに対する減税制度です。2009年に3年間の時限措置として導入されたエコカー減税は、開始から3年後である2012年以降も期間が延長されている形で実施されています。具体的には、自動車税と自動車重量税が軽減される優遇措置となっています。環境対応車への買い替え・購入に対する補助金制度(エコカー補助金)が実施されています。

クリーンディーゼルのエコカー減税の対象外へ

政府は、2021年度税制改正では燃費基準を達成したクリーンディーゼル車について、エコカー減税の免税措置を22年度まで適用する方針と固めました。現在(2020年時点)の制度では、電気自動車やプラグインハイブリット車と同様に2回目までの車検までは一律で免税となっていますが、2021年5月以降に関してはエコカー減税の対象から外れる形となります。しかし、自動車メーカーへの影響を融和するためにも、最初の2年間は初回の車検のみを免税とする特例を設けました。

排出ガスと燃費の基準を厳格化

2021年度税制改正により、エコカー減税の対象となる国土交通省が定める排出ガスと燃費の基準が厳格化されるようです。新たな燃費基準は2030年に採用される予定となっていますが、現在よりも4割ほども厳しくなるとされています。さらにこれらに加えて、2023年度からはクリーンディーゼル車もガソリン車と同じ取り扱いとなります。なお新しい燃費基準の60%を下回るガソリン車やハイブリット車については、エコカー減税の対象から外す方針とのことです。また2021年度税制改正以降は、電気自動車やプラグインハイブリッド車、燃料電池車や天然ガス自動車が免税措置を一律で受けることができるようになります。

クリーンディーゼル車の特徴

車

クリーンディーゼル車とはディーゼル機関エンジンを動力とする自動車です。燃料には軽油が用いられていることから、「軽油車」ともよばれています。2003年に地方公共団体が制定した「ディーゼル車規制条例」により、ディーゼルエンジンに代わり日本国内でも注目を集めるようになったクリーンディーゼル車は、環境保護に配慮した次世代自動車としても認定がされていました。では、そんなクリーンディーゼル車にはどのような特徴があるのでしょうか?クリーンディーゼル車の特徴について、ガソリン車・ディーゼル車のそれぞれと比較をしてご説明いたします。

ガソリン車との違い

クリーンディーゼル車とガソリン車の一番の違いは、エンジンの燃焼のさせ方です。ガソリン車では、空気と燃料を混ぜた混合気をシリンダー内で圧縮し、スパークプラグの火花で着火させて燃焼させます。一方、クリーンディーゼル車では、スパークプラグはなく自然着火で燃焼させます。また、ディーゼル車の燃料は「軽油」となっており、ガソリン車の燃料は「ガソリン」となっていることが大きな違いとなります。万が一、ディーゼル車にガソリンを間違えて入れてしまった場合には、燃料噴射ポンプが破損してしまう可能性も考えられます。セルフ式ガソリンスタンドなどでは、赤色が「レギュラーガソリン」、黄色が「ハイオクガソリン」、緑色が「軽油」となっていますので、給油ノズルの色を必ず確認し、注意するようにしましょう。

ディーゼル車との違い

クリーンディーゼル車とディーゼル車の一番の違いは、クリーンディーゼル車には「コモンレールシステム」が採用されているということです。コモンレールシステムとは燃料噴射システムです。一方ディーゼル車には、電子制御による燃料噴射システムが搭載されています。クリーンディーゼル車には、ディーゼル車で採用されている燃料を噴射しているポンプよりも高い圧力を燃料にかけることで、より細かい燃料噴射が可能となっています。また、ディーゼル車で問題視がされていたススの発生を抑えることにより、排気をクリーンにすることを実現しています。クリーンディーゼル車は、ディーゼルエンジン車と比較して窒素酸化物等の少ない環境にやさしい自動車となっています。ディーゼル車は日本ユーザーからはあまり馴染みがないクルマとなっていましたが、クリーンディーゼル車が登場したことにより、排ガス問題を含める大気汚染問題が改善されるとして発売当初日本でも多くの注目を集めました。

クリーンディーゼル車のメリット・デメリット

メリットデメリット

クリーンディーゼル車は、ディーゼル車の中でもとくに環境性能が優れている地球にやさしいクルマとして注目されています。では、そんなクリーンディーゼル車はガソリン車に比べて具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?まずはじめに、クリーンディーゼル車のメリット・デメリットについてみていきたいと思います。

クリーンディーゼル車のメリット

クリーンディーゼル車のメリットとしては、以下のようなことがあげられます。

・燃料代が安い
・ガソリン車に比べて燃費が良い
・環境にやさしい
・パワフルな走り
・免税対象のケースも

クリーンディーゼル車のデメリット

クリーンディーゼル車のデメリットとしては、以下のようなことがあげられます。

・購入時の車両価格が高い
・メンテナンス費用が高い
・寒冷地など低温では軽油が燃焼しにくい

まとめ

今回は、エコカー減税の改正に関する詳細やディーゼル車の特徴についてご紹介しました。いかがでしたでしょうか?最近では、欧州一部をはじめとする中国や米カリフォルニア州などで、ガソリン車やディーゼル車の新車販売を2035年までに禁止する政策を打ち出しています。同じく日本国内でも、ガソリン車の新車販売をゼロにする方針が検討されています。これからクルマ社会はどのように変わっていくのでしょうか。