車を売るときは同時査定をするべき?メリットとデメリットは?

車を売るときに、「同時査定」をするという方法があります。聞き慣れない言葉かもしれませんが、査定額を引き上げるのに有効な方法だそうです。メリットとデメリット、実際に行うときのコツや注意点を紹介します。

車の同時査定とは?どんなことをするの?

車を査定してもらうときは、中古車買取業者に直接持ち込むのと、指定したところまで出張してもらう二通りの方法があります。特に後者は、自宅で自分の都合が良いときに査定してもらえるので、自分のペースで進められるのがメリットです。車を持ち運ぶ手間がかかりませんし、車検切れや故障で動かせない車も査定してもらえます。

同時査定は、後者のメリットを活かした査定です。一度に2つ以上の業者に出張してもらい、査定を行わせます。2つ以上の業者を呼ぶのは、断られると思うかもしれません。けれども、同時査定をする客は意外と多いため、ほとんどの業者は快諾してくれます。

むしろ、そこで渋られるようであれば、その業者は候補から外しても良いでしょう。せっかく快諾してくれる業者がいるのですから、執着するだけ時間の無駄です。そのようなところが高値をつけてくれるわけでもありません。

流れとしては、日時を決めて候補となる業者に出張査定を依頼します。あらかじめ同時査定であることを伝えておくと親切です。伝えないと当日に査定を断られたり、してくれても印象が悪くなって高値をつけてくれなかったりする恐れがあります。

同時査定に参加してもらう業者の数は3~5つくらいです。それより少ないと高値は期待できないですし、多いのも収拾がつかなくなります。

当日集まってくれたら同時に査定をしてもらい、価格を提示した業者の中から、希望額に近いところを選んで終了です。ほかの業者にはお礼をいって帰ってもらい、残った業者と交渉を続けます。

車査定を同時にするメリットデメリット

本来、車の買値は査定の結果や再販するためにかかる経費、需要、業者間オークションの相場などを考慮して決まるものです。けれども、1つの業者だけに査定を依頼すると、競争相手がいないので自由に買値をつけられてしまいます。

複数の業者に査定を依頼すれば、それぞれが自社で買い取るために費用で勝負をしようとします。結果として、買値は1つの業者だけに依頼するよりも高くなる傾向があります。

また、複数の業者に査定を依頼する場合、1つずつ対応していたのでは手間や日数がかかってしまいます。買値はそのときの需要やオークションの相場によって変動するため、査定順によっては、本当に高値をつけてくれた業者を選べない可能性もあるわけです。

例えば4つの業者に日にちをずらして査定を依頼し、最初の業者が最も高い買値をつけてくれたので、ほかを断ったとします。けれども日数が経っているため、あらためて買値を問い合わせたところ、断った業者を下回ってしまった……という具合です。同時での査定ならば買値の提示も同時なので、こうしたリスクを避けられます。

ただし、同時査定はメリットばかりではありません。

業者同士はライバルであっても横のつながりがあり、必要があれば互いに助け合っています。特に同じエリアにあれば、仲良くしている業者も多いでしょう。

仮にA、B、Cと3つの業者に依頼して、いずれも横のつながりがあり、Bだけがその車を買い取りたいとします。そうなると、Bが買い取れるようにしていることも一部ではあるようです。つまり、Bが安い買値を提示しても、AとCがさらに安くなるといった手法です。

車を買取してもらいたいと考えている人からすると、その状況を把握するのは難しいので、エリアを分けて査定をしてみると良いでしょう。

また、これを防ぐ別の方法であれば、なるべく横のつながりが無さそうな業者を選ぶことが重要です。同時査定に参加する業者の数が多くなるほど、それを見極めるのが困難になってきます。

査定の時には、必ず強い意志を持つようにしましょう。業者ごとにたくさんの話を聞いて、ちゃんと自分の意見や話を汲み取って聞いてくれているか、業者側だけの意見になっていないかなど見定めることが必要となってきます。

車の同時査定で少しでも高く買取してもらうコツ

同時査定で少しでも高く買取してもらうには、いくつかコツがあります。まずは最低希望買取価格の提示です。あらかじめ「この価格なら売却します」と提示しておけば、少なくともそれ以下の買値をつけることはできません。業者を絞りやすくなり、スムーズに交渉できるようになります。

ただし、最低希望買取価格があまりにも相場とかけ離れていると、なかなか業者も話を聞いてくれません。同時査定をするなら、事前に相場を調べておくことが重要となってくるでしょう。

一番簡単なのは、車の査定サイトです。車種を入力するだけで、おおまかな相場を教えてくれます。色やグレード、年式、走行距離といった具体的な情報を入力すれば、より詳しく教えてくれますが、メールや電話番号など連絡先の入力を必須とするところがほとんどです。軽い気持ちで利用すると、殺到するメールや電話に悩まされます。

一部のメーカーでは、車種ごとの下取り参考価格を掲載していますが、これも下取りの価格であって、買取の価格ではありません。下取りは新車の値引額に相当するため、買取相場が高い車は安く、低い車は高くなりやすい傾向があります。

また、中古車販売価格から買値を割り出すことも可能です。もちろん、イコールではありません。通常は経費や利益が上乗せされるので、中古車販売価格の8~9割が業者向けオークションの落札価格、その9割程度が本来の査定額と考えれば良いでしょう。

ここから車の状態に応じて加減すれば、業者が提示する買取価格から大きく乖離する心配がなくなります。

次に業者が価格を提示する方法です。オークション形式にすれば、最低希望落札価格から始めて、徐々に買値を吊り上げられます。一方で、買値以外の不安要素があって業者を断りたくても、断れないのがデメリットです。

だからといって一度に買値を提示してもらうのも、同様の心配がありますし、それ以上買値が上がる余地もありません。

手っ取り早く、買取業者を決めたいのであれば入札形式の査定を利用するのも良いでしょう。希望の買値を書いた紙を提出してもらい、そこから基準を満たした業者を依頼主が決定します。それぞれ、いくらの買値をつけているかは、(業者同士のつながりが無ければ)依頼主しか分かりません。高値をつけた業者を選べるだけでなく、不安のある業者を外せるのがメリットです。

できれば1つの業者に決めるのではなく、2つに絞ってさらに競わすことができると、より買値が高くなる可能性があります。

業者によって査定額はさまざまなので、複数の業者に見積もりをお願いしましょう。同時査定で決めかねる際には、エリアを分けて別のところでも見てみるようにすると良いでしょう。

まとめ

同時査定は、複数の業者が同時に査定して買値を提示してくれるので、手間を省けるだけでなく、競争原理が働いて高値がつきやすくなります。あらかじめ最低買取希望価格を提示したり、入札形式にしたりして、あらゆる手法を試しましょう。一方で業者同士が仲がよかったりすると、思惑どおりにいかない可能性もあるので、事前にさまざまな情報を仕入れておきましょう。

こうしたトラブルを防ぐには業者選びが大事です。できるだけ多くの業者を比較して、安心できそうなところに声をかけましょう。

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