車買取で査定前に洗車は意味ない?マイナス査定にならないポイント

車を買取に出すときには、少しでも高く買い取って欲しいと思うものです。良い印象を与えるために洗車に力を入れるという人もいますが、果たして洗車は査定にどれだけ影響するのでしょうか。

今回は洗車と査定額の関係についてご紹介します。

車買取の査定前に洗車はすべき?

査定前に洗車を行って車をキレイに見せるオーナーは少なくありません。しかし、その洗車は査定にどの程度影響があるのでしょうか。

洗車では査定額は上がらない

結論として、洗車は査定額に直接影響しません。車をキレイに保つことは、車の管理上だけでなくオーナーの精神衛生上も良いことです。しかし査定前に念入りに洗車したからといって、査定額が万単位で跳ね上がるといったことは残念ながらありません。

中古車買取の査定基準

中古車の査定は、あらかじめ定められたいくつかの基準に基づいて行われます

  • 年式
  • 走行距離
  • 外装の傷やへこみ
  • エンジンなどの機能面
  • 内装の状態
  • 事故歴、修復歴

これらの査定基準の中には、洗車に関する項目は含まれていないため、洗車が直接査定アップにつながることはありません。

洗車が裏目に出る場合あり

洗車をすることが査定アップにつながらないどころか、反対にマイナス要因になることがあります。

洗車時には表面に砂埃や小石が付着していることがあるでしょう。車を念入りにキレイにしようとする気持ちのままそれらを強くこすってしまうと、車の表面の塗装に傷をつけてしまいます。

また洗車後の乾かし方が悪く、かえって汚れを目立たせてしまったり、新たな砂埃を付着させてしまうこともあったりと、車の状態を悪く見せてしまう恐れもあるでしょう。

ただし査定員の印象アップはありえる

しかし洗車が直接の査定項目ではなくても、査定員の印象アップにつながることはあります。

キレイに洗車されて清潔に保たれた車は、売主に大事にされてきたものという印象を与え、良い状態の車であると査定員が認識する場合があります。査定員も人間ですので、大切に使われてきた車を引き取る際には、車への愛情に応えたいと思うものです。

洗車により、目立っていなかった傷が表に出てしまうことはありますが、車の状態を正直に見せるという売主の姿勢がプラスに判断される可能性に加え、傷を理由に後から査定額を下げられることの防止にも期待できるでしょう。

 

洗車よりも重要!車内清掃のポイント

査定において、洗車よりもはるかに重要で、売主の対策により大きく左右するのが内装の状態です。

内装は査定基準のひとつ

内装は査定基準のひとつであり、ドライバーから直接見える範囲であることから、非常に重視されるポイントとされています。

内装がキレイに保たれているか、臭いがついていないかなどが判断され、その査定によって買取価格は大きく変動するのです。

内装は外装に比べ、大きな傷や破損が残ることはありません。そのため売主の手で十分に手入れをすることで、査定額を大きくアップさせることができる要素でもあります。

各所の汚れホコリをふき取る

内装はその範囲が広く、注意するポイントも多岐に渡ります。その中でも次の箇所は汚れが目立ちやすく、特に重視すべきポイントとされています。

  • 足下のマットの表裏
  • 背もたれとシートの隙間
  • 窓ガラスの内側
  • ダッシュボード
  • グローブボックス
  • コンソールボックス
  • シートポケット

布製の箇所は掃除機でしっかりと汚れを吸い取り、ガラス・プラスチックの箇所は雑巾で水拭きし、最後にから拭きで仕上げましょう。

グローブボックス、コンソールボックス、シートポケットにはうっかりゴミを入れっぱなしにしてしまっていることもあるので、チェックを忘れずに。

タバコの臭いを落とす

中古車を購入する際に基準となる要素のひとつに、その車が喫煙車か禁煙車かという点があります。喫煙車は喫煙者にしか売れないため査定額も厳しくなり、同じ状態の車の査定金額でも数万円の違いが出てくることがあります。

日常的に車内で喫煙している場合、内装のヤニ汚れが目立つでしょう。この汚れは一朝一夕では落とせず、個人でどんなに掃除をしても査定員には見抜かれてしまいます。

喫煙車を禁煙車として買取に出すことは難しいため、喫煙車の中でもキレイに保たれている車として売りに出すのが良いでしょう。

ガラス・プラスチック部分の掃除には重曹水や中性洗剤を使った雑巾がけを行いましょう。ただし本革シートは変色の恐れがあるため、キレイな水を使った水拭きで十分です。

消臭スプレーを使うなら、内装を傷めない車用の消臭スプレーを利用しましょう。

ペットの臭いを落とす

ペットを車に乗せていたならば、自然と臭いが染みついている場合があります。ペットを飼っていない人にとって、犬や猫の獣臭さは気になるものですので、しっかりと消臭しておかなければ、査定額に大きな影響がでてしまいます。

タバコ同様、重曹や中性洗剤を使った雑巾がけや車用消臭スプレーを使って、臭い対策を行いましょう。また簡単な清掃ではペットの抜け毛が残ってしまいますので、念入りに隅々まで掃除機を掛けておくことも大事です。

チャイルドシートの跡を消す

小さなお子さん用のチャイルドシートは、査定においてはマイナス要因となります。どんなに高級なチャイルドシートを備え付けていたとしても、査定の際には取り外しを要求され、チャイルドシートの跡が残っていれば、それを理由に査定額を下げられることもあります

チャイルドシートを着けている車を売りに出すなら、自然と跡が消えるように査定に出す数週間前には取り外しておきましょう。またチャイルドシートの下にゴミやホコリが溜まっていることもありますので、念入りな清掃も必要です。

もし傷やへこみが見つかったら?

車についた傷は査定額ダウンの要因となるため、査定前に修理した方が良いのか悩むオーナーも多いでしょう。キレイにした状態で売りに出したい気持ちはわかりますが、実は傷やへこみは修理せずに査定に出すのが正解なのです。

修理の必要なし

車の表面についた傷やへこみは、確かに査定額が下げられる要因となります。しかし、その傷やへこみを修理して査定に出したとしても、修理によりアップした査定額は、修理代以上になることはまずありません

表面についた1センチ程度の細かい傷ならば、査定額にはほぼ影響しません。それ以上に大きな傷がついていたとしても、買取業者は一般の修理工場に依頼するよりも安価で修理できるため、査定に対する影響も最小限に抑えることができます。

隠すと「瑕疵担保責任」を問われることも

もし査定額に影響しそうな傷やへこみなどが見つかった場合には、正直に査定員へ伝えるようにしましょう。

売買を行った売主には「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」が発生します。瑕疵(かし)とは傷やへこみ、修理歴といったマイナス要因を指しており、その要因に対する責任を負わなければなりません。

車を売却する際に、正直に傷やへこみなどを伝えた上で売却契約が成立すれば問題ありません。しかし隠したまま売却してしまうと、後から査定額の減額を受けることがあるばかりか、その傷が原因で何らかの問題が発生したときに、その責任を問われることがあります。

不要なトラブルを避けるためにも、傷やへこみ、修理歴などは正直に査定員に伝えておくと良いでしょう。

まとめ

車の査定にとって、洗車の有無は直接査定額に影響する要素ではありません。しかしオーナーの車に対する愛情と、車の正確な状態を伝えることができるようになり、査定員の印象がアップする可能性があります。

査定に影響する要素の中で、売主の対応で大きく差が出るのは内装の清掃です。ゴミやホコリを片付けるだけでなく、臭いへの対策も査定額アップに繋がります。

少しでも高い査定額を勝ち取れるよう、売却前に車をキレイに保ちましょう。