毎年4月1日時点の軽自動車の所有者に対して自動的にかかる税金が、軽自動車税です。軽自動車税は、年税のため年度内に抹消登録手続きをしたとしても還付金制度はありません。令和2年度から令和3年度に変わる年度末の3月までに使用していない軽自動車は、軽自動車税が4月1日になると自動的に課税が発生していまいますので、抹消登録をすることをおすすめします。こちらでは軽自動車税の仕組みや、軽自動車税の金額、節税する方法など詳しくご紹介します。
軽自動車税とは?
軽自動車税は、令和元年10月1日以降より制度が変わりました。制度変更により、「軽自動車税」という名称から「軽自動車税(種別割)」に名称も変更されています。
軽自動車税の納税義務者とは
軽自動車税(種別割)は、原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車および2輪の小型自動車の所有者に対して課税される税金です。軽自動車税(種別割)の納税義務者は、4月1日時点での所有者となり、所有権留保付売買(ローン購入)にかかる車輌は、当該車輌の買主が所有者とみなされます。4月2日に名義変更をしたり、抹消登録を行ったとしても、4月1日時点での所有者であれば年度分の納税は必ずしなくてはいけません。
軽自動車税額一覧
軽自動車税の税額は、自動車検査証(車検証)に表記されている初度検査年月記載の新車登録の時期によって異なります。
軽自動車税額一覧表(4輪以上のみ)
種別 | 「初度検査年月」が 平成27年3月以前 | 「初度検査年月」が | 「初度検査年月」から 13年経過 |
乗用(自家用) | 7,200 | 10,800 | 12,900 |
乗用(事業用) | 5,500 | 6,900 | 8,200 |
貨物(自家用) | 4,000 | 5,000 | 6,000 |
貨物(事業用) | 3,000 | 3,800 | 4,500 |
グリーン化特例制度により軽自動車税が軽減される低公害車とは
軽自動車のなかでも、一部の低公害車である排出ガス性能と燃費性能の優れた車は、令和2・3年度の軽自動車税(種別割)の税額が【グリーン化特例】の軽課制度により軽減されます。※グリーン化特例制度は、もともと令和元年度までの軽課制度でしたが、2年の延長が決定しています。
軽自動車税(種別割)の車輌区分別税額一覧表(単位:円)
2020年度軽自動車税(種別割)の税額を一覧にし表にまとめています。
車輌区分 | グリーン化特例(軽課)適用の車両 | 特例適用外の車両 | ||||
税額を概ね75%軽減 | 税額を概ね50%軽減 | 税額を概ね25%軽減 | ||||
四輪以上 | 乗用 | 自家用 | 2,700 | 5,400 | 8,100 | 10,800 |
営業用 | 1,800 | 3,500 | 5,200 | 6,900 | ||
貨物用 | 自家用 | 1,300 | 2,500 | 3,800 | 5,000 | |
営業用 | 1,000 | 1,900 | 2,900 | 3,800 | ||
三輪 | 1000 | 2,000 | 3,000 | 3,900 |
グリーン化特例制度の適用基準の対象条件とは
グリーン化特例により軽課される適用基準は以下の通りです。適用されるのは、新車登録を行った翌年度分の軽自動車税(種別割)のみとなっています。電気自動車と天然ガス軽自動車を除くと、揮発油を内燃機関の燃料とする軽自動車に限り適用されます。
用途 | 対象条件 | 軽減措置 | |
乗用 | 電気自動車 | 概ね75%軽減 | |
ガソリン車(ハイブリッドカー含む) 平成17年排ガス規制75%低減、または平成30年排ガス規制50%低減 | 平成32年度燃費基準+30%達成 | 概ね50%軽減 | |
平成32年度燃費基準+10%達成 | 概ね25%軽減 | ||
貨物 | 電気自動車 | 概ね75%軽減 | |
ガソリン車(ハイブリッドカー含む) 平成17年排ガス規制75%低減、または平成30年排ガス規制50%低減 | 平成27年度燃費基準+35%達成 | 概ね50%軽減 | |
平成27年度燃費基準+15%達成 | 概ね25%軽減 |
グリーン化特例、令和元年10月以降変更となった軽自動車税の制度については経済産業省の上記サイトからご参照いただけます。
軽自動車税の仕組みについて
軽自動車税(種別割)は、当該軽自動車の定置場所在を担当する市区町村へ課税する地方税です。定置場とは、当該の軽自動車の運行を休止した場合に、主に駐車する所有者の住所地や使用の本拠地をいいます。軽自動車税(種別割)は、市区町村の一般財源となり、収入した時点では使い道が決まっておらず自治体独自で使い道を決めることのできる財源になります。
軽自動車税の納付方法は
軽自動車税(種別割)は、当該軽自動車等の主たる定置場所在を担当する市町村の税事務所から送付される、納税通知書により納めることが出来ます。納税期間は4月中に市区町村の条例で定められますが、基本的には5月31日までで、31日が税事務所の休日の場合は翌開庁日までとなります。納付期限まで納付出来ず、納付期限後に納付する時は、納付書に記載されている課税課税務管理係に問い合わせるか、納付書記載の金融機関等の有人窓口にて納付を行います。ただし、納付期限が切れている場合延滞金を別途納める必要があることもあります。
軽自動車税の還付はあるのか
軽自動車税(種別割)は、4月1日時点の所有者に自動的に発生する税金で、徴収方法は普通徴収のみで月割り課税ではないため、年度内に抹消登録を行い廃車したとしても月割りの還付がされるわけではありません。そのため4月1日までに抹消登録をしなければ、翌年度分の軽自動車税(種別割)の納付が必要となり、もしも不要で使っていない車を所有しているままの場合は所有者が損をしてしまうことになるのです。
軽自動車税を節税することは出来る?
軽自動車税(種別割)を節税することは出来るのでしょうか。税額自体を軽減する措置を利用するのであれば、購入する軽自動車を選択する際に、グリーン化特例の対象となる軽減対象車を購入する必要があります。購入する車種を選ぶ時以外で節税する方法を2つご紹介します。
軽自動車の購入時期によって節税
軽自動車税(種別割)は、4月1日時点の当該車両の所有者に課税が自動的に発生します。そのため、4月2日以降に新車または中古車で軽自動車税を購入し、名義登録または新規登録を行った場合はその年度の軽自動車税を支払う必要がありません。
軽自動車税減免制度の対象であれば減免申請が可能
軽自動車税(種別割)は減免対象の方が一定の条件を満たし、納付期限までに減免申請書を提出すると減免制度を受けることが出来ます。減免申請は納税義務者と住民票上同一世帯の家族以外の方が代理で行う場合、委任状が必要になります。納付期限を過ぎての申請は受付ていないため注意が必要です。令和2年度の減免の対象となる人は下記となります。
- 災害、その他これに類する理由により、生活が困難になった場合
- 生活保護減免(生活保護法により扶助を受けている場合)
- 身障減免(心身に一定の障害のある方が所有している場合)
- 身障減免(心身に一定の障害のある方と生計を一する方が障害のある方のために使用する場合)
- 身障減免(該当する障害のある方のみで構成する世帯で常時介護する方が運転する場合)
- 特別車両減免(その構造が障害のある方のための特別仕様になっている軽自動車を心障害のある方が所有する場合)
- 施設減免(社会福祉法人等の一定の団体が所有する軽自動車等の場合)
軽自動車税の課税発生を止めるには
車検が切れて使っていない車や、いつか乗るかもしれないと思って駐車場に停めたままの車でも、4月1日の時点で所有者登録が残っている場合は軽自動車税の課税が発生します。では、不要車や車検切れの車はどのような手続きを行えば良いのでしょうか。
軽自動車税を止めるための廃車手続きは2種類
軽自動車の登録内容は4月1日時点で所有者になっていても、4月1日中に軽自動車検査協会で廃車手続きを行い登録抹消が完了出来れば、翌年度の軽自動車税の課税の発生を止めることが可能です。軽自動車の廃車手続きには、【解体返納】または【返納証明書交付】の申請があります。軽自動車本体の解体が解体業者によって完了している場合は、解体返納の申請が可能です。現在は使用していないものの再度登録し直して、軽自動車を使用する可能性がある場合は、一旦一時使用中止届として返納証明書の交付の申請を行います。
軽自動車の解体返納の流れ
軽自動車の解体返納をする流れは、まず解体業者に軽自動車本体の解体を依頼するところからになります。解体業者によって解体処理が完了したら、ナンバープレートと廃車手続きに必要な書類を揃えて、管轄の軽自動車検査協会に向かい、解体返納の申請を行います。
軽自動車の返納証明書交付の流れ
使用していない軽自動車を一時使用中止する時の返納証明書交付の流れは、管轄の軽自動車検査協会へナンバープレートと廃車手続きに必要な書類を揃えて返納証明書交付申請を行います。
軽自動車の廃車手続きに必要な書類
軽自動車の廃車手続き【解体返納】または【返納証明書交付】申請をする際に、準備が必要な書類は、以下です。
解体返納の申請に必要な書類
- 使用者の申請依頼書 ★使用者の認印(法人は代表者印)の押印があるもの
- 所有者の申請依頼書 ★所有者の認印(法人は代表者印)の押印があるもの
- 自動車検査証 原本
- 解体業者の「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」の控え
- ナンバープレート前後面の2枚
返納証明書交付の申請に必要な書類
- 使用者の申請依頼書 ★使用者の認印(法人は代表者印)の押印があるもの
- 所有者の認印(法人は代表者印)
- 自動車検査証 原本
- ナンバープレート前後面の2枚
軽自動車の廃車手続きが面倒に感じる方は
不要になった軽自動車を所有しているものの、時間や手間がかかりそうだからと廃車手続きを行っていないと、翌年度の軽自動車税の課税義務が発生してしまい損をすることになります。ところが、軽自動車検査協会での廃車手続きの申請は平日に行う必要があったり、必要な書類を集めるのに時間がかかってしまうという方も少なくありません。
このような時におすすめは、不要車で今後使用することがないと思われる軽自動車であれば、業者へ依頼をすることで所有者の負担を軽くすることが出来ます。ただし、この時に依頼する業者選び次第では、廃車手続きや解体処理に費用がかかってしまう可能性もあるため、業者を選ぶ際は、軽自動車の廃車買取をしている業者で、廃車手続きの代行や解体費用等がかからないところを選ぶことが大切です。