ヤフオクに貴重な名車の出品カテゴリが新設!ネットオークションで車を買う時の注意点とは

総務省の情報通信白書によると、2019年の個人インターネット利用率は89.8%になっています。10年前の2009年の利用率が78.0%で、比較すると約11%増加しています。また年々スマートフォンの普及率も上がっている影響を受けて、利用率に見られた世代間格差が小さくなっています。ネットの利用率が高まることで、ネットオークションやオンライン通販など、インターネットを利用して購入や売却をしたことがあるという人も増えているようです。

実は、中古自動車や中古車部品もネットオークションやオンライン通販などで売買される人気アイテムの一つです。特にインターネットオークションは、中古車販売業者が出品していることもありますが、個人で出品したり落札して購入する方もいらっしゃいます。店舗に行かずに購入が出来て、全国の在庫から探すことが出来るため選べる数も多く、貴重な車や部品を購入することも出来るインターネットオークションですが、個人で購入や売却をする際は注意しなければいけないポイントもあります。

日本最大級のオークションサイトであるヤフオク!では、2021年6月14日から旧車や希少車などの限定コレクションを出品するカテゴリを自動車カテゴリ内に新設しました。車の販売業者や車好きのドライバーからも話題となっているヤフオク!の自動車・オートバイ部門の新設カテゴリについてこちらでご紹介します。また、ネットオークションを利用し車の個人売買をする時の注意ポイントも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

ヤフオクの自動車オートバイ部門に新設カテゴリ登場!限定コレクションもネットで買える?

ヤフオク!の自動車・オートバイカテゴリ内に6月14日(月)から【限定コレクション】【コレクタブルカー】【コレクタブルグッズ】と3つのカテゴリが新設されました。このカテゴリにはヤフオク!とBH AUCTIONとの協業により、国内外の貴重な名車やなかなか手に入らない貴重なコレクタブルグッズが出品されます。また、貴重な商品が安全安心のスムーズな取引になるよう、ヤフオク!では入札時の本人確認を導入することになっています。まずはどんなアイテムが出品されるのか、こちらでご紹介します。

限定コレクション第1回オークション出品車両はスプライトマーク1

2021年6月14日開催の第1回オークションで出品されるクルマが、トヨタのオフィシャルチューナーで知られるTOM’S(トムス)の会長、舘氏の愛車【1960年式のオースティンヒーレー、スプライトマーク1】です。オースティンヒーレ―はイギリスのスポーツカーブランドで、オースティンヒーレー・スプライトは1958年からの3年間で約4万9000台生産されたオープン2シータ―スポーツカーです。当時の北米の安全基準に適合するための飛び出した丸目のヘッドライトが特徴的で、英国では【カエルの目】北米では【昆虫の目】日本では後に【カニの目】と呼ばれていました。内外装や機関系はレストア済で問題なく走行が可能になってお、また、親しみのある右ハンドルにコンバートもされています。

第1回のオークションは6月14日から6月20日までを予定されています。スタート価格は税込4,250,000円から
現在の中古車市場でのオースティンヒーレー、スプライトマーク1の流通数は6月14日時点で2台。いずれもプレミア価格で400万円~500万円位の金額となっています。もともと希少な人気車がトムスの手によりフルレストアされているとなると、さらなる高額入札が期待出来るのではないでしょうか。

今後限定コレクションのカテゴリで開催予定のオークションは

第1回の限定コレクションでの出品車両はクラシックな希少車種でしたが、今後限定コレクションで開催を予定されているラインナップの中には、日産スカイライン第二世代の最終モデルで人気のR34型GT-R V-SPEC 2 Nürの新車未登録車や、メルセデスベンツ190E 2.5-16 EVO2があります。メルセデスベンツ190Eというと小ベンツと揶揄されていたこともあったものの、190E 2.5-16 EVO2といえば1990年のジュネーブ・ショーで登場したモデルで、造形美ともいわれたリアスポイラーや前後のオーバーフェンダー、最高出力373psのエンジン搭載となっています。どちらも名車と言われる2台で今後も期待できるラインナップが続きそうです。

中古車相場としても高額な名車や限定のコレクタブルグッズとなるため、限定コレクションカテゴリの入札をするにはヤフオク!のシステムで前もって本人確認が出来ていなければいけません。審査には2日程度かかることもあるようですので、オークションに参加したいと考えている方は早めに申請をすることをおすすめします。

希少な過去の名車は他にも

限定コレクションカテゴリに出品される車両のように、過去に販売されていて現在は在庫数も少なく希少な名車は他にもあります。また、発売された当時以上に、販売終了後に何かしらのきっかけで価値が上がっているという車もあります。
例えば、マツダのRX-7(アンフィニRX-7)5MTの中古車販売価格相場は約2,227,000円~6,460,000円です。新車販売価格はベースグレードが3,665,000円でしたので、状態次第では新車販売価格の1.7倍くらいまで価値が高くなっています。

RX-7は、1978年にマツダからサバンナRX-7として販売を開始し、その後アンフィニRX-7、マツダRX-7とブランドネームは変わったものの2003年まで販売されていたスポーツカーがRX-7です。2003年にRX-8が販売されることになり、RX-7は販売終了となりました。後継車のRX-8も2012年には製造販売を終了しているため、後継車の販売を心待ちにしているユーザーも多いようです。また、アンフィニRX-7は2次元キャラクターの所有する車として2018年に大きな反響があり、助手席に乗りたいという女性ファンが急増しました。その影響もあってか、同年以降中古車市場で急激に価格が高騰したようです。中古車市場での1997年発売のRX-7を探してみると、2021年5月現在販売終了から24年経過していることもあり1桁台数しか見つけることが出来ませんでした。

マツダといえばロータリーエンジンという印象を持つ方も多いのではないでしょうか。RX-7もマツダのロータリーエンジンを搭載しています。ロータリーエンジンの構造は、エンジン内部でシャフトが回転し、その軸を中心に周りをローターが公転します。ローターが公転し、エンジン内部で吸気、圧縮、爆発、排気の順番に回転し取り込んだ混合気体を回転します。ロータリーエンジンは出力に対して必要な冷却装備を考慮しても軽量に出来ることや、エンジンの搭載位置の自由度が高いため、スポーツカーのように軽量化と重量バランスが大切な車に適応しています。特にFD型RX-7は、もともとカスタムカーやチューニングカーとして人気が高い車だったこともあり、販売終了18年が経った今も後継車を待つ声が多いようです。

もしもネットオークションで車の個人売買をするなら注意点は

ヤフオク!などのインターネットオークションを利用し、車を売ったり買ったりする場合にはいくつか注意しておかなければいけないポイントがあります。

ネットオークションで車を落札して買う側の注意点

インターネットオークションを見ていて、手に入れたいと思った車両があった場合、落札者側が気を付けたい注意点をご紹介します。

1つ目にチェックしておきたいのは、入札予定の車の出品者は、中古車販売店であるかどうかです。個人の出品と販売店の出品との違いは、出品車両の状態に大きくかかわります。販売店が出品している車両は、基本的に整備されてから出品している車がほとんどです。未整備の場合は未整備と記載があるでしょう。個人での出品の場合、車検が切れる前など不要になり手放すタイミングで出品されていることがほとんどですので、車検からなどの点検から日数が経っていることも多く現時点でトラブルが出ていても見逃されている可能性もあります。車両の状態に詳しい販売店による出品の場合、個人出品と比べて落札価格は高くなることがほとんどですが、安心して購入することが出来るメリットがあります。

2つ目のチェックポイントが、出品されている車の走行距離は申告通りか確認しておくことです。ごく稀にメーター改ざんによって走行距離値が実走行と異なる場合があります。車検証の備考欄には前回の車検時の走行距離値とひとつ前の車検時の旧走行距離値の記載があります。また、整備点検記録簿にはメーターの交換履歴が記載されます。車の走行距離メーターを新しいものに変更し、走行距離値が0からになった場合なってしまいますなってしまいます。故意に整備点検記録簿を紛失しているなど、走行距離値の改ざんを隠すためという場合もありますので注意が必要です。

3つ目のチェックポイントは、落札購入後の車両の名義変更についてです。落札者が自身でするのか、または業者等に依頼するのかによって費用が異なります。落札者自身で名義変更をするのであれば、出品者が準備する書類のほか、落札者も車庫証明や必要書類の準備をして管轄の運輸支局に行き、名義変更登録を行います。車検付きで購入される場合は、ナンバープレートの交付手数料等や移転登録手数料がかかりますが、2,000~3,000円程度となります。車検付きの車の名義変更のみを業者に依頼するなら、業者への手数料は5,000円~10,000円かかります。車検が残っていない状態の車を落札購入されて中古車新規登録する場合は、車自体を持ち込んでユーザー車検を受けるか、車検業者に依頼することになります。車検切れ車の中古車新規登録の場合、車を運ぶにも仮ナンバー申請やレッカー車の手配が必要になるため、費用はある程度かかることを想定しておかなくてはいけません。

ネットオークションで出品し車を売る時の注意点

ネットオークションで個人で所有する車の出品を予定している人に、出品者側が気を付けるべき注意点をご紹介します。

まず、個人で出品し売却しようと考えている場合、車の状態を詳しく説明できるようにしておきましょう。もしも一時抹消登録手続きを行ってから置いたままだった車体で、エンジンがかからなくなっている場合などは走行距離値がわからないといった場合もあります。故意ではなく走行距離値が分からない時には、走行メーター管理システムを利用して調べたり、整備点検簿や車検証をみて確認することも可能です。情報が詳細であるほど、信頼性が高くなり入札もはいりやすくなります。また、外装の傷やヘコミ、錆があるかなど車の状態伝えるために車両の写真を撮影しアップロードすることはポイントです。オークションサイトごとにアップロードできる写真の枚数は決まっていますが、ヤフオクの場合は車両の画像が10枚まで掲載可能です。特に高額な取引になる可能性もある自動車であれば、必ず車両写真を撮影し掲載するようにしましょう

車両がいざ落札されたら、車両本体と合わせて車の必要書類を渡す必要があります。車の必要書類の内訳は、車検証・自動車損害賠償保険証明書・自動車税納税証明書・自動車リサイクル券です。また、落札者によって名義変更が行われる場合、ナンバー付車両か、一時抹消中の車両かどうかで追加して渡す書類が異なります。落札者には名義変更期限を切って書類を渡せるように前もって準備しておきましょう。

また、インターネットオークションを利用して車を出品し売却する場合、出品者が出品手数料と成約または落札手数料をサイト運営側にシステム手数料として支払う必要があります。手数料は運営サイトごとに異なりますが、基本的に落札者負担になるのは車両代と陸送費(輸送費)となり、手数料は出品者側が支払う規定になっていることが一般的です。もし入札されずに流札したとしても手数料がかかるサイトもありますので、予め確認をしておくようにしましょう

 

まとめ

6月14日からヤフオク!の自動車・オートバイ部門に新設された限定コレクションのカテゴリは、今後も珍しい貴重な車種がラインナップされる予定もありますので、気になる方は一度チェックしてみてはいかがでしょうか。写真を見るだけでも、わくわくするような貴重な名車を見ることも出来るので、車が好きという方にとっても楽しいコンテンツになっていると思います。

インターネットの利用率が上がり、ネットオークションが身近になったことで車を出品したり、落札をしたりすることもあるかもしれません。落札者側は落札後の車輌状態が異なる場合などのトラブルに巻き込まれないように、また、落札後の名義変更が遅くなってしまうことがないように気を付けましょう。出品者側は出品後のトラブルを防ぐために、車輌状態をしっかりチェックしてから出品をしましょう。例えば車内で喫煙をしていたことを隠して禁煙車として出品をすると、落札者からクレームトラブルに発展するということもあります。

また、不要になった車両を手放すためにネットオークションを利用して出品したものの、入札が入らず流札してしまい手数料だけかかってしまったということもあるようです。車の相場情報を前もって確認しておき、出品予定の車に入札が入らんなさそうであれば、廃車業者へ売却した方が得になることもありますので、まずは相場確認からするようにしましょう。