車の買取のクレームガード保証とは?トラブル防止の対策も紹介
車の買取を依頼する際に「クレームガード保証」の加入を勧められることがあります。車の買取には、民法で定められている瑕疵担保責任が関係しており、売却後に何らかの責任が発生する場合があるのです。
クレームガード保証に加入するには、もちろんお金がかかりますから、加入前には十分に検討しておく必要があります。クレームガード保証とは何か、保証の条件や必要性について解説します。
車買取時のクレームガード保証とは?
クレームガード保証とは、中古車の売買において生じる潜在的な問題や不具合に備えるための保険や保証の一種です。
車の買取は、査定して車を業者に引き渡してから何らかの不備が見つかった場合、査定金額から減額という形で修理費用を請求されます。
軽微な欠陥や不備であった場合は修理費用も少なくて済みますので、減額される額も少なくなりますが、エンジンやトランスミッションのような箇所に重大な欠陥や不備が見つかった場合、莫大な金額を請求されることもあるのです。
また車の買取には、民法で定められている瑕疵担保責任というものが関係しています。修理歴や不備があるのが分かっていたのにも関わらず買取りに出した場合、車を売る側は瑕疵担保責任に問われ、最悪のケースでは損害賠償請求をされることもあるのです。
このように車引き取り後に何らかの請求があったとき、クレームガード保証に加入していれば、保証範囲内で対応してもらえます。
クレームガード保証は、売買金額によって保証料が高くなる特徴があり、輸入車よりも国産車のほうが安いです。
車買取でクレームガード保証をつける条件
クレームガード保証は、加入していれば必ずすべての責任や賠償がかからないわけではなく、保証対象外となる場合もあります。ここからは、クレームガード保証が適用されない条件を見ていきましょう。
保証限度額を超えている場合
クレームガード保証の保証限度額は、100万円と決まっています。修理費用が100万円を超える場合には、損害金すべてを保証できない可能性があるのです。
輸入車の修理やエンジン、トランスミッションなど基幹系の修理は、高額になる恐れがありますので注意しましょう。
車の不備や欠陥を隠蔽した場合
車の修復歴や事故歴、不備、欠陥があるのにも関わらず、買取業者に事実を伝えていなかった場合、クレームガード保証は適応されません。
これらの情報を隠蔽していて査定時に見つからなくても、買取後の整備で見つかりますので正直に伝えるようにしましょう。
買取業者との売買契約がキャンセルになった場合
クレームガード保証の保証料を支払っていたとしても、買取業者側が車を引き取った後に不具合が見つかり売買契約を破棄した場合は、保証は使えなくなります。売買契約が成立しているときのみ有効になりますので、注意しましょう。
車買取でクレームガード保証が必要な人は?
車の買取において、クレームガード保証が必要なのはどのような場合でしょうか?以下の条件に当てはまる場合、クレームガード保証を検討することが重要です。
1. 中古車を買い取り業者に売る場合
中古車を売りたい場合、その車の歴史や状態を完全に把握するのは難しいことがあります。前のオーナーがどのように車を使用し、メンテナンスを行ったかを正確に知ることは難しいため、潜在的なリスクが存在します。クレームガード保証は、車の隠れた問題や不具合に対処するための保護手段として役立ちます。
2. 中古車に修復歴や事故歴がある場合
修復歴や事故歴がある中古車は、通常よりも査定額が低くなることが一般的です。しかし、これらの車には後から問題が発生する可能性が高いため、クレームガード保証は非常に重要です。買取業者に修復歴や事故歴を正確に伝え、クレームガード保証を通じて予期せぬトラブルに備えましょう。
3. 中古車を購入してから買取業者に売るまでの期間が長い場合
中古車を購入してから売却するまでの期間が長い場合、車の状態が変化する可能性があります。クレームガード保証を持っていれば、その期間中に生じた新たな問題に対処できます。例えば、エンジンやトランスミッションの故障など、突然の修理が必要な場合でも保護されます。
クレームガード保証は任意のサービスであり、すべての車の売買に必要なものではありません。自分の状況に合わせて検討し、中古車の取引において安心感を持つために活用しましょう。
車買取におけるクレームガード保証の必要性
クレームガード保証の役割は、車売却後のクレームに対応してくれる保険ですが、取り扱いのない買取業者も存在します。
クレームガード保証を取り扱っている業者は、査定時に加入を勧めることが多いですが、クレームガード保証が必要かどうかは、ご自身の車の状況を見て判断するのが良いでしょう。
先ほども紹介したように、新車購入のワンオーナーか、中古車で購入したものかでクレームガード保証が必要かを検討しましょう。必要ないと感じる場合は、保証料もかかるものですので断っても大丈夫です。
クレームガード保証は、万が一瑕疵担保責任に問われたときに損害を被らないようにするための保険です。しかし、クレームガード保障が適用されないケースも存在しますので、保証内容をしっかり事前に確認しておくことが重要です。
瑕疵担保責任を問われる可能性が低い場合や、クレームガード保証料が高くつく場合は、加入を慎重に検討しましょう。
瑕疵担保責任と聞くと、それだけで恐ろしいもののように思えて、クレームガード保証を付けておくほうが安心できるという人も多いです。
しかし査定時に見落とされた不具合の場合は瑕疵担保責任に問われず、不具合を見落とした業者側の責任を問える場合もあります。
クレームガード保証だけに頼らない
クレームガード保証だけに頼るのではなく、そもそも瑕疵担保責任に問われないようにしておけば、保証はいらないのです。クレームガード保証を付けなければ、その分費用を浮かすことができます。
クレームガード保証だけに頼らない方法は、買取を依頼する車の情報は包み隠さず買取業者に開示することです。たとえそれが、査定に不利になるような情報でも、隠蔽せずすべて正直に話しましょう。
不利な情報を隠そうとしても、プロの査定士が車を見るので、不具合や欠陥はすぐに分かってしまいます。
車の情報を正直に話した上で、査定士には細かいところまで丁寧に査定してほしい旨を伝え、自分が瑕疵担保責任に問われないよう身を守ることも大切です。
まとめ
クレームガード保証は、車買取のトラブルを避けるために心強い保険ではありますが、それなりに加入料がかかります。
自分の売ろうとしている車には、本当にクレームガード保証は必要かということを、保証内容と併せて十分に検討しましょう。
クレームガード保証に加入しない場合は、瑕疵担保責任に問われることがないように、車の正確な情報を伝えるなどして対策をしておくと安心です。