車買取業者の利益はどれくらい?買取価格に上乗せできる?
買取の査定をしてもらう際、中古車として販売されている価格よりもかなり低い金額を提示されたことがあるユーザーも多いでしょう。買取価格と販売価格の間には販売店の利益の他、様々な経費が上乗せされるため、時には大きな差となることがあります。
買取業者はどのように買取価格を決め、どの程度の利益を上乗せするのでしょうか。中古車の買取価格と販売価格の関係についてご紹介します。
買取業者の利益率
中古車販売店は、買取価格に対してどの程度の利益を上乗せすることを想定しているのでしょうか。
オークションでは10~20%上乗せ
中古車として買取された中古車は、ほとんどの場合すぐに市場に公開されて販売されるわけではありません。
中古車買取業者は、ユーザーから買い取った車を早く販売するため、中古車業者向けのオークションへ出品することがほとんどです。
中古車は車種や年式だけでなく、車の状態、オプションの種類などにより非常に細分化されており、買取した中古車販売店ですぐに売れることはほとんどありません。そのためオークションへ出品し、その状態の車を欲しがっている中古車業者に販売します。
その際、買取価格に対し利益を乗せた価格で出品します。あまり利益を上乗せしすぎると買い手がつかないため、車の状態や人気によって変動はありますが、およそ10~20%程度の利益を乗せて販売することが多いようです。
ユーザーへの販売時に10~30%
オークションで目当ての車を購入した中古車販売業者は、これをユーザーに対して販売します。この際、オークションでの購入価格に対し、販売業者の利益として10~30%ほどの利益を上乗せします。
この中には、オークションで買い取った車を販売するまでの維持費など、経費に分類される費用も含まれています。
業者の利益は20~50%
このような流れにより、オークションへ売りに出す業者の取り分が10~20%、販売店の取り分が10~30%のため、買取価格に対し20~50%が上乗せされて、中古車市場に再投入されることになります。
これはあくまで一般的な数値であり、業者によってはさらに利益を上乗せするケースも存在します。ユーザーからみればどの程度の利益率なのかはわからないため、買取価格を理由に値切ることは難しいでしょう。
買取価格が決まるまで
中古車の買取価格は、車種や年式などにより、その価格は様々ですが、同じような状態の同車種であれば、業者間でそれほど大きな価格の開きはありません。中古車の買取価格には、一定の基準は存在するのでしょうか。
レッド・イエローブック
中古車の買取価格を表す基準の一つに「レッドブック・イエローブック」があります。
レッドブックは「有限会社オートガイド」により発行される月刊誌「オートガイド自動車価格月報」の別名です。自動車に関する取引価格をグレードや年識別にまとめており、その時期の平均取引価格を把握することが出来る1冊です。
イエローブックは日本自動車査定協会が、月1回発行している冊子です。その中には中古車の取引の目安となる価格情報が広く掲載されています。
一般的には中古車買取価格の算出はレッドブックを基準とし、レッドブックに記載が無い場合にはイエローブックを参照します。
なお、レッド・イエローともに、製造から10年が経過した車種は一律で新車価格の1割とされてしまい、本への掲載はなくなります。そのため、評価の高い古い車などは実際に販売される価格のほうが高いというように、実際の販売価格との間に差が生まれる可能性があります。
オークションでの落札価格
実際にその時期にどの程度の価格で落札されているのかも、販売価格の参考になるデータです。
レッド・イエローブックはともに地域による価格差には対応していません。そのため、他の地域よりも高く売れる傾向がある車種に対し、安く見積もりすぎてしまう恐れがあります。
実際にどの程度の価格で売れているかを参考にすることで、適切な買取価格を算出することが出来ます。
ただし、時期によってはその地域で全く流通していない車のように、データを取得できない可能性もあるため、オークションの落札価格だけを参考にするのは危険でしょう。
自社自店での販売価格
自社・自店に販売網がある場合には、実際にどの程度の価格で売れているのかを参考にするのがよいでしょう。
自社・自店に販売力があるなら、わざわざ安く買いたたかれる恐れがあるオークションに持ち込む必要はなく、販売業者が上乗せする分の利益も全て自社・自店のものにすることが出来ます。
また一定以上の利益を確保しやすいため、ユーザーからの買取価格を他社よりも上乗せでき、いい車を集めやすくなるという利点があります。
できるだけ高く買い取ってもらうには?
中古車買取の利用を検討するユーザーからすれば、1円でも高く買い取ってくれる業者に依頼したいものです。少しでも買取価格を上げるためには、どのような手段があるのでしょうか。
可能な限り清掃
買取業者からすれば、同じ車種・年式の車なら、少しでも状態の良い車の方が買い取りやすく、また高い値段をつけやすいものです。少しでも車の状態をよく見せるため、見積もりを依頼する前にしっかりと清掃し、車が良い状態であるように見せましょう。
しっかり洗車をし、内装もきれいに整えておくことで、大切に乗られた状態のよい車であると見てもらえることも十分に考えられます。
ただし、車の傷やへこみなど、板金が必要なダメージがある場合には、見積もりの前に修理しておく必要はありません。細かい傷やへこみ程度なら買取業者側で修理することができるため、査定額には大きく影響せず、板金に出した費用分だけ損をしてしまいますので、傷はそのままに、可能な限り清掃をしておきましょう。
売却する時期に注意
売却した車は、一般的には中古車として販売されます。車はレアカーでも無い限り、年式が古くなるに連れて価格が下がる傾向がありますので、なるべく早く売却してしまうのがよいでしょう。
なお、車検の残り日数が多いため、車検切れになるギリギリまで売却しないという選択をするユーザーも少なくありません。しかし車検や自賠責保険の残り日数に応じて、買取価格に上乗せをしてもらえることがほとんどです。そのため、車検の残り日数を気にして売却を遅らせることは、あまりメリットはありません。
また、四輪駆動は冬、スポーツカーは夏というように、季節に応じて売れやすい車種の傾向はあります。しかしそれを気にしすぎて季節が来るのを待っている間に、新モデルが発表されて価格が下がるということも十分にありえます。
中古車は生物のように鮮度が重視されますので、売りたい時に即売るのが、結果としてもっともよい買取価格を引き出す事に繋がるといえます。
複数の業者から相見積もりを取る
車の買取業者は、店舗数だけならコンビニ以上存在すると言われています。それぞれ得意な車種が偏る傾向があり、得意な業者と不得意な業者の買取価格は、大きな開きが生まれることも多々あります。
車を売却する際には、複数の業者に査定依頼をし、買取価格を出してもらうとよいでしょう。現在はインターネット上から複数の業者に一括査定依頼を出すこともでき、どこの業者が高く評価してくれるかを見定めることができます。
実際に車を見てから細かい査定を行う必要はありますので、一括査定で高い傾向の業者を数社選び、実際に車の状態を見てもらうのがよいでしょう。
まとめ
中古車の買取価格には一定の基準があり、業者はオークション出品時や市場へ売り出す際に、一定の利益を上乗せして販売します。買取業者と販売業者が異なる事もありますが、一般的には20~50%の利益が上乗せされる傾向にあります。
ユーザーは少しでも買取価格を上げるため、車をきれいに清掃し、また販売時期を気にせず早期に売ることが大切です。またその際には複数の業者に査定を依頼し、もっとも高い価格をつけたところに売る相見積もりを利用すると良いでしょう。