神奈川県について
神奈川県は関東の南西部にあり、北は東京都と境を接し、南は太平洋、東は東京湾です。
東京都のベッドタウンや、港・ヨコハマに代表されるような観光地のイメージが強いかもしれません。実は、工業出荷額では愛知県に次ぐ全国第2位の工業県でもあります(経済産業省「平成30年工業統計速報」)。
全国43位の2,416km²の面積に、第2位の913万人が住んでいます(平成27年度国勢調査)。人口密度では東京都・大阪府に次ぐ第3位です。
神奈川県の交通事情
県内の鉄道には、東海道新幹線・東海道本線といったJR以外に、京急東横線、相鉄の本線・いずみ野線、小田急の江ノ島線・小田原線などの私鉄も県内の隅々にまで到達していいます。
これらの中には、小田急のように県庁所在地である横浜市は経由せず、東京都内のターミナル駅に直行するものも少なくありません。横浜市も東京の都心部に近く、どうしても住民は「神奈川“都”民」といった意識を持ってしまいがちです。
また、約373万人の人口を抱える横浜市、約151万人の川崎市といったように東京湾沿いに人口が集中し、公共交通機関も密度が高くなっています(平成30年4月現在)。乗用車の必要を感じない人が多いのも当然のところでしょう。
実際、1世帯あたりの自家用乗用車保有台数は0.332台で、これより少ないのは大阪の0.313台と東京都の0.226台しかありません(一般社団法人・自動車検査登録情報協会、平成31年3月末現在)。
車社会ではなくても台数は多い神奈川県
東京都は東の端にある23区が都心エリア、中部や西部がベッドタウンとなっています。全体が東西に細長いので、東京都西部に住むぐらいならば、横浜市内の多くのエリアのほうが東京都心に短時間で通勤できます。
この場合の勤務先はオフィスや店舗が大半でしょう。都心での駐車場は確保が困難です。その上、道が込み合います。たとえ乗用車があっても、通勤には使えないことが多いのではないでしょうか。
また、横浜市内やその周辺では急流地帯を切り崩して、大掛かりな宅地開発が行われました。スーパーマーケットやショッピングセンターも近場に用意されていることが大半です。徒歩かせいぜい自転車でもあれば十分でしょう。
ただし、ここまでは実用上の必要での話です。かつては、車いじりやドライブのために乗用車を持つ人が少なくありませんでした。神奈川県や東京都も例外ではありません。少し古いドラマを見たり歌謡曲を聞いたりすれば、「湘南海岸をドライブする」といった設定がしばしば出てくるはずです。
こういった趣味的な車を持つ人が減ったのも、神奈川県での1世帯あたりの保有台数が伸びない理由かもしれません。特にかつては自動車メーカーにとってお得意様だった若者が見向きもしなくなりました。これは、メーカーでも「若者の自動車離れ」として深刻に受け止めているようです。
ただし、神奈川県や東京都で自動車の売買が低調なわけではありません。圧倒的な人口規模を誇っているだけに、「1世帯あたり」といった数字が低くても、絶対数ではかなりのものになります。実際に2位埼玉県(321万台)、3位東京都(311万台)、4位神奈川県(305万台)といったように、首都圏の都県が上位を占めています。これらを超えるのは、トヨタ自動車の本社がある愛知県(419万台)しかありません。
それだけに、「中古車の買い手としては車体の選択肢も多く、売り手としては高く査定してくれる買い取り業者が見つかる可能性も高い」といえそうです。