車の買取を当日中に済ませるのは可能?
不要となった車を売却する場合、その手続きには長いと数週間の時間を必要とする場合があります。少しでも早く買取を済ませたいなら「当日買取」「即日買取」の利用ができますが、通常の買取とは異なる注意するポイントがあります。
今回は車の当日買取の方法と注意するポイントについて紹介します。
車の買取を当日中に済ませる方法
車の当日買取を行うためには、注意すべきいくつかのポイントが存在します。通常の車買取に無いポイントはどのようなものがあるのでしょうか。
当日買取に対応する業者を探す
一般的に、中古車買い取りはオーナー側からの申し込みから引き渡しまで、1~3週間と長い時間が必要といわれています。
この期間には業者による査定から契約、書類の手配と処理といった多くの手続きが行われますが、中には非常に短時間で対応を済ませることができる業者がおり、それらの業者は当日買い取り対応可能を掲げています。
全ての買取業者が当日買取には対応していませんので、まずは対応可能な業者を探しましょう。
書類を事前に準備しておく
車の売却には、同時にその車の名義変更を行う必要があるため、名義変更のための書類を用意しておく必要があります。
陸運局(運輸支局)への手続きは買取業者側で代行してくれるため、そのために必要な書類を用意しておきましょう。
車の売却に必要な書類には、以下のものがあります。
- 車検証
- 自賠責保険証
- 印鑑登録証明書
- 自動車納税証明書
- リサイクル券
車検証、自賠責保険証、リサイクル券は多くの場合、車のダッシュボードに保管されています。自動車税納税証明書を別途保管しているなら、前もって探しておき、他の書類と一緒にしておきましょう。もしも紛失しているようなら、市区町村の税事務所で再発行をすることができます。
印鑑登録証明書は、登録を済ませている市区町村の役所で発行します。また、2016年1月よりマイナンバーが導入されたことにより、全国のコンビニで発行することも出来るようになりました。全てのコンビニが対応しているわけではありませんが、主要な大手のコンビニはほぼ対応しています。
車を引き渡せる状態にしておく
当日買取により車を売却すると、その日のうちに業者へ車を引き渡す必要があります。そのため、申し込みをする時点において、すぐにでも車を引き渡せる状態にしておかなければなりません。
車を洗車しておくことはもちろん、内部も清掃しておくのが望ましいでしょう。また引き渡しに際し業者が売却した車に乗っていくことが一般的ですので、車検や自賠責保険が切れていないかなど、公道を走れる状態であるかも確認しておきましょう。もし車検が切れているようならば、事前に業者に確認し、必要な対応の指示を受けておくのが良いでしょう。
査定額には期待しない
当日買取は、業者に依頼してその日のうちに車を持っていってもらうため、複数の業者に依頼し、査定金額を比較する時間の余裕はありません。そのため1社だけに買取の依頼をするのが一般的ですが、業者によっては満足できる査定額を提示できないこともあります。
当日買取は少しでも早く車を処分することを目的とし、査定額には期待しないような心構えを持っておくことが必要です。
売却代金の受け取りは後日のほうが良い?
無事に車を当日買取に出したとしても、その代金をいつ受け取るかにより金額が異なる事があり、後日に受け取った方が高くなる傾向があります。代金を当日よりも後日に受け取った方が良い理由とはどんな理由なのでしょうか。
当日現金払いは査定額が下がりやすい
当日中に現金払いを求める場合、査定額が大きく下げられる恐れがあります。車種によっては、車の買取価格が大きな金額になることがあり、それだけの代金を業者側が用意できないという場合があります。
また当日買取は比較的急いで査定を行うため、何らかの見落としが起きる危険性は、一般的な買取時の査定に比べて高くなります。後から瑕疵が見つかる危険性も含み、あらかじめ低い査定額を提示することも考えられます。
後から減額返金を要求される可能性がある
前述の通り、当日買取の査定はスピード重視で行うため、買取価格に影響する要素の見落としが発生する危険性は比較的高めです。そのため、買取時には問題無しとして高めの買取価格を提示していたとしても、後から査定額の減額が行われ、すでに現金で前オーナーに代金を支払っているなら、返金を求められることも考えられます。
これが後払いの場合には、支払いを受ける前に買取代金の変更が行われるため、業者との交渉を行う余地があります。そしてもし減額されると決まっても、返金のような面倒な手続きを踏む必要はありません。
現実には一度査定を行った上で査定金額を出しているため、後から返金まで要求される事はほぼ無く、あらかじめ低めの査定金額を提示することで対応することが多いようです。
再査定で評価が変わることも
減額される事ばかりではなく、当日買取で引き渡した車の査定評価が上がり、売却金額が上がることもあります。すでに現金払いしているならわざわざ追加で払わないかもしれませんが、後払いのためこれから支払うという場合、高い評価額を受け取ることが期待できます。
ただし、わざわざ査定額をアップしてくれることは、かなり良心的な業者に限りますので、あまり期待はしないようにしましょう。
当日中に済ませるデメリット
当日買取は、中古車買取の手続きの中でもイレギュラーな部類に入るため、通常の買取取引ではないようなデメリットが生まれることもあります。
他社との比較をする余裕がない
一般的な中古車買取は、複数の業者に査定を依頼することで、最も高く評価してくれる業者から高い売却代金を受け取ることが出来ます。しかし当日買取は他の業者と比較する時間がないため、業者の言い値で売却せざるを得ません。
業者側も当日売却は他社と比較されないことを理解していることが多く、相場よりも安い買取価格を提示することも十分考えられます。
当日に買取不可となる恐れあり
複数の業者に査定を依頼できないことにより、買取自体が出来なくなる恐れもあります。車の状態があまり良くない場合、業者によっては買取を拒否することがあります。複数の業者に査定してもらうなら、その中で買取を行う業者を探すこともできますが、当日買取は複数社に依頼できないため、1社に断られた時点でその日の買取は不可となってしまいます。
もし業者が悪質な場合には、買取不可の車を無理に買い取るという前提で、相場よりもかなり買いたたかれてしまう事も考えられます。
まとめ
当日買取は、車を即日現金に換える事が出来る売却方法ですが、当日現金買取に対応出来る業者は少なく、その上一般的な買取価格よりも安く買い叩かれる恐れがあります。また後から査定をし直しすることで査定額が代わり、場合によっては返金しなければいけないケースもあります。
売却は当日でも、代金は後から受け取る形にするだけで、適正に近い売却代金を受け取れる可能性が高まるため、資金状況が許すなら、代金は後払いとし、余裕を持った査定を受けるようにしましょう。