車に買取業者の張り紙があったときは盗難の可能性!その理由と対策は?
「車を買取します」のような文言で、買取業者が張ったと見せかけた張り紙がフロントガラスにあった場合、チラシを鵜呑みにしてはいけません。その張り紙は、車窃盗グループの目印になっているかもしれないのです。
なぜ張り紙を危険視しなければならないのか、張り紙があったときにはどのように対処すべきなのかを解説します。
買取業者の張り紙に注意しなければいけない理由
車やバイクへの買取業者が張ったものと思われる、強引な買取を促す張り紙は、TwitterなどのSNSでもたびたび投稿されています。
張り紙が貼られた次の日に車が窃盗被害に遭ったという情報も多く、突然貼られた張り紙のほとんどは、良くないもののようです。
駐車場に車を停めている間など、自分が気付かないうちにフロントガラスなどに貼られているケースが多く、車やバイクなど多くの被害が出ています。
張り紙記載の会社は架空業者
「車の買取をします」や「売ってください」または「廃車にする車はありませんか?」などの文言で、車買取業者を装った張り紙には、会社名や住所、電話番号が記載されています。
しかし、チラシに記載されている会社名のほとんどは、実際には存在しない架空業者ということが判明しているのです。
中古車買い取り業者の場合は古物商許可を取得していなければなりませんが、古物商許可番号などで検索してみても会社名が見つかりません。
近年、中古車買取業者の多くは、自社のホームページを作成していることが多いですが、張り紙に書かれている会社名を検索してもホームページが出てくることもないです。架空の会社名を記載して、信用してもらうための手口の可能性が非常に高いといえます。
窃盗グループの目印
車の目立つところに張り紙をする目的のひとつに、窃盗グループの目印だからという理由もあります。
盗みやすい車や、盗みやすい場所に普段駐車されている車、価値のある車などに張り紙をして、しばらく張り紙が剥がされないのを確認すると「この車はあまり管理されていない」とみなされ、盗まれるという手口です。実際にSNSでも投稿されているように、張り紙が貼られてから盗難被害に遭っている人はいます。
安く買い叩かれる可能性も
張り紙をした業者が本当に買取業者である可能性も否定はできませんが、このような張り紙をして宣伝する業者の場合、大量に安く車を買い叩きたい業者であることが多いです。
優良な買取業者であれば張り紙をせずとも口コミなどでいい評判が立ち、自らの足を使って張り紙をする必要がありません。
悪徳業者である可能性も否定できませんので、いくら買い取りを検討しているからといって安易に信用しないようにしましょう。
張り紙が貼られたときの対策とは?
先ほども紹介したように、張り紙が貼られたまま放置していては大変危険です。本当の買取業者であれば問題はないのですが、それこそ窃盗グループの目印に使われていたのでは、大切な車が盗まれてしまうことにもなりかねません。
張り紙が車に貼られていたときに、すぐにできる対策をご紹介します。
管轄の警察署に相談
張り紙が勝手に車に貼られていたという旨を、管轄の警察署にある住民相談係で相談しましょう。その地域で頻繁にこのような張り紙被害がある場合は、警察署のほうでも話は簡単に進みます。
また警察署のほうも、今後のトラブル回避のためにもこのような情報は提供してほしいのです。忙しくて警察署に立ち寄れない場合は、電話連絡だけでもしておくようにしましょう。
盗難防止に役立つ装置の設置
車に張り紙があった場合、最悪の事態を想定しておかなければなりません。最悪の事態とは、愛車の盗難です。
車を乗ろうと駐車場に行ったときに車がないということになると、悔やんでも悔やみきれません。車が突然と消える悲しみは計り知れないものです。
盗難防止に役立つ装置には、監視カメラや警報機があります。監視カメラというと大掛かりな装置を想像しがちですが、人感センサーの付いた簡易的なカメラや駐車監視機能がついたドライブレコーダーなどが、最近では比較的安く手に入ります。
警報機にも種類がありますが、車に与えられた衝撃を感知して鳴る警報機なら、比較的安価で手に入るでしょう。
本物の監視カメラや警報機を設置する余裕がないという場合は、ダミーでも多少の効果はあります。
本物の監視カメラよりも安い値段で購入できるダミーの監視カメラや、盗難警報システム設置車という盗難防止ステッカーも効果的です。
駐車場が近くにない場合は少し難しいですが、自分で駐車場周りを見て回ることも大切です。頻繁に見回りをすることで愛車の状態にいち早く気づきますし、窃盗グループに危機感を与えることもできます。
駐車する場所を変える
駐車する場所が家から遠い場合や人通りが少ない場所にある場合は車が盗まれやすいので、駐車する場所を目の届く範囲に変えることも大切です。
しかし自宅の敷地内に停めているのにも関わらず、張り紙がされていた場合は、車だけでなく家に強盗に入られることも想定しておかなければなりません。家のセキュリティ対策も、この際しっかりおこなっておきましょう。
心配な場合は、やはり管轄の警察署に相談して、パトロールを強化してもらう方法が良いでしょう。
もっとも安全な車の保管場所はビルトインガレージハウスと呼ばれる、家の中に車を保管する方法です。
張り紙に記載してある電話番号には電話しない
張り紙には、架空の会社名のほかに住所や電話番号も記載されていることが多いです。これらの張り紙に記載されている番号は、固定電話ではなく携帯番号のことが多いですが、こちらからは電話しないようにしましょう。
なぜなら、自分の携帯番号が相手に抜かれてしまって悪用される可能性もあるからです。しかし張り紙をした相手が窃盗グループだとしたら、記載されている電話番号に電話しても、つながらないことが大半でしょう。
窃盗グループの場合は、電話をかけてきてもらう理由はありません。虚偽の番号が記載されている可能性もあります。虚偽の番号が記載されていた場合は、その番号の持ち主に迷惑がかかりますので、電話はかけないに越したことはないです。
盗難保険をチェック
いくら盗難対策をしていても、さまざまな手口を使って盗難してくる犯罪グループに、車を盗難されてしまうこともあるのです。
車の盗難事件は、認知件数だけでも年間でおよそ1万件は発生しているといわれています。いつ誰が車の盗難被害に遭うのかは、予想できないのです。決して他人ごとではないことを、しっかりと頭に入れておく必要があります。
万が一車が盗難された場合を想定して、自分が加入している自動車保険をチェックしておきましょう。
盗難に関係する保険は「車両保険」と呼ばれる種類の保険です。車両保険は、盗難被害のほかにも災害やいたずらを補償してくれる保険ですので、加入していない場合には、加入を検討するのもいいかもしれません。
すでに車両保険に加入しているという場合は、加入している車両保険の補償内容の確認をしておきましょう。わからないことは保険会社に問い合わせておき、事件が起きたときに慌てずに済むように準備しておいてください。
まとめ
ある日突然自分の車に張り紙がしてあったとしても、そのままゴミ箱に入れて気にしないという人も多いです。しかし謎の張り紙から数日後に、車が盗難されてしまったという事件は実際に起こっています。
車の窃盗事件は、日々起きている誰にでも起こりうるトラブルです。張り紙が本物の買取業者であれば問題ありませんが、窃盗グループの目印となっている可能性がある以上、いつも以上に慎重に車を保管し、できるなら警察署に相談しておきましょう。