車買取時に還付される税金や注意点、還付の手続き
車の売却は買取価格ばかりに気を取られがちですが、税金の還付にも注目すると良いでしょう。税金の仕組みを知れば、愛車を高く売ることができますよ。今回は車買取時に還付される税金や注意点、還付の手続きについて解説していきます。
車買取で還付される税金とは
車の買取時に還付される税金の種類について解説していきましょう。
車を所有するためにはガソリン代や保険料のほか、毎年、自動車税や自動車重量税といった税金がかかります。これらの税金は年度初めに一括して納めますが、途中で車を手放すと、使っていない車に税金を余計に払うことになってしまいます。これを防ぐために国や自治体では、売却に伴って納付済みの税金の一部を払い戻す、還付制度を設けています。
ですが還付される税金は、車の売却の仕方によって違いがあります。車にかかる税金の仕組みを理解して、利用しやすい買取方法を選ぶと良いでしょう
買取・下取りでは税金は還付されない
車を中古車として売却した場合は自動車税が月割りで戻ってくるものの、実は、法的に買取や下取りで自動車税の還付をする規定はありません。
下取りはディーラーに新車購入の代わりに車を引き取ってもらうこと、買取は新車購入にかかわりなく、業者や販売店に車を転売することですが、どちらも車の名義変更にあたります。この場合は車の所有者が変わるだけで、車自体の運行は続くため、税金を還付する対象にならないのです。
といっても、もともとの所有者が余計に払った税金のおかげで次の所有者が自由に車を使うことができるとなると、やはり不公平ですよね。そのため車を買取や下取りに出した場合は業者が次の所有者の替わりになって、未経過分の自動車税を月割りで計算し、買取額に上乗せして還付するのが一般的です。
ただしこれは法的に規定された還付ではないため、あくまでも業者の判断次第です。なかには還付される自動車税分の上乗せをしていない業者もいますので、査定を受ける際に、業者に自動車税の還付について確認しておくことをおすすめします。
買取と下取りで比較すると、高額査定を狙いやすいのは買取です。同じように税金の還付分を受け取ることができても、ディーラーはあくまでも新車販売が目的なので、あまり買取価格が上がらない傾向があります。税金還付も含めて愛車の査定額アップを狙うなら、買取を選ぶのが賢い選択です。
一時抹消・永久抹消するなら税金の還付がある
未経過分の自動車税が法的に月割りで還付されるのは、車を廃車として業者に売却したときです。車が古くて中古車としての価値がつかない、故障車・不動車から部品取りをするなど、廃車に出す理由はさまざまですが、この場合は車という資産そのものが消滅するため、払いすぎていた税金が所有者に還付されるわけです。
ただし一口に廃車といっても、一時抹消と永久抹消の2つの手続きがあります。それぞれで還付される税金が変わるため、しっかり理解しておきましょう。
一時抹消は一旦ナンバープレートを陸運局に返納し、一時的に公道を走れなくする手続きで、必要があれば後で再度登録ができます。経費削減のために買取や中古車販売ではよく使われる手続きですが、一時抹消の場合は未経過分の自動車税を月割りで、還付してもらうことが可能です。
永久抹消は二度と再登録ができず、壊れた車や古い車を解体処理する際に使われます。永久抹消では自動車税とともに、残った車検期間に応じて自動車重量税も還付されるので、忘れずに手続きをしましょう。
なお普通車と違い、軽自動車は1年間の税金を前年分で後払いするため、売却したときに税金の還付はありません。
軽自動車にも自動車重量税がかかっており、永久抹消をした際に税金還付を受けることができますが、月割りすると1ヵ月分の還付金は数百円程度です。車検の残り期間が少ない時期に売却すると、還付申請にかかる手間や費用のほうが負担になる可能性もあるため、慎重に検討して申請することをおすすめします。
車買取で税金の還付を受けるときの注意点
車の買取で税金の還付を受けるときの注意点をご紹介していきます。 車にかかる税金の還付は、誰でも受けられるというわけではありません。確実、適正に受け取るために、準備を進めましょう。
自動車納税証明書を用意しておく
当たり前のことですが、定められた税金をきちんと納めていないと、税金は還付されません。税金の還付は、あくまでも納め過ぎた税金を払い戻す制度です。自動車税を未納のまま放置していると、車の売却自体ができません。車を持つなら、納税の義務をしっかり果たしましょう。
税金を納めると発行される「自動車納税証明書」は、車を売却時に業者に提出する、必要不可欠な書類です。自動車納税証明書は廃車の後に税金還付を申請する際にも必要で、買取や下取り時に提出することで、業者が税金の還付分を下取り価格に上乗せしてくれるため、査定を受ける前に必ず書類を確認しておいてください。
万が一、自動車納税証明書を紛失しても、きちんと納税していれば再発行が可能です。ただし手続きには日数がかかるため、紛失に気が付いたら、早めに手続きをしておきましょう。
買取価格の内訳や還付時期を確認する
買取の場合は買取価格の内訳を確認して、自動車税の還付相当分がきちんと上乗せされているか確認すると良いでしょう。還付金が支払われる対象は、車を売却した翌月分から次の3月までの残存月数です。税金の還付金は年税額に残存月数を掛けて、12で割った計算式で算出できますよ。
自動車税の請求書は、毎年4月1日時点の所有者に対して、5月頃に発送されます。そのため4月から5月初旬にかけて車を売却すると、車を売却した後に請求書が届くことがあります。
この場合は税金の還付分を買取価格に上乗せせず、後日改めて業者に税金を支払ってもらうのが一般的です。請求書が届いた段階で業者に渡す必要があるため、まだ請求書が届いていない時期に買取に出す場合は、納税のタイミングについて業者に相談をしておくことをおすすめします。
また廃車で売却する場合は、後日還付金を受け取ることになります。あわせて税金が還付される時期も確認しておくと良いでしょう。
車買取における税金還付の手続きの仕方
最後に、車買取における税金還付の手続きをご説明しておきましょう。車を中古車として買取・下取りに出すなら特別な手続きは不要ですが、廃車にする場合は売却にあわせて税金還付の手続きが必要です。 廃車の売却には、2通りの方法があります。
一つは所有者が自分で最寄りの陸運局で抹消手続きをし、業者に車を引き渡す方法です。自動車税は抹消手続きを行うと自動で手続きが完了し、2~3ヵ月後に自動車税税事務所から届いた支払い通知書を提示して、金融機関で還付金を受け取ることになります。永久抹消をするときは、必ず自動車重量税の還付手続きもあわせて行いましょう。
仕事などが忙しくて自分で手続きが難しいなら、税金の還付手続きを代行してくれる廃車買取業者を選ぶと良いでしょう。売却時の契約書類とともに「自動車税還付委任状」を提出すれば、還付手続きの全てを代行してもらえるため便利です。
業者に委任する場合は、後日、業者が陸運局で抹消手続きをしないと支払通知書が郵送されません。手続きの代行を委任する際はいつ手続きを行う予定であるか、還付金を受け取る時期についても、あわせて確認しておくと良いでしょう。
まとめ
車を買取に出す際に税金の還付があることを理解していないと、思わぬ損をするかもしれません。車にかかる税金の種類や仕組みを、正しく理解しておくことが大事ですよ。税金の還付分をプラスして、大事な車を少しでも高く売却するのを目指しましょう。