車買取のプロがチェックするポイント - 査定士の視点から
車の買取査定では少しでも高く買い取ってもらいたい!と誰しも思うものです。そのためには査定士がどこを見て買い取り額を決めているのかを知ることが大切です。より高く買取査定してもらうポイントと、査定額は買取をする店や査定士によっても変わることについて詳しく解説します。
車の外装
まずは車の外装をチェックされます。
車体の塗装状態
車体の塗装状態は査定において非常に重要です。美しいツヤがある塗装は高く評価されます。傷やへこみが少ないこともポイントです。定期的なワックスやポリッシュで輝きを保つことが大切です。
ドアとパネル
査定士はドアとパネルを詳細にチェックします。ドアに傷や凹みがあると、買取価格に影響します。パネルの塗装も忘れずに確認しましょう。キズや剥がれた塗装は査定額を下げてしまいます。
ライトとウィンドウ
ヘッドライトの傷や曇りは視界を妨げる可能性があります。ウィンドウにキズやヒビがあると交換が必要な場合があり、費用がかかります。定期的なメンテナンスが査定に影響します。
車の内装
次に車の内装をチェックされます。
シートの状態と清潔度
内装査定では、シートの状態が大きな要因です。シートの汚れやほつれ、シミ、破れがあると査定額が減少します。定期的なシートカバーの使用や清掃がおすすめです。
ダッシュボードやコンソールの損傷
ダッシュボードやコンソールの損傷も注意が必要です。ひび割れ、スクラッチ、ボタンの不具合などがあると査定に影響します。専門家に修復してもらうことが査定アップにつながります。
エアコンやオーディオの動作確認
内装の機能も査定に影響します。エアコンやオーディオの動作がスムーズであることを確認しましょう。故障している場合、修理や交換が必要で、査定額が減少する可能性が高まります。
エンジンと駆動系
次にエンジンと駆動系をチェックされます。
エンジンルームの清潔度
エンジンルームの清潔度は重要なポイントです。汚れやオイルの漏れがあると、車のメンテナンスが不足していると見なされ、査定が下がります。エンジンルームの清掃を行い、整備記録を用意することが査定向上の秘訣です。
エンジンの異音や排気の色
エンジンの異音や排気の色に異常がある場合、潜在的な問題がある可能性が高いです。査定士はエンジンを始動し、異音や排気の色に注意を払います。これらの問題がある場合は修理が必要です。
ギアシフトやクラッチの操作感
エンジンと駆動系に関連するもう一つのポイントは、ギアシフトとクラッチの操作感です。スムーズにシフトチェンジができ、クラッチの効きが良い場合、査定が向上します。必要ならば、整備を行って操作感を改善しましょう。
サスペンションとタイヤ
次にサスペンションとタイヤをチェックされます。
サスペンションの効き具合
サスペンションは快適な乗り心地や安定感を提供します。査定士はサスペンションの効き具合を注意深くチェックします。異音や不調がある場合、修理や交換が必要です。
タイヤの溝の深さと磨耗度
タイヤの状態は安全性に大きく関わります。タイヤの溝の深さや磨耗度を確認し、法定の最低溝深さを満たしているかどうかが査定に影響します。十分な溝がない場合は新しいタイヤに交換することがおすすめです。
ホイールの状態
ホイールの傷や歪みは外観に大きな影響を与えます。査定士はホイールの状態を確認し、キズや凹みがある場合、修復が必要です。綺麗なホイールは車全体の印象を良くし、査定額にプラスの影響を与えます。
その他の重要なチェック項目
最後に、その他の重要なチェック項目をご紹介します。
車検証や保険証の有無
車検証や自動車保険証券の有無は重要です。査定士はこれらの証明書を確認し、車両が合法的であることを確認します。証明書が揃っていない場合、手続きが必要となり、査定額に影響を及ぼす可能性があります。
車の歴史や修理履歴の確認
車の過去の事故や修理履歴は査定に大きな影響を与えます。査定士は車の歴史を詳細に調査し、事故や大規模な修理があった場合、それに応じて査定額を調整します。
キーレスエントリーやナビゲーションの機能性
近年の車には高度なテクノロジーが搭載されています。キーレスエントリーやナビゲーションなどの機能が正常に動作することは査定に影響します。故障している場合、修理が必要となり、査定額に影響を及ぼす可能性があります。機能が良好であれば、査定額がアップすることも考えられます。
少しでも高く買取査定してもらうためのポイント
続いては少しでも高く買取査定をしてもらうために知っておきたいポイントをまとめてご紹介します。
売却時期をいつにするか?
車は査定に出す時期によって査定金額が変わってくることがあります。
これは車の需要が増える時期かどうかが大きく影響してきます。春など新生活がスタートする時期は需要が高まりますし、購入する側になって考えると、ボーナスの後などお金に余裕がある時に買おうとするものです。個人ではなく会社として考えると決算月も購入が増える時期です。決算対策として車を買うという会社も少なくないのです。
そういった意味で、年間を通じて査定を出すのにおすすめな時期は1~3月、もしくは8~10月といわれます。
小さな傷は直す
車に傷がないことというのは、外装をチェックされるという意味で非常に重要です。しかし、すでについてしまっている傷は直すべきでしょうか?
判断が難しい所ですが、擦りキズなどの小さな傷であれば直しておきましょう。ステッカーを貼っていた跡など、貼ってからあまり時間が経過していないのであれば、きれいに取れるでしょう。
ただし、ホームセンターやカーショップのグッズを使って自分ですることで、余計に目立ってしまったというケースも少なくありません。プロ並みにできるわけでなければ、塗装などはしないことをおすすめします。
傷やへこみ塗装は敢えて直さない
同じ傷でも大きな傷やへこみ、塗装といったものは直さない方がいいでしょう。
これは修理費との兼ね合いです。知り合いなどに依頼してきれいに安く直すことができるのであれば、キレイにしているほうが当然査定額は上がります。
しかし修理に高い費用を払ったものの、査定額がそこまで大きく変わらなければプラスに作用したとはいえません。実際に支払う修理費用分査定額が上がるというのは、ほとんどないに等しいと考えておいていいでしょう。
車内清掃消臭
査定時に外装や内装は大事だという話をしましたが、車内清掃や消臭をするかどうかについては賛否両論あります。
多くの方が、査定前に少しでもきれいに見せようと洗車やワックスがけをするものです。人によってはタイヤ交換をする方もいます。
しかし基本的に洗車やワックス、タイヤ交換などをしたからといって査定額がアップすることはありません。ただ、手入れが行き届いていると査定士に感じさせることができれば、印象があがり査定額が多少アップする可能性はあります。簡単な洗車やダッシュボードなどの片づけ程度で問題ありません。
できればしておきたいのは、脱臭です。消臭剤や天気が良い日に天日干しをするなどして、できるだけ車内に臭いが残らないように工夫することをおすすめします。
純正パーツに付け替える
ご自身でパーツを変えている場合で、もし純正パーツを保管している場合は、できる限り純正のパーツに付け替えをしておきましょう。そうすることで、マイナスポイントが無くなる可能性大です。
ただし、自分で付け替えをすることで傷を作ってしまう、跡が残ってしまうなどのリスクもあります。不安な場合は、純正パーツを査定時に提示しましょう。買取業者が純正パーツに付け替えをしてくれ、マイナスポイントが少なくなることもあります。
車に関する資料は保管
定期点検整備記録や取扱説明書や保証書などはきちんと保管しておくことをおすすめします。
定期点検整備記録があることで、過去の整備状態はもちろん、車の基本情報も確認することができます。またオーディオやカーナビなどの説明書は捨ててしまいがちですが、次のオーナーは初めて使うため、あるとプラスにはたらきます。説明書は純正品であるかどうかに関わらず、持っているのであれば、査定時に見せるようにしましょう。
また、保証期間内の保証書があると、よりプラス評価になることが予想されますので、あわせて提示することをおすすめします。
車買取の査定は、お店や査定士によって変わる
愛車の査定ポイントや高く買取してもらうポイントをご紹介しましたが、査定額はどこのお店で行うか、どの査定士が行うかでも金額が変わります。
お店によってニーズが異なる
同じ中古車販売店でも欲しい車種やタイプは全く同じではありません。
あえて、改造車をメインに扱っている業者もあります。分かる人が見れば価値が分かるという言葉があるように、たとえマニアックな改造であっても、ニーズはゼロではありません。そういったコアな部分に着目して販売している業者もありますので探してみましょう。
改造車以外にもスポーツカーに特化している、高級車や輸入車に特化している業者もあります。逆に顧客がこのような車があれば買い取りたいから連絡が欲しいという要望をだしており、ニーズに合う車を探している業者もあるものです。
そういった意味では1社だけでなく複数社に声をかけることをおすすめします。
査定士によって金額は変わる
査定士が金額を決めてしまう会社もあれば、査定士の判断をもって社内の別部署が市場のニーズなども踏まえた上で金額を決める場合もあります。
小さな会社だと査定士が決めてしまいますが、大きな会社だと査定士自体の判断では決められない場合もあることを知っておきましょう。
走行距離をメインに考えるところがあれば、コンディション第一で考える会社もあります。どこをポイントにおいて買い取っているかが分かれば、買取業者も選びやすくなります。
査定士とのコミュニケーションも大事
査定をしてもらう際のコミュニケーションや態度も大事なポイントです。
相見積りを考えているという話をすると、値下げ幅を考えて余裕のある査定額を出してくるでしょう。一方、ここで本当に売る気があるのだということを伝えることができれば、ギリギリの額を提示してくれる可能性大です。本気度を伝えるためには、印鑑や必要な書類を準備しておくのも一つの方法です。
またコミュニケーションの中で、なぜ手放すのか、いつ頃手放すのかといった具体的な話や、どのぐらいの額が希望であるかといったことも詰めて話すことが大切です。相手も人間なので、よい印象をもってもらうように態度にも気をつけましょう。
まとめ
車の買取査定時に査定士が見ているポイントとより高く売るために事前に行うべき対処法についてご紹介しました。これらをしっかり踏まえた上で、複数社で査定を行い希望額で買い取りをしてもらえるように努めましょう。