車の査定では年数が関係する?そのほかにも基準がある
車を乗り換えたい場合や必要でなくなった場合など、車を売却するタイミングには、さまざまなケースが考えられます。誰しもがより高く買取って欲しいと考えるのではないでしょうか?車の査定には、ある一定の基準が設けられています。その査定基準を知ることで、良いタイミングで車を売却できるのです。
車の査定基準を解説するとともに、いつ頃手放すのがベストなのか、おすすめの売却時期についてもご紹介します。
年数によっての査定金額の違いと売却の目安
車が新しいほど高く売れるというのは、なんとなく理解している方も多いでしょう。査定金額は、乗車年数や車の年式と深い関わりがあるのです。
車の価値は年数が経つにつれて下がります。売却にベストな時期を、さまざまな角度からご紹介します。
年数による中古車の価値
以下の表に、新車登録してからの経過年数で見た車の価値をまとめました。基本的に車の価格は国産車、外車問わず、1年で約30%は下がるといわれています。
年数 | 減額率 |
---|---|
3年後 | 30~45% |
5年後 | 40~60% |
8~10年後 | 95%~100%(査定額ほぼ0円) |
あくまでも、この数字は目安です。年数のほかにも走行距離や車種によって異なります。
乗車してから5年目で売却がベスト
経過年数で見た車の価値を見ると、約5年を境に一気に下落する傾向にあります。そのため、車を売るなら5年目がベストタイミングと考えられるのです。
もちろん経過年数から見る価値だけで、5年目がいいというわけではありません。なぜ5年目の売却がベストとされるのか、ほかの視点から解説していきます。
1.3年目より5年目がベストといわれる理由
新車の状態で購入すると初回の車検は3年後ですが、新車の状態から3年目では部品の劣化も進んでおらず車検費用に大きな負担はありません。
しかし、5年後の車検時には交換しなければならない部品があったり、メンテナンスをしなければならない部分が出てきたりする可能性が高いです。このことから3年目ではなく、5年目がベストだといえます。
2.価値が大きく下がる分岐点
先ほどもご紹介したとおり、車の価値は年数が経過するごとに下がっていく特徴があります。もちろん、車種や走行距離なども関係してきますが、一般的な車を考えると年々価値が下がるのは当然のことなのです。
新車購入から5年目という時期は、車の価値が大きく下がる一歩手前と考えられます。5年を過ぎてしまうと一気に価値が下落してしまうことが多いのです。
車の価値が一気に下がってしまうギリギリのところで、車を売却することが一番お得に車を手放せる時期だと考えられます。
3.新車保証が切れる前
国産車を新車で購入している場合、特別保証がついています。この特別保証とは、車に異常が現れたときに、5年以内ならメーカーが修理やメンテナンス、部品交換をおこなってくれる制度です。
5年目に保証は切れてしまうので、このタイミングで売却するのがよいといわれています。
4.ローン完済のタイミング
車を購入する際に、ローンで購入している方が非常に多いです。ローンの設定にもよりますが、5年目にはローンを完済している方が多いため、ローンが終わるタイミングで車を手放すのがよいとされています。
仮にローンがまだあと少し残っているという状態でも、車の状態が良いうちに売却することで、そのお金をローンの返済に回すことが可能です。
ローンの残金が残ったまま次の車を購入しようとすると、ローンが通りにくい場合がありますので、まずは今組んでいるローンの完済を目指しましょう。
年数以外の車の査定基準
車の価値は、年数だけで決まるものではありません。多くの中古車買取業者では、しっかりとした車の査定基準が定められています。JAAIと呼ばれる、日本自動車査定協会が定める中古車査定基準を基準にしている業者が多いです。
基本的な5つの項目ごとに、車の査定基準を詳しく解説していきます。
年式走行距離
平成27年度以降、年式が古い車はガソリン車、LPガス車、ディーゼル車問わず、自動車税が重課されることになっています。
さらに古い車、走行距離が多い車ほど不具合が多い傾向にあり、部品交換や修理の頻度が多くなることから、中古車買取業者側も買取を渋る傾向にあり、買取価格が大幅に下がるのです。
一般的な走行距離の基準は、普通自動車で1年に1万km、軽自動車で8,000kmです。この基準を大幅に超えてしまうと大きく査定額が減額される可能性があります。
ボディの状態
車の外装は、とくに目につく部分で、誰もが気にする部分でもあります。車をぶつけたり、事故をしたりしていなくても、普通に運転しているだけでも車には小さい傷がつくものですから、目立ちにくい小さな傷はほとんど査定に影響しません。
しかし、傷が多い場合やボディがヘコんでいる場合、塗装の状態がよくない場合は減額の対象となります。
傷があるからといって、むやみに自分で修理しようとすると、かえってボディを傷めてしまい査定に響く恐れもありますので、傷があってもそのままの状態で査定に出しましょう。
エンジンの状態
エンジンは車の心臓ともいわれる、非常に重要な部分です。エンジンに不具合があると、車の査定に大きく響きます。エンジンの傷みが激しい場合は、買取できなくなることもあるほどです。
車の査定士は、エンジンの異音やオイル、プラグの状態など、細かなところまでチェックしますので、オーバーホールしているエンジンは前もって申告しておくほうが、査定士からの印象はよくなります。
また盗難車や改造車の買取を避けるために、エンジンルームに刻印されている車体番号は必ずチェックされます。ここに不備がある場合は買取拒否の可能性が高いことも覚えておいてください。
内装の状態
車の内装も外装と同様、多くの方が気にする部分です。シートの破損や取れない大きなシミがある場合、シートをまるごと交換しなければならないため、査定額は大きく下がる傾向にあります。
汚れや破損だけでなく、ニオイも入念にチェックされる項目です。喫煙車やペットを乗車させる機会が多い方は、査定額に響く傾向があります。
事故・修理・改造歴
事故車や修理歴がある車、改造車は、査定に大きく影響します。特に車の骨格部分の損傷を修理した車は「修復歴あり」とされ、買取価格がかなり下がってしまうのです。
修復歴がある車は、走行機能に影響を与えている可能性が高いほか、今後、別の性能にも異常をきたす可能性が高いとされています。
修復歴としては残りませんが、雪害車や塩害車、水没車も修復歴ありの車と同等に考えられます。修復歴としては残らなくても、査定士が見ればすぐに分かる項目なので、大幅な減額があると見ておくほうがよいでしょう。
自分がお金をかけて仕上げた改造車は、高額査定してくれると思う方も多いですが、改造車を望んでいる方が少ないため、多くの場合取り付けてあるパーツを外して純正に戻す必要があります。
純正パーツ代や改造部品の取り外しにお金がかかるため、買取金額は大きく下がると考えましょう。
どのような状態でもまずは査定を!高額な場合も!
ここまで、さまざまな理由から査定額が大きく下がることや買取を拒否される可能性があることをご紹介してきましたが、買取ってもらえないだろうと勝手に自分で判断せず、まずは査定に出してみることをおすすめします。
たとえば、新車購入してから10年以上経過した車の価値は、ほぼ0に近いといわれていますが、これは日本だけの考え方です。海外では10年以上経過した車でも、かなりの需要があります。
日本車は、海外では故障しにくいことで非常に人気が高く、走行距離が多い車や購入から年数が経っている車でも需要が高いのです。
また、走行が難しい状態の車でも、使える部品だけを取って販売する買取業者もあります。事故車や修復歴ありの車でも、このような業者なら買取ってくれる可能性が高いでしょう。
車の買取業者を慎重に選ぶことで、古い車でも高額査定になることがあります。今では、海外にさまざまなルートを持つ業者も多く、今までの車買取の常識では考えられない査定をしてくれるところもあるので、自分の車の状態にあった買取業者を選ぶようにしましょう。
まとめ
これまでと同じように、基本となっている車査定の基準はあるものの、近年では海外へ売るために車を買取る業者も多いです。年数が経過している古い車でも納得できる値段で買取ってもらうことができるかもしれません。
まずは、業者選びをしっかりおこない、どんな状態の車でも査定してもらいましょう。