車の買取でプラス査定になる要素は?どんな基準があるの?
車の買取といえば、傷やへこみ、サビなどでマイナス査定になる印象がありますが、プラス査定になる要素も意外とあるものです。
どのような要素があればプラスになるのか、装備やタイミング、ポイントを紹介します。
車買取がプラス査定される装備
車の装備のうち、製造時に取り付けられるメーカーオプションはプラス査定になりやすいといえます。ほとんどが後付けできないからです。同じモデルの中古車でも装備されている数が少ないので、需要の多さはもちろん、JAAI(日本自動車査定協会)のハンドブックでもプラス査定になります。
プラス査定になる装備
査定の際、車に搭載されているオプション装備も重要な要素です。特に以下の装備は高評価を受けやすいです:
- サンルーフ: 製造時にしか選べない装備で、人気があります。
- 革シート: 高級感があり、査定額にプラスの影響を与えます。
- オートスライドドア: 便利な装備として加点されます。
- ABS(アンチロック・ブレーキ・システム): 安全装置として高く評価されます。
- エアバッグ: 安全性向上に貢献し、査定に良い影響を与えます。
- エアコン、パワーステアリング、パワーウィンドウ: 標準装備ではない場合、加点の対象となります。
- ボディカラー: 製造時にしか選べない色も査定に影響を与えます。
- 白や黒: 人気のあるカラーとして高く評価されます。
- パールホワイト: オプションの中でも高い査定額に寄与します。
- スポイラー: フルセットで装備されている場合、査定で評価されます。
ただし、一部のオプションは後付けできるものが多く、JAAIのハンドブックではほとんどが加点の対象外です。また、最新のテクノロジーが投入されたオプションは市場の需要に左右され、査定額が変動することがあります。
以上のポイントを考慮し、査定の際にオプション装備をアピールポイントとして活用しましょう。査定額に良い影響を与えることが期待できます。
タイヤの状態も査定に影響
車の査定において、タイヤの状態も重要なポイントとなります。特に以下の要素で評価されます:
- タイヤの溝の深さ: 乗用車の場合、タイヤの溝の深さが5mm以上あると査定にプラスの影響を与えます。商用車やトラックの場合は6mm以上が評価されます。スタッドレスタイヤやスノータイヤは8mm以上が加点の対象となります。
- アルミホイール: アルミホイールも特定の基準を満たす場合、4本セットで査定の対象となります。
しかし、タイヤ以外の装備については買取業者によって評価が異なります。特に社外オプションはデザインや好みが多様で、評価が分かれることがあります。一般的に、車を売却する際には社外オプションを外し、標準仕様に戻すことが一般的です。
ただし、買取業者が特定の社外オプションに需要を見込む場合、プラス査定の可能性があることもあります。JAAIでプラス査定になるオプションであっても、見落とす査定士が存在することから、積極的にそのオプションの価値をアピールすることが重要です。
車買取がプラス査定される時期
車の買取価格は時期によっても変動します。1年の中でいえば、3月から4月は就職や進学、人事異動などで車の需要が高まりやすい時期です。中古車販売店では在庫が不足するため、必然的に査定額も上乗せされる傾向があります。
車買取りが活発になる時期
車の買取り市場が活発になる時期には、以下のポイントがあります:
- 3月: 多くの中古車販売店での決算月であり、買取に力が入ります。また、この時期は転職や進学、人事異動などが行われるため、車の需要も高まります。
- 9~10月: 中間決算が行われ、人事異動の時期でもあるため、買取市場が活発になります。
ただし、需要が高まる月に車を売却しても、車の状態によっては店頭に並ぶまで時間がかかることがあるため、査定額が期待通りにならない可能性があります。したがって、できるだけ早めに売却を検討し、1~3月および9月が適しているといえます。
廃車手続きが込み合う3月
3月に車を売却する場合、以下のポイントに注意が必要です:
- 4月に売却を延期すると、1年分の自動車税が発生するため、慎重に計画を立てる必要があります。
- 自動車税を未納のままで車を売却すると、次の所有者に迷惑がかかる可能性があるため、避けるべきです。
- 運輸支局や軽自動車検査協会は3月に混み合うため、手続きに時間がかかります。さらに、混雑期間中は買取業者の手続きも遅れがちです。
- 計画的に車を売却するためには、3月末までに売却し、名義変更手続きを終えるための余裕を持つことが大切です。
これらのポイントに留意して、車の売却計画を立てましょう。
マイナス査定になる時期もあるので注意
車の査定額は、売却する時期によってマイナス査定となることがあることに注意が必要です:
- モデルチェンジの直後はマイナス査定の可能性が高まります。古いモデルは最新の装備に比べて見劣りし、査定額が低くなることが一般的です。
- モデルチェンジを機に車を買い替えるドライバーが増えるため、市場には古いモデルの在庫が過剰になることがあります。
- 特に全面的な刷新となるフルモデルチェンジの影響は大きい傾向があります。
- できるだけ高い査定額を得たい場合は、情報が出た段階で車を売却することを検討するのが良いでしょう。
- ただし、フルモデルチェンジ後も一定の需要がある場合もあります。例えば、車のフロントマスクの好みが分かれるなど、古いモデルに対する需要が高まることもあります。
以上のポイントに留意して、車を売却するタイミングを検討しましょう。
その他のプラス査定ポイント(走行距離、車検残4カ月以上、説明書などの必要書類、掃除など)
車の装備やタイミング以外にも、プラス査定になるポイントはいくつかあります。1つずつ見てみましょう。
走行距離はどう査定に影響がでる?
まずは走行距離です。JAAIのハンドブックでは、最初の2年こそ年に1万kmペースであればプラス査定になりますが、その後は年数が増えるほどプラスになる走行距離が短くなります。例えば普通車は年に8,000~9,000km以下、軽自動車なら7,000~8,000km以下です。逆に上回ってしまうと、走行距離に応じて車の基本価格から一定の割合が引かれます。例えば、1年(12ヶ月)経った時点で15万km走っていると60%の減額です。基本価格が100万円の車なら、それだけで60万円の減額となります。
もっとも、需要の面で見ると年数に関係なく走行距離5万kmや10万kmは大きな節目です。そのため、JAAIのハンドブックとは別に、買取業者の判断で査定額がさらに下がる可能性はあります。
車検の残月数も査定に影響あり
次に車検の残月数です。JAAIのハンドブックでは、4ヶ月以上あればプラス査定になります。ただし、それ未満でもマイナスにはならないので、プラス査定のためにわざわざ車検を受ける必要はありません。プラス分が車検の費用を上回る可能性は低いからです。また、自賠責保険料も3ヶ月以上の残月数があればプラス査定になります。
保証書や整備手帳は残しておくこと
車の保証書や整備手帳、取扱説明書があるのもプラス査定です。JAAIのハンドブックではそれぞれに評価されますが、3つ揃っていると10点(10,000円)加点されます。汚れていたり、破れていたりすると減点ですが、個人情報を隠しているのは対象外です。整備手帳は、定期点検の履歴が漏れなく記録されていると、買取業者によっては高く評価してくれるでしょう。車のコンディションが把握しやすいからです。
車をきれいにしておいても
意外なところではきれいに洗車や掃除がされているのも、プラス査定になります。JAAIのハンドブックでは内装に限って汚れが無いのが標準状態とされ、単独ではプラスになりません。さらに破損や傷、臭いなどが無くて初めて加点されます。
外装に至っては汚れに対する評価がありません。せいぜい、シールやテープ跡、頑固な異物の付着でマイナスになるくらいです。けれども、きれいに洗車や掃除されている車と汚れたままの車とでは、前者のほうが良さそうに見えます。それは査定士でも同じです。むしろ汚れたままの車は隠れた不具合があるのではないかと疑われて、無駄に査定額を引かれる可能性があります。こうした事態を避けるためにも、事前に洗車や掃除をするのは有効です。ただし、あくまでもマイナスを防ぐ手段に過ぎないので、お金をかけてまできれいにするのはおすすめできません。
まとめ
車の買取でプラス査定になりやすいのは、後付けが難しいメーカーオプションや、需要のあるディーラーオプションです。ほかにも、査定額は売却するタイミングや走行距離、車検の残月数など、さまざまな要素でプラスになります。より査定額をプラスにするなら、買取業者選びも大事です。JAAIの基準があっても、買取業者ごとに評価するポイントは異なります。できるだけ多くの買取業者に問い合わせて、高い査定額をつけてくれるところを見つけましょう。