車買取で所有者が違う場合の対処法!必要書類や手続きを解説
車買取では、所有者を確認しなければなりません。所有者が異なる場合、所有者が誰であるのかによって手続きの方法が違います。
基本的には、所有者本人が買取依頼することが原則ではありますが、所有者が違っても買取は可能です。
所有者が違う場合の、車買取に関する手続き方法や注意点についてまとめました。
所有者が異なる場合も車買取は可能
車買取は、車の所有者本人が買取依頼するのが一般的で、もっともスムーズに買取ってもらえますが、必ずしも所有者でなければならないという決まりはありません。
所有者が違っても、名義が違う正当な理由があり、正しい手順で手続きすれば車買取は可能です。
一般的に所有者が違う場合でも、車買取できるケースをご紹介します。
まず、家族や知人が車の所有者である場合で、所有者自身も車の買取に賛成しているケースです。親や友人から車を譲り受けて、名義変更していなかった場合などが多いでしょう。
車の買取で所有者が違う場合は、手続きに「委任状」が必要となります。この委任状は、所有者本人が必ず記載しなければならないため、所有者本人の買取への同意が必要なのです。
委任状を提出すれば、車の名義変更ができます。ほとんどの車買取業者では、名義変更の手続きも代行してもらえるので、買取を依頼する側は、所有者に委任状の記載をお願いするだけです。
次に親や親戚などが所有した車で、所有者が死亡したケースです。この場合、車が亡くなった所有者の「遺産」という形になります。
そのため、名義変更は「遺産相続」にあたるので、亡くなったという事実が証明できる書類や遺産分割協議書などの書類を準備しなければなりません。
亡くなった所有者が親族ではなく友人や知人だった場合には、一旦所有者親族の名義に変えてから、所有権を自分にする必要がありますので、トラブルにならないように親族の方との話し合いをしっかり行ってから手続きするようにしましょう。
最後は、車の所有者に判断力がないケースです。この場合は、委任状のみの買取は、原則できません。一般的には家庭裁判所で申し立てをし、成年後見人を立てます。
所有者の親族の委任状で手続きをする人もいますが、トラブルになる可能性もあります。
車買取で所有者が異なるときの対処法
車買取で所有者が違う場合、基本的には名義変更の手続きが必要です。しかし名義変更手続きは、場合によって不要のときもあります。
ここからは、それぞれのケースごとに異なる対処法をご紹介します。
名義変更の手続き
車の所有者が違う多くのケースで、名義変更が必要です。車の名義変更は、ほとんどの場合、車買取業者が代行してくれます。
しかし名義変更に必要な書類は、自分で準備しなければならないので注意してください。名義変更に必要な書類は、以下の5種類です。
1.車検証:所有者の氏名や住所、車の情報が記載してあります。車のグローブボックスに収納してあることが多いです。
2.委任状:所有者と自分、両方の実印が必要です。
3.印鑑証明書:所有者と自分、両方が必要で、発行後3ヶ月以内のものが有効です。
4.譲渡証明書:所有者の実印が必要です。
5.車庫証明書:新しく名義を変更する人(自分)の車庫証明を取るために、場所を確保して管轄の警察署に届け出ます。
所有者がディーラーやローン会社
ローンの支払いが残っているとき、車の所有者はディーラーかローン会社にあります。所有者がディーラーやローン会社にある場合、基本的に車の買取はできません。まずは、車のローンを完済しましょう。
ローンを完済する方法は、自力で完済する方法と車買取業者が用意しているローン返済サービスを利用する方法、カードローンなどで借金して完済する方法があります。
ローンを完済したら、所有者を自分に移す手続きです。これを「所有権解除」と呼びます。所有権解除の方法は、ディーラーやローン会社によって異なりますので、確認しておきましょう。所有権解除が完了したら、最後に名義変更です。
所有者が家族や知人
所有者が家族や知人の場合は、車の買取に同意がもらえれば名義変更手続きなしで、車の売却が可能です。
ただし、絶対にトラブルを避けたいというならば、名義変更手続きをしてから買取に出すほうが良いでしょう。
名義変更無しで車の買取をする場合に必要な書類は、以下の3種類です。
1.委任状:車の買取に同意しているという確認が取れます。旧所有者と新所有者、2人の実印が必要です。
2.印鑑証明書:旧所有者と新所有者、どちらの印鑑証明書も用意しましょう。
3.譲渡証明書:旧所有者の実印が必要です。
所有者が死亡している場合
所有者が死亡している場合は少し特殊で、通常の方法では名義変更できません。車は遺産になりますので、遺産相続が済んでからでないと名義変更できないのです。
手続きには、先ほど名義変更に必要な書類で紹介した5種類の書類に加え、戸籍謄本と遺産分割協議書を用意します。
戸籍謄本は、死亡の事実を確認するため、遺産分割協議書は、相続権利者が自分以外に何人もいる場合、自分が車の所有権を相続することに全員納得していることを証明するために必要です。
遺産分割協議書には、相続権利者全員の実印や署名が必要になるため、早めに準備できるよう動いておきましょう。
所有者の違う車買取をする際の注意点
所有者が違う車であっても、正しい手順を踏めば買取は可能です。しかし、車買取でトラブルを避けるために、注意しておきたい方法が2点あります。
業者選びは慎重に
車買取の手続きは、多くの人が不慣れな分野であり、わからないことも多いでしょう。所有者が違う車を買取に出す場合、所有者が誰であるか、またなぜ所有者が違うのかという理由によって手続方法が異なります。
このように複雑な手続きでも、順序立てて説明してくれたり、質問に対して親身になって丁寧に解説してくれたりする業者を選ばなくてはいけません。車買取業者は、大手から小規模展開まで数多く存在しますが、1店舗で即決してしまわず、何店舗か候補を挙げて比較して慎重に買取依頼することをおすすめします。担当者は質問しやすい雰囲気か、ほかの店舗と比べて買取価格は安くないかなど、細かな部分までチェックしましょう。
車買取手続きは、正しい手順で行わないと、後々トラブルになる可能性もあります。手続きに関して、しっかりと詳細を説明してくれて、安心して買取依頼できる業者を見つけてください。
ローンの返済方法に注意
車のローンが残っている場合、そのままでは買取できないため、まずはローンの完済が必要です。
しかし、車を買取して欲しいという希望が先行し、無理な返済方法を選択して後で後悔することもあります。自己の貯金からローンを完済できる場合は理想的ですが、カードローンなどで新たに借金をしようとしている方は、再考が必要です。
ローンの残債が少額で、返済の見通しが立っている場合や、他に返済すべきローンがなく、月々の返済が苦しくない場合は、ローン返済サービスが便利な方法となります。ただし、新たな借金が生活を困難にするリスクもあるため、自身の収入や生活スタイルを基に、返済可能かどうかをよく検討しましょう。
また、一部の車買取業者は、ローンの返済に利用できるサービスを提供しています。このローン返済サービスは、車の買取価格からローンの残額を引いた金額を即座に支払ってくれるもので、新たに借金をする必要がない点が魅力です。
例えば、ローンの残りが15万円で車の買取価格が40万円の場合、40万円から15万円をローンの返済に充て、残りの25万円が手元に入る仕組みです。
ただし、ローンの残債が買取価格を上回る場合、その差額を自身で支払う必要があります。車買取業者ごとにこのサービスの提供状況は異なるため、利用を検討する場合には、業者を選ぶ際にサービスの有無を確認しましょう。
まとめ
所有者が違っても車買取業者に依頼すれば、簡単に手続きを代行してもらえますが、書類は自分で用意しなければなりません。
スムーズに手続きをするためにも、早めに書類の準備をはじめましょう。