車を売る際の注意点 | 車査定から契約後までの確認事項を解説
車を乗り換える際、これまでに乗っていた車が不要になり手放す人が多いでしょう。一般的には下取りよりも中古車買取業者へ売った方が高く買い取ってもらえますが、注意しないと通常よりも損をすることもあります。今回は車を高く売るために注意しておきたい点について紹介します。
売却する車の買取相場を調べておく
車を売却する際に注意しなければいけないポイントは、高く売るだけでなくスムーズに、確実に売るという点も考えておかなければなりません。
相場を知らない初心者は安く買い叩かれる
車を初めて売却する初心者が最も失敗しやすい点は「安く買い叩かれる」ことです。
中古車買取業者は、安く仕入れた車を高く売ることで利益を得ます。そのため査定員は可能な限り安く買い取りできるように、売主が持っている情報を探りながら買取価格を決めていきます。
失敗例として挙げられるのは、自分の車がどの程度の価格で売れるかを知らず、また複数の買取業者に査定を依頼していないというケースです。この場合、オーナーは買取金額に対する情報を持っていないと判断され、査定員からは非常に安い買取価格が提示されます。
買取相場を知らない買取初心者はその査定額が安いか高いか判断できないため、言われたままに売却してしまいます。しかしこれは査定員の思うつぼと言わざるを得ません。
このとき前もって相場を知っておけば、査定員が提示してきた買取価格が適切か判断することができます。不当に安く買い叩かれないためにも、必ず売りたい車の買取相場は調べておきましょう。
疑問点は必ず質問
仮にオーナーが相場を知っていたとしても、査定員はできるだけ査定額を下げ、安く買取することを諦めません。そのため何らかの理由をつけ、査定額を安く抑えようとしてくるでしょう。
もし相場よりも査定額が下げられていると感じたなら、何故査定額が下がったのか、何が判断基準になっていたかなど、疑問点はしっかりと質問しておきましょう。買取価格を下げさせないだけでなく、後からトラブルになることを防ぐことにもつながります。
また反対に、査定員からの質問にも隠し事をせずに回答しましょう。特に傷や修理歴など、査定に影響する要素は正直に答えておくことで、後から査定額を下げられるようなトラブルを防ぐことができます。
査定は複数の業者に依頼
査定を買取業者1社にだけ依頼してしまうと、もしその業者が相場よりも安い査定額を提示してきたとしても、その価格で買い取ってもらうしか選択肢が無くなってしまいます。
査定を依頼する際、複数の買取業者に依頼することで、それらの業者間で競争が生まれるため、より高い査定額を出してもらいやすくなります。
必要な書類を忘れていないかチェック
車を支障なく買い取ってもらうためには、必要な書類を事前に準備しておくと良いでしょう。 普段車の中に保管してあるものだけでなく、他のところに保管しているものもあるかもしれません。早いうちに確認しておくと良いでしょう。
自動車検査証
車検に合格した際に発行される書類で、通称「車検証」と呼ばれています。車検に合格していないと公道を走ることができないため、一般的には車のダッシュボードに保管されています。
万が一紛失している時には、前もって陸運局(運輸支局)に連絡し、再発行の手続きを取っておきましょう。
自賠責保険証
「自動車損害賠償責任保険証明書」は車を公道で走らせる際に必ず加入しておかなければならない「自動車損害賠償責任保険」に加入していることを証明する書類です。車検証同様、車のダッシュボードに保管されていることが一般的です。
再発行が必要な場合には、保険を契約している保険会社に手続きを依頼しましょう。
自動車税納税証明書
毎年4月1日時点に車を所持している人に対して課税される税金「自動車税」の納税を証明する書類です。この証明書は自動車を運転する際に携帯する義務がないため、車検証などとは別に保管していることもあります。
1年分の税金を年度初めに納税することから、年度の途中で車を売却する場合には一部還付してもらえます。もし紛失してしまっているようなら、陸運局、自動車税管理事務所、都道府県の税事務所において再発行を行うことができます。
委任状・譲渡証明書
「委任状」と「譲渡証明書」は、それぞれ車の名義変更の手続きを買取業者に委任すること、車を買取業者に譲渡することを証明するための書類です。一般的には買取業者側で用意してくれますので、内容を確認した上で実印を押しましょう。
実印・印鑑登録証明書
実印は委任状および譲渡証明書に押印する必要があります。その押印した実印が効力を持っていることを証明する印鑑証明書は、売却手続きの際に買取業者に提出しなければなりません。
印鑑登録証明書は市区町村の役場で発行できます。もし何らかの理由で実印を変更したことがあるならば、現在所持している実印が登録されているか、間違いがないように確認しましょう。
リサイクル券
「自動車リサイクル法」で定められている、車のリサイクルのために必要な費用の預託を証明するものが「リサイクル券」です。一般的には新車・中古車問わず、購入時に預託金を支払っています。売却時には忘れずに提出するようにしましょう。
なお、リサイクル預託金は車台番号に紐付けられているため、リサイクル券を無くしても、預託した費用が無効になることはありません。
住民票・戸籍謄本
引っ越しなどにより現住所が変更になった、結婚などにより姓名が変更になった場合、売却の前に車検証の登録を変更する必要があります。住所が変更になっているなら住民票を、姓名が変更になっているなら戸籍謄本の写しを用意しましょう。
契約後のキャンセルはしない
車の売却契約が結ばれると、一般的にはそれ以降キャンセルをすることはできません。 車の売却契約が済んだ後は、買取業者はすでに次の動きを始めているからです。
すでにオークションに出されている
買取業者は、車を買い取った後にはすぐに中古車として売却するための手続きを進めます。そのうちの一つがオークションへの出品です。
中古車販売業者が商品となる車を買い取る「中古車オークション」への出品には、出品手数料がかかります。またオークション会場まで車を移動させるための費用もかかるため、オークションの出品手続きが行われた時点で多くの費用が発生しています。
ここで売却をキャンセルしてしまうと、買取業者は費用面で大きな損害を受けるだけでなく、オークションの主催者からの印象も悪くなり、最悪の場合にはその業者の出品が認められなくなる場合もあります。
販売店へ移送されている
直接販売店で売る場合にも、買取業者から販売店への移動の手続きが進められています。すでに移動が完了している場合、修理や整備、事務手続きといった販売準備が行われていることもあります。
キャンセルとなった場合にはこれらの手続きが全て無駄となってしまうだけでなく、もしすでに買い手がついているなら、その客に対しても多大な迷惑を掛けることとなります。
キャンセル要件は必ず確認
車を買取業者に売却する場合には、必ず契約書を通じた契約が行われます。契約書の中には売却時のキャンセルについての要件が記載されていますので、キャンセルを行う際には必ず確認するようにしましょう。
キャンセルをする場合、売り手は契約で定められたキャンセル料を支払わなければなりません。キャンセルを申し出た時点で、どの程度販売に向けた手続きが進んでいたかによってキャンセル料は変化します。
なお、キャンセル費用は損害額を大幅に超えた請求ができないように法律で定められています。すでにオークションに出品されていた、次の買い手が決まっていた場合などで無い限り、キャンセル料はそれほどかからないでしょう。
万が一キャンセル料の請求が高すぎる場合には、詳細な内訳を確認し、その請求が正当であるかの証明を求めましょう。
キャンセルとなる原因の多くは家族
車の売却契約を結んだ後にキャンセルとなる理由は様々ですが、その多くは家族との情報共有がされていなかったことが原因となっています。
名義上の持ち主は自分だったとしても、家族で使用している車を黙って売ろうとした場合には、家族から反発を受けるかもしれません。
家族間の意識が統一できないまま車を売却しようとすると、キャンセル料が発生してしまうばかりか、家族の関係も悪くなる可能性があります。前もって家族と意識をすりあわせた上で車の売却手続きに進みましょう。
まとめ
車を買取業者に売却する際には、前もって相場を調べておくことで、買取業者に安く買い叩かれることを防ぐことができ、漏れがないように書類を用意しておくことで、スムーズに売却手続きを進めることができます。
また万が一売却をキャンセルしてしまうと、買取業者が被った被害分をキャンセル料として支払わなければならなくなります。不要なキャンセルにならないよう、間違い無く車を売却できるように準備をしておくと良いでしょう。